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武道の世界で「残心(ざんしん)」という言葉があります。
空手の稽古の時、1つの技を出した後にすぐに氣を抜いて 構えを解いてしまう人がいます。 本来、真剣勝負の世界では技を出したからといって そこで必ずしも決着できるわけではありません。 すぐに相手が攻撃を返してくる時もあります。 そんな時に技を出した後、氣を抜いて構えを 解いているようでは、命取りになってしまいます。 また、相手がやられた振りをしている場合もあり、 こちらが氣を抜いた瞬間に襲い掛かってくる事もあるんですね。 だから、技を出した後、相手を倒した後も 必ずしばらくは構えを解かずに相手にしっかりと 氣を向け続ける「残心」をしておく必要があるんです。 ジュニアを指導する時、氣を抜いて残心を怠っている場合は スキのある顔面をパチーンと(もちろん軽くですよ)攻撃したりします。 そこで初めて残心の大切さに氣づくんですね。 次からは技を出した後もしっかりとガードをして残心しています。 また、稽古と日常でのつながりについても話をします。 「技は君たちの心を表している。 残心を怠っているのは普段でも物事を 中途半端で終わらせるクセがついているんだ。 例えば、クツをそろえずに脱ぎっぱなしにしていたり、 部屋の電気をつけっぱなしだったり、 読んだ本を元の場所になおさずに出しっぱなしにしていたり、 最後までキチンとやり終えないクセが 技を出した後にも残心ができないということに つながっているんだよ。 勝負はコンマ数秒の差が明暗を分ける。 一瞬のスキが命取りになるんだ。 だからこそ、技を出した後の残心をしっかりとして スキをなくすようにすれば、もっと強くなることができる。 そのためには、日常生活においても 物事をキチンとやり遂げる『残心』をすることが必要なんだよ。」 このようなスキをなくすこと、残心をすることの 大切さを言い続けてきたことで、最近はだいぶ 子供たちもスキがなくなってきましたね。 そうした話は子供たちだけに言っているのではなく、 自分自身に対しての戒めとしての意味もあります。 自分自身も日常で「残心」をしているか 物事を中途半端で終わらせていないか 事に取り組んだ後にしっかりと反省をしているか ご縁をいただいた方へのフォローをしっかりとしているか 「残心」をしっかりとすることが、 武道においてはスキをなくし、 仕事などではより良い人間関係を築き、 日常においては自分を律し、高めていくことになるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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