カテゴリ:マーラー演奏会(2013年)
アルミンクが新日フィルを振る最後の定期演奏会、マーラー3番を聴きました。
8月2日、3日の2回公演です。 アルミンク、10年前の新日フィル音楽監督就任のときも、マーラー3番をやってくれました。このときはすみだトリフォニーホールとパルテノン多摩での2回公演、両日とも聴きに行きました。あれからもう10年、アルミンクが新日フィルとの最後の演目に再びマーラー3番を選んだのでした。 今日は初日を聴いてきました。 いろいろ書きたいことがありますが、あすも仕事&二日目の演奏会を聴きに行くので、今夜はちょっとだけ書きます。 新鮮な発見、良いところが多々ありました。ひさびさに、聴きごたえのあるマーラーを聴ける体験でした。 だけど、だけど。 なんと言えばいいのか、うまく言えないけれど、ここに聴こえてくる音楽から、 失われてしまった愛の、溝の深さ、傷の痛々しさを、まざまざと感じてしまった一夜でした。 このあたりについて、詳しくは、明日以降にまた書きます。 ひとつだけ、今日のうちに是非書いておきたいことを書きます。音楽以外のことです。(書くのは気持ちが重いのですが。) ありえないことがあったのです。 第二楽章が終わって、間合いになり、独唱の藤村さんが入場してきました。このとき、最初客席からは拍手は起こらず、会場は静まっていました。 ところが、あろうことか、オケのメンバーの一部から足を踏み鳴らすやりかたの拍手が少し湧き起こったのでした。それにつられる形で、客席からも少し拍手が起こりましたが、 発端はオケでした。 こんなことありえないのでは。 独唱者に敬意を表するにしても、曲の途中です。会場から少し拍手が沸き起こることはときどきあり、それは仕方ないですが、曲の途中で、オケから拍手始めますか? もしも指揮者が独唱者を拍手で迎えているなら、オケがそれに同調しても良いと思います。でもアルミンクはそんなことしてなかった(と思います。始まりのところをしっかり見ていなかったので確実なことは言えませんけど、アルミンクがそんなことをする指揮者とは到底思えません。) 忘れもしない10年前のマーラー3番のとき、独唱者が入場してくるとき、アルミンクは不自然な姿勢でまったく違う方向を見ていたのが、すごく印象に残りました。聴衆から拍手がなるべく起こらないように、そうしているのだろうと、僕には見えました。 アルミンクがそういうことにとても気を配って神経を使うことを、長い付き合いのオケは十分わかっているはずです。それを承知で拍手をオケが始めたのだとしたら、指揮者に失礼ではないでしょうか。静けさを保っている聴衆に対しても失礼ではないでしょうか。アルミンクは、オケからのこの拍手に、びっくりして、がっかりしたのではないか、と思います。 僕の見当違いであってほしいのですが。。。 もしも、もしもオケの一部が意図的にやったのだとしたら、それは絶対にやめるべきと思います。 藤村さんが指揮者のすぐ左の椅子にゆっくり座り始め、オケの拍手が鳴りやんでいく頃、アルミンクはちらと客席のほうを振り返りました。その表情には静かな笑みが浮かんでいて、「しょうがないなぁ」みたいな感じに僕には見えました。 明日の公演でここがどうなるのか、しっかり見届けたいと思います。 こんな、音楽以外のことを書くことになるなんて、残念なことです。 でもそれはそれとして、明日のアルミンク&新日フィルの最終公演、音楽をしっかり受け止めてきたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.08.07 10:19:06
コメント(0) | コメントを書く
[マーラー演奏会(2013年)] カテゴリの最新記事
|
|