カテゴリ:新型コロナウィルス
神戸市民医療センター中央市民病院からの貴重なデータが出ました。神戸新聞の記事
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202005/0013318051.shtml によると、コロナと関係ない外来患者1000人に抗体検査(PCR検査ではない)を実施し、33例(すなわち3.3%)が陽性であったと。検査期間は3月31日~4月7日。1000人の性別・年代別の検査人数と陽性者数も掲載されています。 また毎日新聞によると、このデータを性別・年代別人口で補正すると、人口の2.7%であった、とされています。 https://mainichi.jp/articles/20200503/k00/00m/040/002000c この報告、手法としては先日の記事に書いた慶応大学病院の報告 https://plaza.rakuten.co.jp/jyak3/diary/202004220000/ と似ています。 調べている指標は、慶応大学病院はPCR検査陽性者なので、検査時点でウィルスが体内にある人であるのに対して、神戸市民病院は抗体ですので、感染歴がある人(過去~少し前までに感染した人の累計)、という点は異なります。抗体の内訳(IgMかIgGか)は報道されていないので感染時期がいつ頃だったのかはわかりませんが、ともかく少し前までの市中感染の実態を反映している指標です。両者の報告の主な点を列挙しておきます。 病院 検査期間 対象 検査 陽性者 陽性率 慶應大学病院 4月13日~4月19日 コロナと無関係の入院患者 PCR 4/67 約6% 神戸市民病院 3月31日~4月 7日 コロナと無関係の外来患者 抗体 33/1000 3.3% どちらも病院受診者対象ですから、一般人口の無作為抽出とは異なり若干のバイアスはあるとしても、市中感染が日本で東京のみならず神戸でも相当多い、ということを示すデータです。 なお、神戸市の人口は1,518,870人(*)ですので、2.7%だと約41,000人が、4月7日の少し前までにすでに感染していたことになります。 一方、神戸市のPCR検査数とその陽性者数は、神戸市のホームページ https://www.city.kobe.lg.jp/a73576/kenko/health/infection/protection/covid_19.html のエクセルファイルで見ることができ、4月7日までのPCR検査数の累計はわずか582人、陽性確認者数の累計は68人にすぎません。5月4日の時点でもPCR検査数の累計は2242人、陽性確認者数の累計は266人です。 いかに現在の日本のPCR検査が少ないか、その陽性者数では感染の実態がつかめないかがわかります。 (*)神戸市のホームページ https://www.city.kobe.lg.jp/a89138/shise/toke/toukei/jinkou/suikeijinkou.html によると、神戸市の2020年4月1日の推定人口が、1,518,870人です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.05.05 05:06:55
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