大坂城物語
1961年に公開された時代劇映画「大阪城物語」は数々の特撮を駆使し、特撮監督に円谷英二が参加している為、特撮時代劇と称されている。徳川家康が幕府を開いて以降、豊臣家との対立は一層深くなってしまい大坂城の豊臣秀頼(岩井半四郎)と淀君(山田五十鈴)に徳川家が圧力を掛けてきた。その頃、関ケ原の戦いで一家を失った無法者、鬼の茂兵衛(三船敏郎)が大坂にやってきた。しかし茂兵衛は豊臣家に捕えられた徳川の使い隼人(平田昭彦)と阿伊(香川京子)を救出するも山伏に捕えられてしまった。そんな茂兵衛を救ったのが霧隠才蔵(市川団子)であり伊丹屋道幾の密室へ逃げ込んだのだ。やがて茂兵衛は阿伊の案内で小笛(久我美子)と会った。小笛は大阪城内にいる千姫(星由里子)を奪うことで淀君と徳川の争いを避ける事が出来ると言う事で茂兵衛に千姫の誘拐を依頼する。しかし豊臣・徳川の戦いは始まってしまった。ポルトガル船の積んでいる鉄砲を奪った茂兵衛はその鉄砲を荷馬車六台に積んで大坂城へ向ったのだ。この映画は豊臣と徳川の戦いを描いたというよりも両者の和解を描いた作品であり監督を務めた稲垣浩は31年に「宮本武蔵」でアカデミー賞外国語映画賞を受賞し33年には「無法松の一生」でベネチア国際映画祭グランプリに輝き海外でも評価の高い名匠であり、当作品ではスペクタクル時代劇という新たなジャンルを築きました。また円谷英二は東宝撮影所の撮影用プールに巨大な大坂城のミニチュアを構築し、随所に特撮シーンを散りばめた時代劇巨編を作りあげました。平田昭彦と久我美子は、この映画で共演した事を切っ掛けに交際し平田の猛アタックの末に結婚した。この二人の仲人が当作品監督の稲垣浩でありました。にほんブログ村[1961年東宝:DVD未発売] 大坂城物語●三船敏郎/香川京子 (中古ビデオ/VHS)