情届士　洋山の日記 アンチエージングとガーデニング時々人情話

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• 新忠臣蔵　　～～音読で楽しむ～～

  　文藝春秋から1998年に出版された、舟橋聖一著著「新忠臣蔵」の音読に入った。春日井梅鶯氏の「雪の南部坂」や「赤垣源蔵」の理解をより深める事が目的である。この本は赤穂浪士・忠臣蔵に関しては比較的新しい作品。　今まで東映や大映が製作した赤穂浪士や忠臣蔵の世界を映像で把握してきたものを、本を持ってっもっと深く入り込むべきと考えたもの。それに大佛次郎氏の「忠臣蔵」をまだ見ていないのに、新忠臣蔵を読んでもいいのかなという疑問もわいた。しかしながらが、大佛次郎氏の作品の流れは、おおよそ今まで見た映画の中で取り上げている事だろうし、新忠臣蔵が手近で活用できたことも、何かの縁と思い、実行に移した。　第１巻は４８９ページ。１ページの構成が、１行２４文字で２段組み、２２行。１０５６文字であるから大分分量が多い。３日間で１６６ページ分読み進めたところである。　冒頭から映画からは程遠い内容。浅野内匠頭が１７歳の折に、勅使饗応の大任を果たし、家老大石頼母と一緒に江戸から参勤交代で赤穂に帰ってくるところ。　映画では吉良にお礼の品が貧弱との理由から勅使饗応役の教えを受けられず、散々嫌がらせをさせられたので、まさか勅使饗応の役は初めてとばかり信じて見ていた。しかし、舟橋作品では若い時に吉良の指南を既に受けているとの立場であった。　次によく分かったのが、浅野内匠頭の家系を遡ると、浅野長政の子孫にあたる事が得心できた。浅野長政は豊臣政権下で五奉行の筆頭となった男。関ヶ原の闘いでは、徳川家康側について、後に徳川幕府方の大名となる人物。　また長矩が備後三芳の浅野家の娘久利姫と結婚したのが２４歳と１７歳の時。徳川から許しが出る前の二人の関係は、親戚と言う事で昔から知己。相思相愛の仲。長矩は他の女性には目もくれず久利姫のみを一心に愛したとの事。側室をたくさん持つ当時の大名の中では珍しい人物。今時の若いカップルの愛よりも、もっと強い絆かもしれない。江戸で行われた結婚式には、吉良上野介やその子の上杉綱憲をも招待している。　また舟橋氏は、館林藩主であった綱吉の将軍誕生のいきさつ。及びその家臣牧野の御側用人として、幕閣内での地位向上。大老酒井雅楽頭の失脚。綱吉誕生への旗頭の活躍で大老になった堀田正俊が殿中にて稲葉石見守に斬りつけられて命を落とした事。稲葉石見守はその場で切り殺され、お家は断絶。その事件の事を浅野内匠頭は赤穂にて聴き及び、自分は家臣を犠牲にするような行為は出来ないと言わしめている。　さらには、米沢騒動を取り上げ、その当時妻の兄である上杉播磨守綱勝を吉良上野介が毒殺したとの噂が当時流れたことや、３歳で倅が上杉藩の養子後継ぎに決まってから、娘を一旦上杉養女にしてから縁組を行い、上杉家、保科家、紀州家、島津家、津軽家、酒井家などと親族関係を結ぶに至った。　吉良は正に飛ぶ鳥を落とすほどの勢いで、松之廊下の人情沙汰の発生までは、彼の人生においては挫折を知らなかったのであったとしている。　彼は所領の三河でも才知を発揮し、善政を敷いたとのこと。９０余間の堤防を築き、農民はそれを感謝して黄金堤と呼んだ。また運河を開き、冨好新田を開いた。さらには塩田業を起こし奨励し、「饗庭塩」という製品を生み出さしめた。　この饗庭塩は、赤穂塩などに比べると、その品質は劣っていたので、浅野内匠頭の赤穂藩へ塩田技法の伝授を願い出た。赤穂藩では協議の結果、先祖伝来の秘法を教えなかったという。答えはNO。　吉良は赤くなって激怒し、「生意気な長矩め・・・勅使饗応のお役については、散々手取って教えて貰うたのを忘れたか・・・」「今に思い知らせてくりょうぞ・・・田舎大名の思慮の足りなさ・・・」。－－－これが長く吉良の宿根となって、浅野事件の遠因を作ったと言われているーーーと書き記している。 　なるほど！そういう事もありえたのか！ここまで読んでみて、忠臣蔵の裏側や側面などに関して、色々な面が見えてきて、興味がわいた。全４巻あるらしいので、音読と言うよりは、速音読状態になってしまっている。ともあれ、今後が楽しみである。    

  2013.03.01

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• 武田信玄　～～本番モードの練習結果～～

   　久々に、平日の午前中に、自宅にて聴き手無しで、本番モードの「武田信玄」口演に挑戦した。CDに録音されている演奏時間は２８分２４秒であり、これは三味線による前奏の時間なども含まれている。　ストップウォッチを用いて自分の口演時間を計ったら、所要時間が２７分０７秒であった。伸ばすところは十分に伸ばして朗々と演じてみたつもりであった。録音されているものに、ほぼ近いものが演じる事が出来たと思う。　ただし、ipodで同時に声出しをしている時とは違って、矢張り次の出だしの台詞や音の高低に気を配りながら、演じるものであった。「武田信玄」も、既に３６０回程練習をして来たのに、次から次へと湧き上がる様に言葉が出て来るレベルのものではなかった。まだまだ千日の修業のレベルには、程遠すぎるものである現状が、自分でもよく自覚できた。　今は、手助けがあればそれにつられて自然に言葉が出てきているだけ。一人だけの力で、感情をこめて演じるレベルには、まだまだ先のこと。ただ単に今迄通りの日々を過ごすよりも、今日の様な本番モードの取組を、月に何度かは取り入れて、自覚しながら練習を積み重ねる事が必要ではないかと確信した。５のつく日とか、０のつく日とか、何か定期的にやらざるを得ない日を決めて、挑戦していくことが、ぐうたらな私には性根があっている方法ではないかと思う。　５のつく日なら、毎月三回ある。go,go,goでごろ合わせも丁度よさそうである。今日は２２日だから２５日はすぐに来てしまうので、来月の３月５日から、実践していこう。   

