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じゃくの音楽日記帳

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2014.01.01
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皆様あけましておめでとうございます。昨年後半は仕事が忙しくてブログが書けませんでした。コンサートに行くのも時間がなかなかとりにくく、行った回数がやや少な目の年でした。年末年始も何かと忙しく、昨年のような沢山の記事は書けそうにありません。せめて恒例のコンサート年間のまとめだけでも、駆け足で書いておこうと思います。

まずはマーラーです。2013年に聴いたマーラーの全演奏会は次の通りです。

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2番 大植/大フィル           4/26 フェスティバルホール

3番 アツモン/名古屋フィル     3/29 愛知県芸術劇場コンサートホール
    アルミンク/新日フィル      8/2 すみだトリフォニー
    アルミンク/新日フィル      8/3 すみだトリフォニー
    現田茂夫/TAMA21交響楽団 10/14 府中の森芸術劇場どりーむホール

5番 セーゲルスタム/読響     1/21 サントリー

6番 カンプルラン/読響       3/18 サントリー
    カンプルラン/読響       3/19 サントリー
    ハーディング/新日フィル   6/21 すみだトリフォニー
    ハーディング/新日フィル   6/22 すみだトリフォニー
    アルミンク/兵庫芸術文化センター管  10/13 兵庫県立芸術文化センター
    インバル/都響         11/22 みなとみらい

7番 ジンマン/N響         1/11 NHKホール
    インバル/都響         11/2 みなとみらい
    ハーディング/新日フィル   11/9 すみだトリフォニー

9番 ラザレフ/日フィル       10/27 東京芸術劇場

嘆きの歌 秋山/東響         3/23 サントリー

このほか、体調不良で行くのを断念したのが金/神奈川フィルの定期のマーラー10番で、これは貴重な機会だったので、かなり残念でした。
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2番。大植&大フィルの完全燃焼の2番は、素晴らしかったです。

3番。まず春は、アツモンによる、名古屋フィルの定期演奏会でした。二日とも聴きたかったのですが、二日目が外せない仕事(しかも悔しいことに同じ名古屋で!)のため、初日のほうだけを聴きました。燃焼度は今一つでしたが、二日目にはさらによくなっていたのかもしれません。

夏の3番は、アルミンク&新日フィルのラスト定期でした。特に二日目はオケも精度があがり、アルミンクが作る音楽の深さに大感動でした。

秋の3番は、東京のアマオケによる演奏。現田さんのマーラーを聴くのは初めてでした。なかなか手堅くまとめた、好感のもてるマーラーでした。欲をいえばもうひとつ高揚がほしかったです。このアマオケは全体的に、技術の高さは驚異的で、管もうまいけど、さらに弦セクションの立派さは、半端じゃなくすごかったです。それから特筆すべきはポストホルンを吹いた賛助出演の守岡さんという女性奏者で、セミプロの方かもしれないですが、音色、音程、歌、どれをとっても文句なし、現在の在京のプロオケのトップ奏者でもこれほどのポストホルンはそうそう吹けない美しさです!距離感も良かったし、本当に素晴らしかったです。この奏者、第3楽章が終わると舞台上に戻ってきて吹いてましたから、おそらく最後の金管コラールも吹かれたのだと思います。そこも安定感あって、とてもきれいでした。終演後、現田さんから花束をもらっていました。拍手が終わって、オケの皆さんが舞台から退場するときに、舞台そばにいって、使用楽器をお尋ねしたら、普通の♭B管のトランペットということでした。素晴らしい演奏をありがとうございました。

 

5番は、セーゲルスタムが細心かつ豪快な演奏で楽しませてくれました。

6番は、アルミンクの超充実ぶりが光りました。このアルミンクの前には他の演奏がかすんでしまいますが、なかでハーディング&新日フィルは、以前東フィルを振ったときよりも良かったです。

それからインバルの6番。かねてから個人的に、インバルが一番向いているマーラーは中期の作品、5、6、7、8番だと思っていましたが、やはりこの6番、引き締まっていて、インバルのマーラーにしては聴きごたえがあって充実していました。今度の新マーラーチクルス、5番は仕事の都合できけなかったのですが、1,2,3,4,6と聴いてきて、6番がダントツに良かったと思います。しかししかし、すべてのパートがやたらと聴こえすぎです。聴こえればいいというものではないと思います。特に、インバルのマーラー解釈のあらわれとして象徴的だったのが、カウベルの音の扱いでした。カウベルの音がやたらはっきりと聞こえてきて、遠くからの、美しい響きをもって響かないのですね。6番で響くカウベルの音は、現実世界とは異なる、現実には得られない安らぎの世界の象徴ではないかと思います。その世界への憧憬の念をもって響かそうとしないと、だめだと思います。今回のアルミンクやハイティンク&シカゴ響井上喜惟&JMOのような、デリカシーのある美しい響きとまではいかなくても、もう少しそのあたりに神経をつかってもらえないものでしょうか。いやインバルにそういうことを望むのがそもそも無理なのですね。

この6番を聴いて、インバルのマーラーがなぜ僕の心に響きにくいのか、その理由をあらためて明白に感じました。インバルのマーラーには憧憬がないし、寂寥感がない。僕にとっては、前者は初期の作品群に致命的だし、後者は晩年の作品(大地の歌、9番)に致命的なのです。まぁ、こういうマーラーの演奏もありかなとは思います。でも間違っても、都響のチラシによく見かける、「世界一のマーラー」という宣伝文句は、やめてほしいものです。

それからカンプルランが初めて振るマーラー、6番。これはどうしようもなくつまらなかったです。この人はマーラーに手を出さないほうが良いかと思いました。

7番は、昨年の秋はすごいことになってました。インバル&都響と、ハーディング&新日フィルの両者が、どちらも11月8日と11月9日の二日公演という、正面からの激突だったのです。マーラー7番愛好家は、なんでよりによって同じ日に!と悩んだことでしょう。わたくしは7番へのこだわりはそれほどないので、あまり悩まないですみました。11月8日はみなとみらいでインバル&都響、11月9日はすみだトリフォニーでハーディング&新日フィルを聴きました。インバルの7番は、悪くはなかったですが、翌日のハーディングのほうがやはり断然素晴らしかったです。第四楽章の夜の歌が、途中思わず涙が出てくるくらいでした。この楽章、マーラーが書いたもっとも家庭的で温かく幸福な音楽だと思います。それがハーディングの棒でとっても素敵に表れていたのです。

今年は9番はラザレフ&日フィルの1回だけでした。これも、どうしようもなくつまらなかったです。日フィルはコバケンの振るマーラーを弾いている団員も多いでしょうから、どんな想いで弾いているのだろうか、などと余計な想像をしちゃいました。それにつけてもコバケンがこのごろマーラーをちっとも振らないのはなぜなのでしょうか。コバケンのマーラー、待ち遠しいです。

ということで2013年コンサート、駆け足でマーラー編でした。






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Last updated  2014.01.03 10:22:36
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