カテゴリ:福島原発震災
福島第一原発の一号機がメルトダウンしていることを、5月12日にようやく東京電力が公表しました。 「1号機メルトダウン」公表の意味するもの。明日に向けて(111) にまとまって指摘されています。 ところでそもそも福島第一原発の事故は、東京電力が言っているような「津波のせい」ではなくて、津波の来る以前に、地震の振動で配管断裂などが生じ、冷却材(=水)が失われたためである可能性が強く指摘されていますね。津波で電源が止まって冷やせなくなったためではなく、地震の揺れで原子炉が壊れ、そもそも冷やすための水が原子炉内からなくなってしまったという、前例のないおそろしい事故ということなのです。これは田中三彦氏が3月下旬に指摘し、「世界」5月号に掲載されているそうです。はてなのゆりさんの5月5日の記事「福島原発は 津波の前に 地震でやられた!?」にも詳しく紹介されています。 このことをふまえて守田氏は、今回のメルトダウンの発表について、上記記事にまとめています。その一部を、以下に転載させていただきます。 ----------------------------------------------------------------------------------- (ここから転載) この点をまとめるならば、「1号機メルトダウン」の意味するものは、東電と政府が、冷却材喪失という、およそこれまで考えられてきた最悪の事故が起こったことを隠していた事実の露見です。これが追求されなければならない。 しかし時間が置かれることによって、すっかりこれがぼかされてしまっている。いわば「ほとぼりが冷めて」からこの事態は公にされたのです。もちろんマスコミはどこもこの重大なポイントに気づいていません。残念なことです。 第二に、水棺化は、事故を数か月で収束に向かわせる展望を、東電や政府が有しているような幻想を国民や住民、また海外にアピールするためにのみ行われたのではないかと思われることです。 東電や政府は、1号機の深刻なトラブルを知っていたはずです。実は水棺化はそれを確認するためになされたのかもしれない。水が漏ることを承知の上でどれぐらい漏れるか確かめたのではないかとすら思えます。 しかし第三により深刻な事態が横たわっており、それが今回もどさくさまぎれに語られているのではないか。そしてそれが何かと言えば、プルトニウムなどの物質が漏れ出しているという重大なことなのではないか。 というのは焦点をメルトダウンがこれ以上進むのか否かよりも、メルトダウンで何が漏れ出したのかに移してみるならば、起こっていたのは燃料ペレットが溶ける事態であり、必然的に中のものが漏れ出す事態だったことが分かります。 もちろん、破局的な爆発が恐ろしいのは当然ですが、実際にはそうした爆発が起こらなくても、燃料ペレットが溶けてしまったのであれば、当然にも深刻な放射性物質の漏えいがかなり深刻になっている可能性がある。 メルトダウンを知っていた東電と政府は、本来、早くからこのことに取り組み、各地で、プルトニウムをはじめとした超ウラン元素などを計測すべきであった。それを行ってきていないことが何よりも追求されねばならないと思えます。 (転載終わり) ----------------------------------------------------------------------------------- このプルトニウムに関しては、東電の発表は本当に乏しいです。フリージャーナリストの上杉隆氏が3月末ごろのラジオ番組で言っていたことには、僕の記憶違いがなければ、「記者会見でプルトニウムに関して大手メディアの記者が誰も質問しないので自分が質問したら、数日たってからようやく初めてデータをわずかに出した、もしかしたら測っていなかったのかもしれない」ということです。そして、その後のデータはほとんど発表されていません。 上杉隆氏は、「週間 上杉隆」の3月31日の記事で、プルトニウムの危険性があいまいにされている問題を、指摘しています。 プルトニウムをはじめとした超ウラン元素、その他の情報を、きっちり測定して発表すべきでしょう。日に日に汚染は広がっています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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