  2013.02.22

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• 滑稽浪曲　　～～水戸黄門を聴く～～

    義理人情溢れるのが浪曲の世界。どちらかというとお涙頂戴の話や、歴史上人物の生き様を取り上げたものが多い。ところが、その浪曲の中に滑稽な話がある事を始めて知った。　聴いた時は、「珍しく面白い内容の話」という印象。「水戸黄門漫遊記」という題名から、映画やテレビでおなじみの、「控え、控え。この紋所が目に入らぬか」というものを予想していたので、意外であった。　吉川秋斉のこのお話は、何回聞いても飽きない。吉川秋斉と思っていたが、どうやらと日吉川秋斉という方らしい。浪曲の語りの中には、助さんや格さんは一言も出番がない。全て水戸黄門様ただ一人で相手と話を進める形式で話が展開する。　話の内容は、兵庫の湊川に主従４人で訪れ、入り江通りの河内屋という粗末な宿屋に泊っている水戸黄門様。　ある時、兵庫一番の仕事師とうたわれた石屋のじんべえを訪ねる。偏骨な相手に、立派なお墓を作るよう依頼に来た。坂本村の藪庭に吹けば飛ぶよな祠がある。建武の忠臣、楠正成のお墓としてはお気の毒という気持ちから、見るに見かねての依頼。　お墓の規模は、丈が６尺。「ああ忠臣　楠氏の墓」と書いた墓石、その下に亀が一匹、その下に５尺真四角の段、その下に１丈真四角の段。石の灯篭が１対。石で玉垣。これが依頼するお墓の規模。　２００両かかると言った甚平。何処の誰だかわからぬ爺さんの依頼に半信半疑。だが手付の５０両を目の前に出されて、本気で取り組むことを告げる。 話しの後半に登場するのは、毛利公。副将軍との対面の場などがある。秋斉の語りは軽妙洒脱。それに甚平が関西弁ときているので、ユーモアたっぷりな響きがある。　ネットで調べたら、amazonで滑稽浪曲集というCDを出している事が分かった。その内容は日吉川秋斉の水戸黄門～安倍川哀話～。日吉川秋水の水戸黄門～建碑の巻～であった。　恐らく私の聴いた水戸黄門漫遊記は、「建碑の巻」と内容が同一であると思う。滑稽浪曲とはよく言ったもの。確かにその通り。何となくユニークな人情話。こんなお話も、後々には洋山の出し物の一つとして身につけてみたいものだ。　だが、まだその前にやらねばならぬ事が、たくさん控えているのが現実である。   　

  2013.02.18

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• 新たな刺激へ　　～～新佐渡情話～～

  　「巌流島」の口演練習が、今朝の散歩で３４７日目になった。これとほぼ同じくらいに、「武田信玄」も練習している。此処では、大きな声を出さなくとも、聴く人々に迫力を感じてもらえるように、子どもや女等の小さな声の台詞であっても、お腹に力を入れて体の中から言葉を発するように試みだしている。　またこの冬頃から、毎晩の散歩時に、「会津の小鉄」と「赤垣源蔵」の習得にも取り組んでいる。ipodから浪曲を流さなくても、大体はストーリーが展開できるようになってきた。人前で口演するような記憶のレべルまで、あと少しの所まで来ている。　また日中の作業時に、聞き流している「雪の南部坂」も半分以上は、沁みこんできた。実践の場がない現段階では、充電と言ってもマンネリに陥りやすい。そんな状況の中で、次に私の気を惹きつけているのが、「新佐渡情話」である。　マンネリを打破するには、また更に新しいものを将来身に着けてみたいという、願望をどんどん育てていかなければならない。「情話」というキーワードがタイトルについているが如く、このお話は、夫婦愛、人間愛に溢れた作品だ。　浪曲師は寿々木米若氏。太く低い声が滔々と流れる。だが、子どもや若い母親の声を発する時は、高い声が自然と出て来る。声のよさ、流れのテンポの良さに安心して話の中に入って行ける。　佐渡生まれで、目の不自由な旅のおこもの「しちのすけ」。柏崎にどうしても逢いたい人がいて尋ねてきたが、厳しい夜の寒さのため人家の軒先を借りようとして、泥棒に間違われ、村の人々に捕まってしまう。厳しく詮索され翌朝はお役人に引き渡されるところを、「ごさく」に助けられる。　家に連れて帰り、女房の「おみつ」と共に世話を焼き、食べ物を与える。「ごさく」は話をするうちに、佐渡の「しちのすけ」であることに気付く。７年前にしけに会い、佐渡に流れ着き命が助かった。その時に佐渡にいたのが「しちのすけ」。「ごさく」はそこで「おみつ」と出会い恋に落ちる。初恋の人「おみつ」を慕っていた「しちのすけ」は二人の結婚に反対。　どうせ無い命なら、せめて「おみつ」の声を聴きたいと柏崎へ流れ来た「しちのすけ」。自責の念で自らの行いを責める彼に「若い時の過ちは誰にもある事」と温かい言葉をかける二人。「おみつ」に頼んだ「佐渡おけさ」を聴きながら、あの世に旅立つ「しちのすけ」。それを見守る仲の良い、人の優しい夫婦。人の情がしみじみと伝わってきた。  　いつかは、この作品にも、挑戦してみたい。  　

  2013.02.10

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• 有難い口演への御助言　　～～今後の糧に～～

  　私の人情話は、浪曲作品を三味線なしで口演するもの。時代は、全てが江戸時代のもので、主役が武士であったり、町民である。自分がその内容を語る時に、生きて体験していない時代背景を想像する。だからともすると、現在のままの景色で語ってしまう間違いを犯す。言葉もしかりである。　今日、またまた、私の練習の応援を賜っている人生の大先輩から、ビデオとCDを御寄贈、ご送付いただいた。ビデオは今井正監督作品の「にごりえ」。もう一つは落語名人寄席ＣＤ集である。　「にごりえ」は江戸後期の時代背景の参考になるとの事。　また、ＣＤ集には志ん生と円生の作品が収められており、この二人の名人の語り,特に江戸弁が巧みで味わいがあるそうだ。　いずれの作品も、観たことがなく、聴いたことがなく、誠に底の浅い私には、まだまだ遠い遠いものではあるが、さっそく、ご指摘いただいた観点を持ってこれらの作品を拝聴して、幾分なりとも参考にしていきたい。 　　くわえて、赤垣源蔵が主役になっている映画で、大友柳太郎が熱演したという映画がある事を教えていただいた。調べてみたら「残月一騎打ち」という題名の映画だった。相手方清水一学を月形龍之介が扮し、ライバルとして競い合う。兄塩山との徳利の別れの場面の存分にあるとの事。またＴＳＵＴＡＹＡ等で、特別注文の対応できるかどうか、試みてみよう。   

