ハンガリーのカンテムス少女合唱団を聴きました。
カンテムス少女合唱団は、ハンガリーのニレジハーザ市にある市立の小学校の合唱団です。その音楽の先生であるデーネシュ・サボー氏の指導により1975年に発足し、メンバーは12~14歳の少女たちということです。カンテムス少女合唱団と、それより少し年長のメンバーから成るプロムジカ女声合唱団は、サボー氏の指導により、これまで世界中のコンクールで数々の第一位受賞をしてきている児童合唱団です。
カンテムス少女合唱団が初来日したのは、1992年だそうです。僕がカンテムス合唱団を初めて聴いたのは、彼女たちの二度目の来日、1995年カザルスホールでした。児童合唱の響きが好きというだけで、まったく予備知識なしに出かけた演奏会でした。おぼろげな記憶ですが、プログラムは確かブリテンの「キャロルの祭典」(ピアノ伴奏)で始まったと思います。キャンドルを持って客席側からしずしずと入場しながら歌われたグレゴリア聖歌風のアカペラの斉唱による「入唱」から、その響きの奇跡的な美しさに衝撃を受けました。そして沢山の歌が歌われて、アンコールの最後は、多分「ふるさと」だったと思います。細かなことは良く覚えていませんが、ともかく最初から最後まで、完璧なハーモニーに浸りながら、世の中にはこんな美しいハーモニーがあるのだ、という驚きと感動に包まれていたことは、今も強く胸に刻まれています。あれからもう20年もたったとは、時の流れは速いものです。
そのときのプログラムを久しぶりに引っ張りだしてみました。
カンテムス合唱団は、当初は少年少女合唱団としてスタートしたそうです。確かにこの1995年のプログラムにも、「少年少女合唱団」と表記されています。でもこのときもすでにほぼ全員が少女だったと思います。のちに少年と少女が分かれ、少女合唱団になったということです。
1992年以来、カンテムス少女合唱団とプロムジカ女声合唱団は、サボーさんに率いられ、時々来日して、その都度日本各地を巡って、当地の児童合唱団との交流や、演奏会を重ねてきました。僕はカザルスホールの体験以来、彼女たちの歌声をできるだけ聴きたいと思ってきました。しかしなにせ彼女達の日本ツアーは、商業ベースと無縁の、日本の関係者の方々との草の根の交流に基づくものなので、関係者以外には情報がはいりにくく、わかったときにはすでに終わっていたということも一度ならずありました(ToT)。それでもプロムジカ女声合唱団は、比較的頻回に来日してくれるので、2005年以後、これまで数回聴く機会に恵まれました。2009年以降の演奏会は、ブログ記事にも書きました。2009年7月、2009年8月、2012年7月です。何度聴いても本当に美しく、聴きほれる響きです。
小さい児童の合唱の響きにとても惹かれる僕としては、カンテムス少女合唱団の方も、是非ともまた聴きたい、と思っていました。しかし年少のためか、来日頻度がプロムジカより少なくて、しかも上記したように情報を逃して悔しい思いをすることもあり、なんだかんだと、これまで聴くことができませんでした。今年8月にようやく、カザルスホールでの体験以来20年ぶりに、カンテムス合唱団を聴くことができました。
(演奏会のレポートは次の記事に書きたいと思います。)