今年最初のコンサートを聴きました。大植さんが日フィル初登場の演奏会です。
2016年1月9日 横浜みなとみらいホール 日本フィル第314回横浜定期演奏会
ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集「四季」
ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」
指揮とチェンバロ:大植英次
ヴァイオリン:木野雅之
コンサートマスター:木野雅之
ソロ・チェロ:辻本玲
四季は木野さんがソリストで大植さんがチェンバロを弾き振りでした。
新世界は、テンポの緩急の変化が激しいユニークなスタイルでした。
アンコールにアメイジング・グレースが演奏されました。最初は木野コンマスのソロから始まり、やがて辻本さんのチェロも加わって二重奏となり、そして弦楽四重奏となり、これで1コーラスが終りました。2コーラス目は各弦セクションの第2プルトくらいまでの奏者での合奏で、3コーラス目はさらにその倍くらいの弦楽合奏となり、最後の4コーラス目は全弦楽器奏者による合奏でした。美しい弦楽の響きでした。
終演後に引き続き、1階ホワイエでミニ・パーティが開かれました。無料でビールやジュースが振る舞われ、木野さんらによるショート・ピースの生演奏が行われたあと、大植さんがスピーチをしました。大植さんは1冊の古びたスコアを携えて現れました。そのスコアは、大植さんがドヴォルザークのひ孫と会って、その人から譲り受けたという「新世界より」の作曲家自筆譜で、世界に20冊しかないということでした。「今夜の演奏はテンポの緩急変化が大きいと思われたかもしれないが、それはこの自筆譜に書いてある通りなのです」と、第四楽章の冒頭を例示してお話されてました。そのあといよいよ大植話術は熱を帯び、1972年から75年まで日フィルの定期会員で、東京文化会館でしばしば日フィルを聴いたこと、まれに会場にもぐりこんで聴いたこと、などをいろいろ楽しく語っていただきました。最後は平和を願う言葉で締めくくられました。
新春にふさわしい、楽しくさわやかなコンサートでした。
遠くから撮ったので粗い写真ですが、大植さんの後ろの譜面台に置かれているのが、「新世界より」の作曲者自筆譜だそうです。↓