  2013.02.06

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• 素晴らしかった！　　～～大映映画「忠臣蔵」～～

  　昭和３３年度作品、大映映画「忠臣蔵」のビデオを、人生の大先輩からわざわざお贈りいただいた。これがテレビで放映されることを知り、多忙な時間を割いて録画して戴き、翌日には宅配便にてお届けいただいたものである。 　応援していただけるその想いに、誠に胸を打たれた次第である。１月２９日の午前中にそのビデオが到着し、早速午後１時～４時の間に、一気に鑑賞した。２階のテレビの下に設置してあるのは、DVD専用のビデオなので、寝室にあるテレビデオで観た。画面は小さかったが、作品は真に素晴らしいものであった。 　出演していた俳優陣は演技達者な人物ぞろいで、いろんなエピソードごとに涙を流してしまった。　大石内蔵助：長谷川一夫。りく：淡島千景　吉良上野介：滝沢修。浅野内匠頭：市川雷蔵　瑶泉院：山本富士子。戸田局：三益愛子　岡野金右衛門：鶴田浩二。恋人おつや：若尾文子　勝田新左衛門の岳父（大竹重兵衛）：志村喬　上杉綱憲：船越英二。千坂兵部：小沢栄太郎　千坂の女間者：京マチ子。清水一学：田崎潤　多門伝八郎：黒川弥太郎。脇坂淡路守：菅原謙二　垣見五郎兵衛：中村鴈治郎。浮橋：木暮実千代　ビデオを鑑賞した日の夕食時には、泣き腫れて目が痛かった。最近ではほとんど経験がなく、私にしては全く珍しい事であった。　楽しみにしていた、「赤垣源蔵徳利の別れ」の映像シーンは、春日井梅鶯氏の浪曲の内容とよく重複しており、大変参考になるものであった。違いがあるとすれば源蔵を仙台様の御屋敷前まで見届けに行く人物が浪曲では「市助」、映画では「松」であったが、何の違和感もなかった。赤垣源蔵はまだ非常に若い頃の勝新太郎が演じており、竜崎一郎扮する塩山は弟想いの兄の姿に味わいがあった。　また予想外だったのは、同じく春日井梅鶯氏の浪曲「雪の南部坂」のシーンも、ほとんどこの映画と重複されていたことであった。これも大変参考になりそうだ。違いがあるとすれば、浪曲では間者の女が許され、映画では死んでしまうことである。討入り前夜に内蔵助が訪問した折に、瑤泉院に対してもあくまでも、涙を飲んでしらを切り通す様子がしかと伝わってきた。　それにしても渡辺邦夫監督と言う方は、大先輩の仰る通りに、色々な人物のエピソードを情緒豊かに丁寧に描き上げ、素晴らしい映画に仕上げていた。この映画ならば２度、３度見ても飽きないような気がする。また赤穂浪士の事を深く理解するためにも、何度も見る事は欠かす事の出来ないことだと思った。　TSUTAYAに申し込んでおいた、特注DVDがレンタルできれば、１階の大画面でも楽しむことができる。そうなれば、迫力も醍醐味もさらに増すであろう。手元に届くとしても、一月程度はかかるという事なので、それまでは、テレビデオでまた楽しんでおこう。   

  2013.02.02

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• 赤穂浪士　四十八人目の男　朗読終える

  　小山田庄左衛門は、自らの意志で討ち入りの夜には参加しなかった。十分に時間的な余裕があったし、自分を妨げる切羽詰まった事情もなかったのに。討入に加わって主君の無念を晴らそうとする、気持ちが湧き起こらなかった。 　庄左衛門の住む長屋に、鳶の伊三郎が尋ねたのは、吉良上野介の首が討ち取られて、ようやく白々と朝が明けて来た頃。彼に対して、庄左衛門がこんな言葉を残している。 　「頭にも迷惑を掛けて来たが、これから先は二度と心配は掛けぬ。自分が間違っていると知っていたが、意地もあり、若いと言うのか動きも取れなかった。今日を限り、別の生き方を考えてみる気になった」　・・・旦那さまは、どこか、他所へいらっしゃるおるもりですか・・・　(との、伊三郎の問いに） 　「いずれそうなるだろう。その方が、自分としても暮らしよかろうし。また・・」 　「ここにいても、いつか、皆に、面白くない人間におもわれるようなことがないともいえぬからだ」 　美しい姉妹の姉、他人の妾となっている「おえん」との道ならぬ関係に浸りきっている自分の姿。同志が討入を果たした事を見届けた今となって、これを断ち切り、新しい道を踏み出そうとしている。　また、皆が一緒になる事を勧めてくれた妹の「おせい」に対しては、吉良家奉公に上がった彼女を利用して本所深川の吉良邸の見取り図などを作るように働かせてくれと同志から頼まれたが、これをきっぱりと断って、彼女の立場を守った。また討入後の彼女の安否を知らせる様に、伊三郎に頼んでいる。庄左衛門は、自分の美しい純粋な心を、この１点に反映させている。　彼が伊三郎に残した最後の言葉は、その後の彼が厳しい世間の批判にさらされる、運命を予感している様であった。 　赤穂城断絶の折は、百石取りの家柄の武士。まだ二十歳そこそこの発育盛りの美しい若さ溢れる武士であった小山田庄左衛門。家老の大野九郎兵衛が逐電したのを追いつめて、その無様なる姿を糾弾し、命乞いをする彼に対し、犬の真似までさせた、血気盛んであった庄左衛門。　討入の同志に加わり、江戸にのぼり、上杉の屋敷で守られている上野介を狙い、単独で屋敷に忍び込んで上杉の武士を斬ってしまったことのある庄左衛門。　堀部安兵衛等の江戸の急進派と一緒になって、一日も早い主君の無念晴らしを望んでいた男が、１年半の生活を江戸で送る様になり、町人たちの中に入り込んで生活していくうちに、自由な暮らしぶりにだんだんと惹かれていった。　それと相反するように、途中で脱落していく仲間に、強い憤りを感じて行かなくなっていく自分に気付く。最後には、主君の無念晴らしに邁進する、同志達の在り方にも疑問を抱くようになる。　お家断絶という非常の事態に巻き込まれ、翻弄されていく若い武士の生き様。やがて自分を見失い、惰性の生活に陥って行くようになる。大佛次郎氏は四十七士の陰に、彼のような、平凡な人間像を敢えて描き出している。　非常の際は、その事に驚きおののき、目標を定めそれを貫き通す事が極めて難しいことを示唆している様である。人間は弱いもの。またその弱さを持つ人間も、愛すべき人間であると言っているのであろうか。　それであれば、心の弱い私も救われる想いである・・・  

