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じゃくの音楽日記帳

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2010.11.23
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11月22日、サントリーホールでヤンソンス&コンセルトヘボウ、マーラー3番を聴きました。彼らの本領発揮、実に見事な3番で、大々感動でした!

指揮:マリス・ヤンソンス
アルト独唱:アンナ・ラーソン
女声合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:TOKYO FM少年合唱団
管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
サントリーホール

ところで昨日のミューザ川崎では、広い舞台を利用して、声楽陣を含む全演奏者が、ステージ上に乗って演奏しました。P席(パイプオルガンと舞台の間の席)は、普通に客席として使用されていました。合唱団は、オケの入場と一緒に、あらかじめ舞台上に上がって、着席して待機していました。

本日、舞台がそれほど広くないサントリーで、どう配置するのだろうか、そう思いながらホールにはいってみると(今回は開演より大分時間のゆとりをもってホールに入場しました)、昨日同様にPブロックにお客さんがぱらぱらと座っています。それでは合唱はやはり舞台上か?しかし舞台を見ると、舞台一杯に打楽器やら椅子が並んでいて、とても合唱団がはいるスペースはありません。あれ、それでは客席の他のブロックだろうか、そう思ってホール内の客席をぐるっと見渡しましたが、どこにもお客さんが普通にはいっていて、合唱のスペースを特別に確保している様子はありません。うーんそれでは合唱団は途中から入場して立って歌うのだろうか、しかしそれでは昨日とあまりにやり方が違うなぁ??等と疑問に思っていると、どうもPブロックの様子が変です。Pブロックの前から3列までの席にお客さんが着席すると、係員が近づいて来て声をかけ、しばらく話しあって、お客さんをどこか他の席に誘導していきます。これ、チケットをうっかり売ってしまったものの、あとからPブロックの前方3列を合唱に使うことに気が付き(あるいはその席を合唱に使うことに方針変更され)、そのために当日に、急遽お客さんに席の移動をお願いしているようです。異例の不手際です。昨夜のオケの乱調といい、この座席不手際事件といい、今夜も波乱含みの演奏会になるのか、と心配しました。

そういえば、記憶があいまいなのですが、2002年のシャイーとコンセルトヘボウによるサントリーホールでのマーラー3番のとき、確か合唱団を含む全演奏陣が舞台上にぎっしりと乗って演奏していて、珍しい方法だな、と思った記憶があります。シャイーがそれを望んだとは考えにくいので、主催者がPブロックのチケットを売ってしまったのでシャイーはやむなく全演奏者を舞台上に乗せて演奏したのかもしれないです。今回は、ヤンソンスが譲らなかったのかもしれないです。(まったく想像で、真相はわかりません。)

いずれにせよ誘導する係員の緊張はさぞやだったと思います。なんとか開演時刻のころには無事にPブロック前方3列のお客さんの移動が全員おわって、空きスペースが確保できました。Pブロックの4列目から後方は、普通にお客さんが座っています。

オケの入場とともに、合唱団がPブロックに入場してきました。そして前方3列の、向かって左側に少年合唱、向かって右側に女声合唱が着席しました。入りきれなくて通路に座った合唱団員もいました。ともかくなんとかそこのスペースにおさまり、4列目から後ろは普通にお客さんが座っているという、異例の光景になりました。

そのようにして始まった今夜の演奏会でしたが、演奏はすこぶる充実していました。音の鳴りっぷりが、昨日と全く違います。これが彼らの本気の演奏ですね。大感動です!

ただし彼ら自身としては、おそらくこれでもまだ決して満足な出来ではなかったと思います。冒頭のホルンのユニゾンに約1名(?)、僅かな音のはずしがありましたし、第一楽章のピッコロには危うさを感じる時が少なからずありました(曲の後半ではなんとか復調しました)。アンサンブルも、僅かな乱れがないことはない(木管の音の出がわずかに遅れたり、ハープのタイミングが今一つ決まらなかったり)。

・・・こんなことばかり指摘していると、あら探ししながら聴いているイヤな聴衆だ、と思われたらとても心外なので、一応弁明しておくと、何しろ昨日のことがありますから、ついついいつもより、ミスが出ないか気になってしまうという聴き方にはなっていたと思います。しかし今日のは、ほとんど気にならないミスなんです。ミスそのものの程度が、昨日より格段に小さいですし、何よりも、昨日とは気合いが違うんです。本気でひいている彼らに、もはや何の不満があるはずがありません。

最後近くの静かな金管コラールのトランペットのハイトーン(練習番号26、第257小節)の超難所、ここは、皮肉にも昨日の川崎ではきっちり決まっていたのに、今夜ははずしてしまいました。でも、こういうミスはいいんです。これは仕方ない事故。

昨日、今日と連続で聴いた人間としては、昨日との気合いの差があまりにも大きすぎて、何故に昨日もっと真剣にやってくれなかったのか、ということがちょっとだけ腹立たしかったですが、それはそれ、きょうの素晴らしい音楽をじっくりと堪能させていただきました。大感動のひとときでした。今年の3番の演奏会ラッシュの最後を締め括るにふさわしい、大横綱級の名演でした!

まだまだ書きたいこといっぱいあります。アルトのこと、ポストホルンのこと、ヤンソンスのこと。きょうはこのくらいにして、また次の記事で書きます。





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Last updated  2010.11.23 23:42:47
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