もうお正月も4日目ですが(^^;)、新年おめでとうございます。今年もマイペースでブログを書いていきたいと思います、どうぞよろしくお願いします。
2016年に聴いたコンサートのまとめの続き、今度はブルックナーです。
-------------------------------------------------------------------
4番 ネゼ=セガン&フィラデルフィア管 6/3 サントリー
5番 ヤルヴィ&N響 2/6 NHKホール
7番 メータ&ウィーンフィル 10/10 サントリー
ブロムシュテット&バンベルク響 11/4 東京オペラシティ
8番 スクロヴァチェフスキ&読響 1/23 サントリー
ノット&東響 7/16 サントリー
------------------------------------------------------------------
ネゼ=セガン&フィラデルフィア管は、2014年の来日でマーラー1番の演奏会があり、楽しみにしていましたが、ヘルニアで入院し聴き逃してしまった「痛い」演奏会の一つです。今回は無事に聴くことができてありがたかったです。全編にわたってテンポが大きく変動し、僕としては落ち着かない音楽に感じました。びっくりしたのが、第四楽章のコーダでした。静まって徐々に徐々に盛り上がっていくところ(練習番号Vから)を、非常にゆっくりしたテンポをとり、ヴァイオリンとヴィオラにひたすら繰り返されるトレモロ指示の六連符を、トレモロにせず、六連符の一つ一つの音をスタッカートで短く切って弾いて行くというやり方をとりました。かつてチェリビダッケが演奏していた方法と同じです!
チェリビダッケは、この部分を、まさにこの独自の方法で演奏し、圧倒的な感動を呼んでいました。セガンは、それと同じやり方で演奏しましたが、形だけ真似ても全然ダメという見本のようなものと感じました。チェリビダッケの場合は、第一楽章の始まりから、ずっとゆったりと一貫した大きな流れを持つ演奏だったので、曲の締めくくりとしてのこのスタイルが強い説得力を持ち、大きな感動が生起しました。対してセガンは、ここに至るまでがテンポ変化の目まぐるしい、せわしいスタイルだったので、最後だけ急にチェリ風のゆっくりとした巨大な音楽スタイルになっても、唐突な印象を生ずるだけでした。
ネゼ=セガンご自身は、インタビューで好きな作曲家として「ブラームスを筆頭に、マーラー、ブルックナー、バッハ、ラヴェル等が大好き」と答えていますが、指揮者としてはブルックナーよりマーラーの方が断然向いているのではないか、と思いました。今度は彼のマーラーを聴いてみたいです。
7番は、メータ&VPOが大収穫で、記事にしたとおりです。もうひとつ聴いた7番が、ブロムシュテット&バンベルク響でした。このコンビで前回聴いた2012年11月の4番が、神がかり的名演でした。速いものでもうあれから4年、ブロムシュテットも89歳です。今回もさすがに非常に充実したブルックナーで、聴衆の集中度も極めて高く、特別な雰囲気に包まれたひとときでした。(オペラシティで重要なブルックナーのコンサートがあるときに集結する聴衆の質は、いつもすごいです。)最後の拍手も熱く盛大でした。僕もこの場に立ちあえて良かったです。しかし個人的には前回のような大感銘は残念ながら得られませんでした。日本ツアーの終盤の演奏会で、オケはのびのびと演奏していて良かったのですが、のびのびとしすぎて、音楽にわずかな粗さというか、緩みが生じたように感じました。「4番のような演奏を再び」という自分の期待が大きすぎたのかもしれません。しかしブロムシュテットさんは大変お元気そうだったのが、何よりのことでした。また来日してブルックナーを聴かせていただければと思います。
8番は記事にしたとおり、92歳のスクロヴァチェフスキのますますの充実ぶりが貴重な体験となりました。