  2013.01.29

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• 忠臣蔵の世界　　～～赤穂城断絶～～

  　今回も春日井梅鶯氏浪曲「雪の南部坂」「赤垣源蔵」を習得するための、忠臣蔵の視野を広げるためのもの。萬家錦之介主演、深作欣二監督の「赤穂城断絶」を観た。東映作品のこれが四作目である。　「仁義なき戦いシリーズ」の監督などをされていたことは分かっていたが、幅広い分野の映画作りやテレビ作品を完成させた素晴らしい監督であることを再認識させられた。　赤穂浪士の吉良邸討入の折の、斬り合いについては、まさに生身の人間が死力を尽くして闘っていて、こんな場面が本当にあったかも知れないと感じた。従来のきれいな殺陣師によるチャンバラではなかった。　深作監督は、斬られ役の役者一人一人にまで細かく演技指導したとあった。「脇役の一人でも演技が本気でなかったら、映画は死んでしまう」との信念で細やかな撮影が深夜に及ぶ事もあったという。従来の脇役と言われた俳優たちが、この監督によって光を当てられ、世間に輝きを放ち始めた例がたくさんあるそうだ。凄い！　萬家錦之介とのコンビで放った東映映画「柳生一族の陰謀」が大ヒットし、２作目のコンビ作品がこれである。映画の評論を読むと「監督は当初萬家を吉良上野介にし、吉良からの視点でこの作品を創りたかったが、主役の反対でオーソドックスな作品になってしまい、中途半端が否めない」等という、酷評があり、その真実の程は分からないが、私にとってはとてもよかった。　さすがに昭和５３年度芸術祭参加作品であり、オールスターキャストをつらねた、見ごたえのあるものであった。三船敏郎、千葉真一、松方弘樹、西郷輝彦、渡瀬恒彦、近藤正臣、原田美枝子、三田佳子、丹波哲郎、芦田伸介、岡田茉利子等が一人字幕で紹介されていた。　それぞれ重要な役どころには違いはないが、出番は少なく、まさに萬家錦之介のための映画と言っても過言ではないような気がした。　赤穂城断絶のタイトル字幕の後にすぐナレーションが流れた。　「元禄時代５代将軍綱吉の独裁の元に、徳川幕府の威勢は空前の伸長を遂げていた。この時期に取り潰しを受けていた大小名の数は、４８家にのぼり、３万余人の武士が路頭に迷ったが、反抗を企てたてた者、天下に一人も無しと言うあり様である」　浅野家の断絶はよく知っており、ほかにも幕府の手によって取り潰しがあったことは漠然と知っていたが、これほどまでとは、まさに唖然とさせられた。　大石内蔵助役の萬家錦之介が語る、言葉の中で特に深く心に残った所があった。　その一つは、籠城、追い腹と変転したのちに、内蔵助の本心を明かす場面。　「では、内蔵助の存念を申し上げる。殿御無念の御最後、またお家今日の断絶は全て吉良上野介氏がおわせし為。されば吉良殿不倶戴天の敵。このままにしておいては、臣たるものの一分があい立ち申さん。」　「追い腹殉死の沙汰は、鉄石の同志を選ぶための方策。目指すは吉良上野介一人白髪首唯一つ」　「ただここに、重々覚悟致さねばならぬ事がござる。我らが敵は一人吉良殿のみにあらず、背後に上杉１５万石、いや、そもそも片手落ちの御裁きを下された幕府！」　「さよう、我らの一挙は、殿御一念の意趣晴らしにとどまらず、御公儀御政道への反逆と相成る。されば、事何と云えども、我らは基より一家眷属の末に至るまで、打ち首、獄門、縛り首は免れぬ。この一挙にはそれだけの覚悟が必要なのでござる」　「お家は断絶、殿御無念は言うまでもない。内蔵助、あえて御公儀への反逆に踏み切る所存。」　「方々、御同心下されましょうや！」 　二つ目は、細川家にて十七名の同志と切腹の折に、立会人の言葉に対し、内蔵助が残した言葉。　・・・御一同の者。いずれも立派な御最後であった。ここ迄見事に仕上げなされたそこもとの御器量。ただ、ただ、感服の他はござらん・・・　「有難き仰せながら、身分の上下を問わず、武士は武士でござりまする。」　・・・なんと申された・・・　「あれほどの者たちに、なんで手前如きが、よく引き得ましょうや。むしろ手前の方が、あの者たちに支えられ、手を引かれて、これまで辿り着けたのでござりまする。」　「思えば年かさなる者７８歳、若きは１５歳に至るまで、四十六人、いや、良き同志に御座ります。中途にして非業の死を遂げし者、実に、実に、良き同志達に御座りました。」 　ナレーションを始めとし、内蔵助が語る言葉は、深作監督そのものの想いであったのかなとも思った次第である。 　作品の中で、内蔵助が江戸城の中で、丹波扮する柳沢に目通りする場面があり、柳沢の「大学殿に１万５千石の領主になっていただく事ができそう」との言葉に対し、「吉良家への御詮議の再考なくば、御断りを致します」と内蔵助が返答した。　まずもってこの場の設定は、あり得ないと思った。また大学様の御取り立ての方向にあったという事も、聞いてなかったし、矢張りありえないだろうなあと感じた。　この事を除けば実に見ごたえがあった。赤穂浪士の忠義の心と、その事に対する思い入れの凄さを、つくづく思い知らされた。   

  2013.01.25

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• 赤穂浪士　～～東映創立１０周年記念作品を観る～～

  　「赤穂浪士」東映創立１０周年記念作品。以前の２巻と同じく、松田定次監督作品。大石内蔵助に片岡知恵蔵。吉良上野介に月形龍之介。浅野内匠頭に大川橋蔵。堀部安兵衛に東千代之助、堀田隼人に大友柳太郎、千坂兵部に市川歌右衛門、脇坂淡路守に中村錦之介、片岡源五右衛門に山形勲などのオールスターキャストであった。 　今回の松田作品の前半、お家断絶から城受け渡しまでの展開で、特に表現に力を入れていたことは、浅野内匠頭の家臣思いの人柄、脇坂淡路守と浅野内匠頭との朋友関係、同じ山鹿素行門下で、国造りの内蔵助：兵法の兵部と並びはやされ、くらぞう（暗闇の象）：ひょうご（ひょうろくより一つ少ない）と親しく呼び合った大石と千坂の盟友関係をじっくり演出していた。脇坂が浅野を訪ね盃を重ねながら、父が日光造営の折に吉良に煮え湯を飲まされながら耐え忍んだ故事を伝える場面が興味を引いた。また城受け取りの折に、内蔵助に大目付取り調べの際、内匠頭が残した無念の言葉を伝える場面には今回初めて涙が浮かんできた。浅野内匠頭の大川橋蔵を中村錦之介が喰ってしまっていた。　また、千恵蔵扮する大石と歌右衛門する千坂は、龍虎相うつという風格を醸し出しており、流石と思わせられ、後半の展開に楽しみが増えた。　さらには、山形勲や進藤英太郎などが好感のもてる役どころを演じ、昔子供の頃によく見た、チャンバラ劇の悪役のイメージが多少なりとも払しょくできた。子供心に憎いと思ったのだから、それだけ演技も上手なのであろう。　ついつい微笑んでしまったのは、松之丞すなわち大石主税役に松方弘樹が扮していたことである。未だ十代で、今の味わいのある顔はとても思いだせないほどの、初々しさであった。　何時もの様に昼食をはさんで、後半の展開を観た。三島の宿場に於いて、九条家使臣立花左近扮する大河内傳次郎と、偽物に成りすました大石との対面の場面がじっくりと描かれていた。偽左近が差し出した目録の文箱の家紋を見て、その事情を無言の内に読み取る左近。「芝増上寺への乗り込みが無事叶うよう」にと、暗に吉良邸討入の成功を祈る武士の心意気がよく伝わっていた。　またこの映画では、この直後に、千坂兵部が大石の前に現れ、しばし後に無言で去って行く場面があった。松之丞元服の折にはその名付け親になるとの約束を果たすという名目で内蔵助との最後の目通りをした。松之丞の元服名は良重。取捨ご自由にせよとの兵部の書きつけに対し、内蔵助は直ちにこれを取り上げ、松之丞を元服させた。　準主役の堀田隼人は、この作品では、内蔵助の親族、甥の間柄で、内蔵助の命を助ける役割を演じている。大友柳太郎は前回と役割は違えども、矢張り存在感を発揮していた。　中村嘉葎雄が畳職人の傳吉役で出ていた。きっぷのよさ、張りのある声、顔つき共に、錦之介の二役ではないかと我が目を疑ったくらいで、これも中々の好演であった。　また薄田研二は、今回も堀部弥兵衛役として登場し、松田定次監督の3作品の全てに、当たり役として登場していた。人生50年の頃に生活していた人が行年77歳と言うから、現代では90歳以上の高齢に該当するのではないかと思う。それにしてもよくぞ主君の仇を晴らすために、志を持ち続け、討入りの場面に槍まで持って、吉良や上杉家の家中とやりあったものだと感心している。そういう高齢であり尚且つ元気で頑固者の弥平の人柄がよく表現されていた。　  アイウエオ

