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カテゴリ:メケレ(任地)にて
路上のミシン屋さんで破れたジーンズを縫ってもらっていたところ、後ろから「アリババ!」という声がした。
エチオピア北部で「アリババ」とは「アリババと40人の盗賊」にちなんで「盗賊」を意味し、東洋人に対する差別用語だから、当然気分は良くない。 そこで振り返って「誰が言った?」と聞いても「知らない」と抜かし、諦めて立ち去ろうとするとまた「アリババ!」とかほざく。 むかつく! こういうことを言ってくるのは、いつも後ろから、遠くから。 こちらから近づいていくと逃げる。問い詰めてもシラを切る。 離れたり、背中を見せたりすると、また言う。 まったくもってやり方がセコい。 基本的には、僕はエチオピア人が好きだ。 知り合い以上の関係になると親切でもてなし好きだし、日本人よりは外国人に対してフレンドリーで、他の多くの国の人よりは控えめで、付き合いやすい。 いい加減さなんかにイラつくこともあるが、そこらを気にしていたら途上国じゃやっていけない。 でも、路上のバカどもの人種差別的な発言だけは許せない。 無視してみたりキレてみたり冷静に問い詰めてみたり、色々な対応を試してきたが、何も変わらない。 どうすりゃいいのか。 ちなみに、白人はそれほど差別されていないが、プロテスタントを嫌う正教徒は多い。 同じキリスト教でありながら教義が大きく異なり、かつ積極的に布教を進めている点が嫌われる原因のようだ。 斜め向かいに住むアメリカ人のプロテスタント宣教師は、時々石を投げつけられるそうだ。 黒人に対しては、基本的に見下している。 エチオピア人も肌は黒いのだが、人種的にはセム系でアラブ人に近いから彼らとは違うということだろうか。 「俺らの肌はチョコレート色だが、彼らは真っ黒だ。」なんてのはくだらないがよく聞くセリフだ。 日本の場合、こんなあからさまな差別をする人は少ないだろうけど、外国人との親しい付き合いを避ける人なんかは多そうだ。 結局差別って、形が違うだけでどこにでもあるものだと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月09日 05時43分15秒
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