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じゃくの音楽日記帳

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2013.07.25
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カテゴリ:演奏会(2013年)

大植&大フィルの演奏会を聴きました。

大阪フィルハーモニー交響楽団 第470回定期演奏会
7月24日 ザ・シンフォニーホール (二日公演の二日目)
指揮:大植英次

ブラームス作曲(シェーンベルク編曲) ピアノ四重奏曲第1番ト短調 (管弦楽版)
ラヴェル作曲 歌劇「子どもと魔法」(演奏会形式)

どちらも聴いたことのない曲でした。ラヴェルのほうは、数か月ほど前に、ちょうどBSでこのオペラが放送されたのを録画していたので、折を見て予習しておこうと思っていたのですが、なにかと忙しくて見られないでいるうちに当日を迎えてしまいました。

(もうともかくラヴェルが夢のように素晴らしかったので、以下はそのことだけ書きます。)

symphonyHall.jpg

久々のシンフォニーホール。緑のアプローチをくぐって会場につきました。プログラム解説によると、この歌劇は、乱暴な子供が、彼にこわされたり傷つけられたりした家具やらおもちゃやら木々やら生き物たちから反撃されて怖い思いをし、そして・・・という筋立てのようです。対訳をぱらぱらとみると、「猫のニャンニャン二重唱」などというのもあり、なんだか楽しそうです。

短いオペラですけど、合唱+児童合唱+独唱者が豪華8人(女声5、男声3)という、えらく贅沢な構成です。合唱団は、オルガン席に児童合唱53人、おとなの合唱39人が座りました。独唱者8人は、指揮者の横に左右4人ずつ、舞台最前列に一列に並び、壮観です。マーラーの8番でさえ、8人が舞台上に勢揃いすることはありませんから、これは見ものでした。

オケは、ときにわざと調子っぱずれの音程で演奏したり、木管をはじめとしてかなり個人芸が要求される、聴く方は楽しく、弾く方はかなり難しい曲だと思いますが、大フィルはきっちりと演奏し、ラヴェルの様々な仕掛けをクリアしていきます。弦のひそよかな合奏もとてもきれいです。

児童・おとなとも合唱団の歌唱も充実しています。ときどき交える身振りは誰の発案なのでしょうか、楽しめます。

そして独唱陣のうたの素晴らしさといったらたまりません。唯一の日本人天羽明惠さんも、外人7人も、大植さんの指揮に導かれ、それぞれ役柄の個性を十分にあらわした、本当に素敵な歌を聴かせてくれます。筋立ては特別大感動とかいう物語ではないのに、聴いていてそこかしこで、涙がはらはらとでてきてしまいます。

この体験、かつてここで聴いた大植&大フィルのマーラー3番のときもこうでした。アルトの坂本さんが大植さんの棒に寄りそって歌う第四楽章の歌に、それまでこの楽章の歌から聴いたことのない深い感動が心にしみ、涙したものです。

大植さんの歌心が、天才ラヴェルの音楽の魅力を、あふれんばかりに開花させている、そんな奇跡のようなひとときでした。曲の終わり近くは、出番のなく座っている独唱者たちもうっとりと音楽の幸福をかみしめているように見えました。

二日とも聴かれたぐすたふさんによると、二日目は、初日よりもぐっとテンポが遅く、深みをましていたということです。

字幕も見やすかったです。オルガンの左右の壁にそれぞれ投影された2箇所と、それが見にくい座席の人のために1階平土間の舞台近くの左右にオルガン方向に斜めに置かれたモニター2台の合計4か所の設置というのが親切でした。また誰が歌っているのかがわかるように、いちいち(子供)とか(ソファ)とか表示されていたので、とてもわかりやすかったです。僕の思う字幕の基本3要件(=無音、短時間認識可能、同時理解可能。詳しくは「中島彰子による夢芸能 月に憑かれたピエロ」の記事をご覧ください)をきっちり満たし、しかもそれだけでなく、途中で字幕の字がぱらっと砕け散るという気の利いた演出が1か所あり、センスの光る字幕でした。

終演後、長く楽しいカーテンコール(途中大植さんの手から白い花が突如現れるという大植マジック(^^)あり)が終わって、オケが退場し拍手が一度おさまりました。その後オルガン席の合唱団が退場し始めたのに伴って会場から合唱団の健闘をたたえる拍手がぱらぱらと起こり始めました。良くある光景です。ところがふと舞台の下手をみると、大植さんが出てきていて、退場する合唱団に聴衆と一緒に拍手を送っていました。

何もかも極上のひととき。まさかこれほどの体験になるとは思いませんでした。聴きに来て、本当に良かったです。大植さんと演奏者の皆様に心からブラボーです!そして終演後ぐすたふさんたちと冷めやらぬ感動を語りあえたのも、かけがえのないひとときでした。






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Last updated  2013.07.26 02:31:59
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