  2013.01.21

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• 歌謡浪曲　　～～新たな出し物に、方向性が見えた～～

  　　過日、妻が２階のテレビで、三波春夫氏の特集番組を録画しておいてくれた。私が風呂に入っている間に気付いて、撮っておいてくれたものだ。早速風呂上りに、早送りで内容を一見。　そうしたら、ほとんどが過去ＮＨＫの特番で放送されたものと重複していたが、壇ノ浦の決戦の前に、祇園精舎を歌っているものがあった。じっくり視聴してみると、味わいがある。節回しは難しい。簡単には覚えにくい旋律。だが、これと壇ノ浦の決戦を組み合わせれば、良き出し物になりうるのではないかと思えてきた。  １月１日の日記に書いた様に、今年の目標として、「歌謡浪曲」の分野では、まだ俵星玄蕃一つだけなので、もう一つ何とかものにしたいと決意したところであった。この目標が、意外な所から、その糸口を提供してくれた。以前、壇ノ浦の決戦をものにしようと思った事はあったが、ギター伴奏譜が見つからなかったので、習得するのはあきらめていた。　だが、もう一度やって見よという、ご啓示かも知れないと考えた。探り弾きなどを駆使して、壇ノ浦の決戦をものにし、その前段にて、祇園精舎をギター伴奏なしで唱えればよいのではないか。まあ、この様に結論が至った所である。なるかならぬかではなく、何とかして形あるものにしてわが身に残す。そのためにはいろいろな角度からアプローチして、習得の支障となっている壁を乗り越えるつもりだ。　それにしても不思議なもの。前回俵星玄蕃を習得したきっかけは、NHKの特別番組を兄の教えで録画したものである。家族が私の趣味を直接支援しているわけではないが、常に心に掛けていてくれるからこそ、この様なチャンス到来となる事なのであろう。家族は勿論、理解とご支援を戴いている方々に深く感謝しなければならない。　話変わって、今日、私のところに手作りビデオが贈られてきた。大学時代の友人が作製したもの。いつも情届士洋山の応援をして頂いている友である。題名は「教え　そして　育み」で、１４分５７秒の作品である。奥様と一緒に小豆島を訪れ、二十四の瞳の先生や子供達、そしてそれらを生み出した郷土の息吹をたっぷりと味わわれたこと。おなご先生に重ね合わせて、我が教師人生を深く振り返られたこと。その出会いと感慨を生かして、３８年間の足跡を「教えそして育み」という作品に残されたものである。奥様との共同製作で生み出された作品は、素晴らしいもの。　いつもながらに、私を大いに刺激し、励ましていただいている。のほほんと生きていてはだめ！目的を持って生き続けろ！ぼやぼやするな！お前もがんばれよ！等という声が聞こえてきそうである。　それにしても、自らの足跡がキラキラと輝き続けている事に就いては、誠に羨ましい限りである。本人の努力があってそうなったわけであるが、なかなかそういかないのが人生。教育に掛けてきた、並々ならぬ友の情熱とその成果を、改めて感じ入った次第である。　人情話の習得に関しては、惰性の練習にならぬよう、心して日々を送って行きたい。小正月も過ぎ、体重や日常の行動も平常に戻った。暮れにひいた風邪の痕跡はすっかり消滅し、気持ちの良い声が、また出るようになった。元気に生かさせていただいている事のお礼を、我が身に形づけていきたいものだ。   

  2013.01.17

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• ＤＶＤ忠臣蔵と赤穂浪士を観る

  　今日の朝練習で、「巌流島」が３２０日となった。目標の「千日の修業」の３分の１に近づいてきた。また、「会津の小鉄」や「赤垣源蔵」のおさらいも毎晩できている。「人情話」に関しては、平素やろうと思っている事が、淡々と進んでいるので、そういう環境でいられることが真に有難い。 　昨日は、東映映画：松田定次監督の「忠臣蔵」を見た。これは前にも書いた通り、「赤垣源蔵」や「雪の南部坂」の習得や口演に生かすための取り組みの一環としてである。午前を櫻花の巻、昼食をはさんで午後は菊花の巻と一気に見終わった。片岡知恵蔵の大石内蔵助、市川歌右衛門の脇坂淡路守、中村錦之介の浅野内匠頭、進藤英太郎の吉良上野介、大河内傳次郎の吉田忠左衛門、大友柳太郎の堀部安兵衛、美空ひばりの橋本平左衛門娘役など、往年のスターの若き頃の姿や今は故人となられた名優たちと巡り合う事が出来た。また、大石主税には北大路欣也が扮していた、まだ十代の頃の細身で初々しい姿であった。　肝心の中身は、忠臣蔵のお話を総体的におさらいできたという感じで、涙、涙の場面が多々あり、心を打たれた。太平の世で武士らしさを失って来ていた時代に、忠義を貫くとともに、大石が御政道のあり方を世に問うという崇高な目的を果たすために苦労を重ねた事がよく分かった。　私が参考にしたかった、「赤垣源蔵徳利の別れの場面」は無く、「雪の南部坂」の瑤泉院の対面の場面は極わずかであった。収穫は、片岡源五右衛門が内匠頭田村邸切腹の前に、ただ一人でご主君に対面する場面が、存分に盛り込まれていたこと。　春日井梅鶯氏の「雪の南部坂」で、内蔵助が暇乞いをした時に、瑤泉院が漏らした言葉：「まことと言うか内蔵助。頼みがたいは人心とようゆうた。お家盛んのその頃に、江戸御屋敷にある時は、蔵は何して良雄はと、そちの噂の出ぬ日なく、五万三千石に過ぎた家来は大石と来る人毎にご自慢の。田村邸でのご切腹のその折も、自らや御舎弟に何一つの御遺言ものう。片岡もって無念なるぞのお言葉と、御辞世書かれし短冊や、お肉通しの短刀まで、そちに形見とくだされし、殿の恩義を忘れてか」。これらの内容を把握するのに十二分に役立った。 　さて、今日は同じく東映映画：松田定次監督の「赤穂浪士」を、午前中は「天の巻」、午後は「地の巻」を見た。こちらでは、内蔵助を中村歌右衛門が、内匠頭を東千代助、上野介を月形竜之介、堀田隼人を大友柳太郎、蜘蛛の陣十郎を進藤英太郎、立花左近役を片岡知恵蔵が扮していた。　同じ監督作品であっても、堀田隼人なる浪人や蜘蛛の陣十郎という大盗賊をからませ、上杉家老千坂兵部からみた大石内蔵助像などを深く掘り下げていた。内匠頭が切腹して果て、泉岳寺で土饅頭となったところに家臣一同が集まって悲嘆に暮れ復讐を誓う場面があった。また中村錦之介が小山田庄左衛門に扮し、討ち入りできなかった武士の姿を演じていた。これも昨日の作品にはなかった事。二つの作品が視点を変えて作られている事がよく分かった。ちなみに赤穂浪士天の巻・地の巻が昭和３１年、忠臣蔵櫻花の巻・菊花の巻が昭和３４年であった。またこれらの二作品に同じ配役で出演していた俳優がいた。堀部弥兵衛の薄田研二、片岡源五右衛門の原健策である。松田監督にとっては、余人に代えがたい味わいを感得していたのであろうか。　まだこれから、昭和３６年の「赤穂浪士　前・後編」や昭和６３年深作欣二監督の「赤穂城断絶」が残っているので、更に見続けてみる。ただし、ネットで公開されている忠臣蔵配役一覧表を見る限りでは、昭和３３年大映作品の「忠臣蔵」以外には徳利の別れの場面はなさそうである。これはまた後日作品を探して鑑賞する事になろう。   　

