これからは、マーラー・ブルックナー以外で、2013年の演奏会で印象に残ったものを抜粋して書きます。
まずオーケストラ演奏会です。
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5月11日 尾高/N響 ウォルトン 交響曲第一番ほか (NHKホール)
6月 6日 大植英次/東フィル チャイコフスキー 交響曲第5番ほか (東京オペラシティ)
6月 7日 大植英次/東フィル チャイコフスキー 交響曲第5番ほか (サントリー)
9月 5日 細川俊夫管弦楽作品集 (サントリー)
10月 4日 アンドルー・ディヴィス/BBC交響楽団 ヴォーン=ウィリアムス 交響曲第2番ほか (みなとみらい)
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尾高&N響のウォルトンは、記事にしたとおりの、力のはいったいい演奏でした。
昨年計4回行われた大植さんと東フィルとの演奏会がいずれも充実していました。なかでも2夜にわたったチャイコフスキーの5番には、非常に感銘を受けました。2011年の大フィルとの5番も素晴らしかったけど、そこからさらに一段と深みがましていました。ポスト・ベートーヴェンの第五交響曲として最高なのはチャイコフスキーかな、と思わせるような、大感動のひとときでした。大フィルとのチャイコフスキーシリーズのときも思ったけど、大植さんのチャイコフスキーは本当に素晴らしいです。
現代音楽では、サントリーホールのサマーフェステイバル2013で行われた、サントリーホール国際作曲委嘱シリーズで、細川俊夫管弦楽作品のコンサートで、興味はあってもあまり馴染みがなかった細川氏の作品にじっくりと触れることができました。とくにオペラ「松風」からの「松風のアリア」に感銘を受けました。このオペラ、2011年にベルギーで初演された、細川氏3作目のオペラだそうです。日本でも上演してほしいと思いました。
アンドルー・ディヴィスによるヴォーン=ウィリアムスの交響曲第2番は、オケが思ったほどには洗練されてなくて、演奏自体は大味で、期待したほどではなかったですが、貴重なロンドン交響曲の実演に初めて接することができました。この日のプログラムは神尾真由子さんとのモーツァルトの協奏曲以外は、沢山のアンコールも含めて全部イギリスもので、ディヴィスさんの暖かな人柄と旺盛なサービス精神が好印象でした。また来日して、ヴォーン=ウィリアムスをいろいろやっていただきたいです。