カテゴリ:演奏会(2019年)
オーボエの素敵なリサイタルを聴きました。
オーボエ 荒木 奏美(あらき かなみ) ピアノ 宇根 美沙惠(うね みさえ) りゅーとぴあランチタイムワンコインコンサート VOL.101 6月21日 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール 荒木さんは東京交響楽団の首席オーボエ奏者です。新潟に来る所用があり、調べたところタイミング良くこのオーボエリサイタルを聴けそうで、楽しみにしていました。直前に山形県沖地震があり、新潟市内も震度4の揺れがありましたが、その後大きな余震はなく、リサイタルは予定通り開催されました。当日暑い日差しの中来てみると、信濃川の川辺で緑豊かな白山公園の一角に、りゅーとぴあがありました。一度は来てみたかった、りゅーとぴあです。 この建物は上から見ると楕円形で、丁度お寿司の軍艦巻きを巨大にしたような形です。建物のすぐ外側、2階相当の高さのところに、歩道が回廊としてぐるっと囲むように建物を取り巻いていました。 1階入り口です。右上に見えるのが2階の高さにある歩道です。 2階入り口と、そこにつながる歩道です。 内部も近未来的な雰囲気がするデザインです。中にも空中回廊のような歩道があります。 時間が来てホールに入ると、その大胆で斬新なフォルムが美しいです。これはりゅーとぴあのホームページに載っている写真です。 正面のパイプオルガンは、写真ではわかりにくいですが、鍵盤席の左右両側にパイプがぎっしり詰まった大きな箱がせり出しています。そのため鍵盤席が、あたかもオルガンの内部に少し奥まったところにあるように見える立体的な外観で、近くで見るとなかなかの迫力があります。 これもホームページに載っている写真です。ステージから見た客席、なにか未来的な眺めです。 客席は、ステージを360度ぐるっと取り囲むように作られています。座席数はホームページによると1900人、現地では2000人と掲示されていました。 今日のリサイタルは自由席なので、1階ステージ近くの席を確保したあと、ちょっとあちこち移動してみたところ、どこからでも死角が少なく、ステージが良く見えます。このホールで東京交響楽団が定期演奏会を開催しています。ここでのオケやオルガンの響きをいつかは体験したいと思います。 ホワイエの様子です。 いよいよ開演時刻となり、やがて荒木さんと宇根さんがご登場、リサイタルが始まりました。 プログラムは、 モーツァルトのオーボエ四重奏曲K.370(ピアノ版)から第1楽章 大島ミチル 風笛~あすかのテーマ~ モリコーネ ガブリエルのオーボエ ラーンキ ドン・キホーテとドゥルチアーナ姫 ピアソラ アヴェ・マリア ブリテン オヴィディウスによる6つの変容から 第4曲「バッカス」 シューマン 歌曲集ミルテの花から 第7曲「蓮の花」 パスクッリ 「椿姫」の楽しい思い出 華やかな曲、ちょっとコミカルな曲と、しっとりじっくりと歌われる曲がほどよく交互に配置され、途中にはブリテンの珍しい無伴奏の曲もありと、オーボエの魅力を多角的に味わえるプログラムでした。それにしても美しい音色です。楽譜をしっかり見つめながらも、ときに体を大きく揺らすようにして全身から紡がれる音楽が、とても素直で、ピアノとも息がぴったりでした。とりわけ、大島、モリコーネ、ピアソラ、シューマンのしっとりしみじみとした歌のカンタービレが本当に素晴らしく、反射的に涙が滲んでくることしきりで聴いていました。以前聴いたシェレンベルガーさんのリサイタルでも、アンコールにシューマンの歌曲を歌ってくれたものでした。 聴き惚れるうちにあっと言う間に1時間が経ち、最後の曲が終わってしまいました。アンコールは「花は咲く」でした。今回の山形県沖地震では死者が出なかったのが不幸中の幸いですが、今回のことのみならず、地震、台風ほか数々の災害に被災された多くの方々への癒しのメッセージとして切々と歌われました。すでに大島作品からじわじわと緩んでいた私の涙腺はここに来て全開となりながら、ひたすら聴かせていただきました。 終演後、サイン会に並んで、プログラムにサインしていただきました。お礼と共に小声でぽそっと「泣いちゃいました」と言ったら、なんと荒木さんが「もらい泣きしそうでした」とおっしゃたのにはびっくりしました!近場の席だったとはいえ、もろに見られていたとは。泣かせてしまって演奏妨害にならなくて良かったです^_^。 荒木さん宇根さん、心洗われる素晴らしい音楽を、ありがとうございました! リサイタルの余韻に浸りながら、ホールをあとにしました。 このあと、りゅーとぴあにすぐ隣接する新潟県政記念館に立ち寄りました。明治時代に建てられ、県議会の議事場として長く使われた建物だそうです。美しい洋風建築です。 議場です。2階は傍聴席だったそうです。 階段の窓の外には、隣のりゅーとぴあが見えました。 充実したひとときの、新潟プチ散歩でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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