  2013.01.13

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• 春日井梅鶯氏の浪曲「赤垣源蔵」　～～幅を広げるために～～

  　赤垣源蔵の習得に当たり、大映映画の忠臣蔵を見ると良いとのアドバイスをいただいた。勝新太郎扮する赤垣源蔵。竜崎一郎が演じる兄の塩山伊左衛門のいぶし銀の様な姿が忘れられないとの事であった。　　春日井梅鶯氏の「赤垣源蔵」の浪曲は、この大映映画の「徳利の別れ」の場面が全て網羅されていて、非常によくできているとの事だった。そこで、DVDがあったら借りて見ようと、市内のTSUTAYAに行ってみてきた。昔の映画コーナーを見ると、忠臣蔵や赤穂浪士を題材したものはあったが、全て東映映画の作品であった。　本命の大映映画の忠臣蔵はなかったものの、東映の作品においても赤穂の義士の当時の状況と、その心情とやらが分かるのではないか。またその何処かに源蔵と塩山の「徳利の別れ」や「雪の南部坂」の如く瑤泉院と大石との別れの場面などがあるのではないかと思い、思い切ってみんな借りてきた。　借用してきた作品を挙げてみると松田定次監督　「忠臣蔵」　櫻花の巻・菊花の巻１８２分松田定次監督　「赤穂浪士」　天の巻・地の巻１５１分松田定次監督　「赤穂浪士」　１５０分深作欣二監督　「赤穂城断絶」　１６２分三池崇史監督　「一命」　１２６分　最後の「一命」は、最近つくられた作品であり、赤穂浪士とは何の関係もないが、武士の心情を理解するのに役立つと思って借りて見た。インターネットの情報を見たら、以前仲代達也主演「切腹」と同じ題材との事であった。仲代の迫力ある演技を見せたその映画は見ていたので、市川海老蔵がどの様に主人公を演じてくれるか楽しみである。　１週間後には、返却しなければならないので、これからしばらくは忙しい。  

  2013.01.09

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• 音読「赤穂浪士４８人目の男」　～～新春初涙、また涙～～

  　大佛次郎著の「赤穂浪士四十八人目の男」を、秩父市立図書館から借りて来たのは昨年暮れ。「武田信玄」の読みかけが期限切れとなり、返しに行った時に、赤穂浪士を検索したら、この本が見つかった。今、春日井梅鶯氏の「赤垣源蔵」の習熟を目指している時であり、タイムリーな本だと思ったからである。　昨日1月4日の午後６６ページまで、約２時間ほど音読した。巻末のあとがきから、この物語は、脱盟者の小山田庄左衛門の苦悩を中心に、事件の顛末が描かれているとの事。一番読みたい大佛次郎の「赤穂浪士」を読まないうちにこれを先に読むのは、本末転倒になってしまう。だが、先方からわが身に飛び込んできてくれたチャンスとばかりに、その憂いを払拭して、音読に取り掛かった次第である。　１週間ほど表紙を開かなかったのが嘘の様。直ぐに話しに引き込まれた。浅野匠守が田村邸でご切腹の翌日、堀部弥兵衛他江戸詰の藩士たちが、芝高輪の泉岳寺にて、土の中に埋葬されてしまった藩主と初めてお目に掛かる場面。「殿の御無念、我ら代わっておはらし申し上げ奉ります」と一同が土に額をつけておえつを漏らす。田村邸に於いてただ一人「お暇乞い」がかなった側用人であった片岡源五右衛門が、「何も申し上げたくもありません。ただ、御立派と拝見仕りました」と多くを語らず、ただ涙を流すのみ。音読をしながらつられて、滂沱滂沱の涙であった。　音読は、特に台詞の部分に移ると、その人間になりきった感情を移入して語る。それだけに、彼らの無念さが深く深く伝わってくるのである。読み進めるにも、それだけに時間が掛かってしまうが、それに代えがたいものが得られるのである。　場面代わって城受け渡しを直前に控えた赤穂の地。家老大野が逃げ出してしまった今、大石内蔵助は獅子奮迅の活躍で見事に取り仕切って、全てを慰労なく進めてきた。ここで、江戸から来た、堀部安兵衛と奥田孫太夫が内蔵助に面会し、胸中を語り合う場面。内蔵助は、はやる安兵衛を諭すように、上野介の白髪首一つとるのではなく、浅野大学さまの解放とお家再興をひたすら願う事。それが叶わぬ時は、上杉家、はたまた御上を相手の闘いをする旨を説いた。大石と堀部の揺れ動く心の機微に、またまた涙が溢れる。　新年早々、はじめての涙。しかも大泣き。ここは日当たりの良い2面ガラスの四畳半。この部屋にいるのは、我が家と帰省している娘の愛犬の3匹。アプリコットトイプーのリラ君は落ち着かず娘の姿を求めて、入り口の扉を前足でカリカリカリとさする。チワワのトラ君は室内の床の上をウロウロ。レッドトイプーのソラだけは、勝手知ったる我が家でただ一匹落ち着いている。　トラを膝上に抱き、リラとソラがそれぞれ籐椅子の上に横たわった状態で、私が音読を始めた。音読に熱中していた私に遠慮したのか、3匹とも大人しく寝そべっていた。家の前の道を車が通ったり、停車してドアを開け示した時に、数匹が吠えるだけ。犬が静かにしていたことが不思議なくらいであった。私が犬たちの前で泣き暮れる事は滅多にない事だからかな？　赤垣源蔵のお蔭で、忠臣蔵の世界観が少し広がって来た。この年末年始のテレビでは、仮名手本忠臣蔵が数多くなされていた。勿論その録画をしておいた。先般借りた「仮名手本忠臣蔵」の本で、これが生まれた背景や、最初から最後までのあらすじ等が大まかに理解できたからである。今までは、一歩も入り込まなかった世界。チンプンカンプンの世界が、「あっ、この場面か！」と感得出来る様になってきていた。　アメーバーの動きではないが、あちこちに触手を伸ばし、広げて行く事で、赤垣源蔵や内蔵助の生きた世界の空気を吸う事ができる。そうすれば、口演に生かされていくのではないかと考えている。録画は消さない限り逃げて行かないので、これからじっくりと時間をかけて楽しもう！  　　

  2013.01.05

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• 2013の目標　～～赤垣源蔵習熟～～

  　5時30分起床で2013年が始動。平凡な日常の積み重ねとしては、上々の滑り出し。羊山丘陵朝散歩での「巌流島」「武田信玄」の千日稽古を行う。長かった風邪の症状がようやく収まり、マスク着用なく、十分に空気を吸いながらできた。風邪声が解消し、地声が戻ってきて一安心。こうなると調子が出て来る。　2012年は、「巌流島」と「阿武松緑之助」が新しい出し物として、披露が出来た。201３年は四代目天中軒雲月氏の「武田信玄」と二代目京山幸枝若氏の「会津の小鉄」を新しい出し物にしたい。自分の感覚では、もうこれは何とか達成できるところまで来ている。　さらにそれに加えて、春日井梅鶯氏の「赤垣源蔵」を習熟する事に力を入れたい。私の人生の大先輩からも、忠臣蔵を題材とした非常にいい話だから、大いに勉強して、自分の出し物の一つに加える事が出来る様、精進してみなさいと、激励の言葉を賜った。　人情の機微が随所に溢れる名作であり、単に覚えるだけでは、作品のよさが伝わらない。それ故に、本年の目標が「習得」ではなく「習熟」としてあるわけだ。毎日1回は練習をして、源蔵の世界にのめり込むとともに、無知であった忠臣蔵の世界観を広げていく必要がある。ipodの活用で、台詞等は8割方、頭に入って来たので、これからがいよいよ本番というところ。　歌の分野では、歌謡浪曲がまだ「俵星玄蕃」１曲のみなので、2013年には、もう1曲をものにしたい。こちらは０スタート。どんな曲にするかも決まっていない。楽譜もない。準備不足も華々しいが、何とか夢を現実の姿に変えていきたい。　元日を迎えるに当たり、新たな楽しみが持て、嬉しい限りだ。まあ健康に留意しながら、少しずつ目標に迫って行こう。   

  2013.01.01

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• 抜けきらない風邪症状　　～～洋山充電活動はちょっと一服気味～～

  　鼻水、鼻汁、タン、喉のいがらっぽさ等の風邪の諸症状がなかなか抜けきらない。幸い咳き込むことはないし、熱も出ないが、すっきりと我が体から抜け落ちたという感覚はまだない。　色々対策はやってみた。効果的だったのは、夕食の鍋料理。キーワードは豚肉とニンニク。妻が手を変え品を変えて出してくれた。起床時は真にすっきり。だが、諸症状の絶無までには至らない。　風邪薬も、昨晩の服薬で、４日分を飲みきってしまった。３日前から特別に始めたのが、睡眠前に「かりん酒」を飲む事。これは手作り。かりんの実を３５度の焼酎につけたもの。喉にいいと妻の助言。原液をぐい飲みで１～２杯の分量を飲んだが、ともかくぐっすり寝られる。コロちゃんが夜泣きをして、妻が起き出して世話をした事など全然気がつかない。　したがって、朝の散歩も起床が遅いので丘陵地帯を歩く事もない。防衛体力を十分に養ったというところであろうか。　洋山の人情話の練習も、朝と夜の散歩にそれぞれ１本ずつ。普段は２本ずつやっていたのが嘘のよう。夜散歩が終えてからの、ipodなしの武田信玄の練習も１週間以上やっていない。人情話の充電活動よりは、風邪を絶滅させる体力温存策中心の生活である。情けないが、背に腹は代えられない。　とはいうものの、「巌流島」の千日稽古は、今も細々と続いている。今朝の練習で、３０５日となった。「塵も積もれば山となる」とは正に然り。もう全体の３割まで到達した。遠い遠い目標のように思えたが、なんだか千日稽古の目標達成が確実に出来る様にも感じられてきた。　全体の流れも、言葉も自然に浮かんでくる。語られるシーンも自分の脳裏に浮かぶようになってきた。あとは如何に表現して、聴く人が武蔵になった如くに感じるように、伝える事が出来るかが肝要。体を労わりながら工夫を重ねよう。   

  2012.12.29

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• 新田次郎著武田信玄　　～～北条和睦と伊勢水軍の獲得～～

  　新田次郎著「武田信玄」第三巻ｐ６９の山の巻からP190まで読み進めた。 　信玄を取りまく状況は大きく変化。北条上杉の盟約により北条氏秀が輝虎の養子となり、景虎を名乗る。輝虎はこれを可愛がり、輝虎の後継者と考えた。　一方武田家では、勝頼が躑躅が崎の館に入り、名実ともに後継者の地位を確立した。　信玄は、海について詳しい旧今川の家臣であった安部正綱を厚遇し、土屋豊前守貞綱の名を与え、彼に武田水軍編成の策を命じた。又武田の近習の一人である真田昌幸を伊勢長島に派遣し、信玄の娘との婚儀の労をとらせた。　この間信長は、比叡山延暦寺を焼打ちにする。信玄は真田昌幸に命じ、叡山曼珠院門跡覚恕、満盛院権僧正亮信、正覚院僧正豪盛らの高僧を助け出す。駿府に留め置き、日蓮山本山の身延寺に命じ、立ち退けば信濃の地に3倍の大伽藍を作ると働きかける。こうして武田の領地内に延暦寺再興を図ったが、身延寺僧侶の反対にあい計画はとん挫。叡山を滅ぼした信長と、身延寺の僧も自由に出来ない自分との差を、歴然と見せつけられた。　しかし３高僧を救った事が、長島の人達の心を動かし、話し合いが難渋していた一向宗の強力地盤である顕証寺法真の子法栄と武田信玄娘の於菊との婚約がなされた。　一方真田昌幸は、堺の茶屋四郎次郎に会い、堺商人は信長に屈伏しているのではなく、信玄が西上し、堺の自由を認めるならば、伊勢水軍を味方に引き入れ、鉄砲弾薬の支給するとの申し出を受ける。　これを契機に伊勢水軍は、武田水軍に組み込まれることとなった。さらには、北条氏康の遺言により、北条氏政が武田信玄との和睦を図り、武田の一方的な主張を受け入れて成立した。謙信が京都にのぼる条件が、すべてそろった事となった。　ところで、昨日NHKライバルたちの光芒「長篠の戦：織田信長VS武田勝頼」の一部を見た。そこで、信玄が死ぬ直前に、家臣を前にして後継者を、勝頼ではなく勝頼の子の信勝にしたとの事を話題にしていた。　本を読み進める限り、まだ信玄の心にその様な事は現れていない。これから読み進めるに、一つ興味がわいた。勝頼は優れた武将だが、血気にはやる一面があり、もしかしたら信玄はその様な在り方を心配したのかの知れないと感じた。   

  2012.12.24

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  「武田信玄」　　～～新し出し物の一つに～～

  　　四代目天中軒雲月氏の「武田信玄」を、ipodなしで自宅で一人集中して口演練習をするようになってしばらくたった。練習結果の多くは26分台であり、４～５カ所はとちったり、やり直しをした所があって、中々「これでよし」と言う段階に至らなかった。　一昨日の晩は、２６分18秒を要した。2カ所ほど後戻りをして言い直しをする羽目になった。もっとひどい事は、大きな音で発声しようとして、一部で声が出なくなってしまった事である。もともと雲月氏のキーは高く、巌流島、武田信玄もろともに、出だしの音は、裏声で対応せざるを得なかった。　朝の散歩のときはそんなに大きな声を出さなくても済むので、裏声であるか地声であるかを意識しないで口演練習をしている。だが自宅での夜練習ともなれば、目の前に100人位の人がいて、広い部屋で口演している事を前提に発声するから、どうしても大きな声を出そうとする。　しかしそれが、武田信玄の場合には無理な事が分かったので、高音部が続くところでは、敢えて大声は出さずして、裏声を駆使して全体をうまくつなげるように変えてみた。それが昨晩のことで、所要時間は２８分００秒。トチリや、やり直しの部分も一度もなかった。初めて内容が完璧に再生できた。　ちなみに、CDに録音されている雲月氏の口演の所要時間が２８分２４秒であり、節回しや台詞のスピードなどもほぼ雲月氏の原作に近いものとなっていた。今回のような心掛けで臨めば、「何時人様の前で口演しても大丈夫」だという自信が出てきた。なにはともあれ、努力の積み重ねが報われつつあり、嬉しい事である。 　前回紹介した、春日井梅鶯氏口演「赤垣源蔵」のテープ起こしが一昨日終えた。今までの作品よりも２ページくらい少なくて済んだ。全部でＡ４判サイズで5枚であるが、最終ページはわずかこれだけなので、実質的には4枚に近い作品。ちなみに最終ページはこの様になっている。 　　ＣＤの「赤垣源蔵」の所要時間は２１分０５秒であるから、他の作品よりは口演時間が5分ほど少ない。私が初めて聞いた時には、思わず涙がこぼれてしまった。インターネットの書き込みの中にも、涙を流したというものがあった。　　口演そのものは他の作品に比べると幾分短い時間だが、それだけに感情豊かに忠臣蔵の一コマを歌い上げる必要がある。そのためには何度も何度も、納得の行くようにならなければ、人様の心を打つことは無理であろう。まだまだ、先は長いが希望の光だけは見えている。　　　また、何時でも披露出来る様にと取り組んでいる歌6曲についてもほぼ見通しがついてきた。冠二郎「炎」「都忘れの花のように」、三橋美智也の「哀愁列車」、佐々木功の「宇宙戦艦ヤマト」、コブクロの「天使達の歌」「風」。課題は「風」である。1分間に80のテンポに合わせて、楽譜にならって演奏する事は済んだ。後は暗譜の段階のみ。これも途中の数カ所と、後奏を仕上げるのみとなった。　又それとは違って、冠二郎シリーズの一つに加えようとした「旅の終わりに」が暗譜でほぼ弾き語りが出来る様になった。前奏のメロディー部分のピック弾きで、まだ一部がたどたどしい。自然に何時でも流暢に出来る様に慣れる必要がある。６曲を一通り流すと、３０分かかる。そのほかの物を弾いているとすぐに１時間が過ぎてしまう。それだけ楽しんでいるという事だろうか。   

  2012.12.20

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  完全休養日　～～そして新たなるスタート～～

  　昨日は珍しく上京。妻の誕生日を記念してランチを摂る。お店の方より、ランチとは別に誕生を祝うケーキの洒落一皿を給わり感謝感激。その後、娘とも行き逢い、心からの祝いをしてもらった。私にとっても心温まる思い出の一日となった。早出遅帰の一日であったため、人情話やギターや歌は一切なし。本当に珍しい完全休養の日となった。まあ、時にはこのような日があってもよいのだろうと、勝手に決め込んでいる。　精神が充分にリフレッシュされたので、今日は春日井梅鶯先生口演による「赤垣源蔵」のテープ起こしに取り掛かってみた。もう５０回程度は聞いたであろうか。細部は除いても、全体の流れは、ほぼつかめている。　他の人情話と同じ様なスタイルで作り出した。Ａ４版。３５文字。３５行。１２ドット。自然に出て来る１０．５ドットの文字の大きさでは、裸眼で読むことはとてもできない。１２ドットでもまだ小さい位だが、これ以上大きくすると、行間が凄く開いてしまうので、これが我慢のしどころ。　こんな調子で作り出すと、大体６～８ページで収まる。ほとんどが７ページ分の分量に収まって来た。テープ起こしをしてみると、曖昧に覚えているところが、なるほどと分かるようになる。又、文字にするから、他の情報を読み取りながら書き込みをするので、理解も広がりやすい。　これが、早速作った１ページ目。♫から後の部分が、節をつけて語る所。「」の中は、登場人物の台詞。そして♫も「」も何もつかない所が、浪曲の中の説明に当たる所。だいたい自分でこのように、約束を決めて入力しておく。そうすると自分の声で再生する時に、わかりやすい。　まあとても今日一日で、仕上がるものではないが、新たな取組みを始める事は、意欲も高まり、楽しみも増えるという事。春日井梅鶯氏の浪曲の忠臣蔵を題材にするものは、とても魅力がある。　聞く人もおぼろげながら、そのいきさつを多少なりとも見聞きされている方が多いので、人情話としても興味関心を持ちやすい。従ってすんなりと、話に入って来てくれる可能性が高い。　それ故に、自分の出し物の一つになる事が出来ればと思っている。まあ月曜からの１週間以内にはテープ起こしが完了し、年が明けて間もなく、頭の中にしみこんでくれるのではないかとひそかに期待している。   

  2012.12.16

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• 朗読　新田次郎著「武田信玄」～～火の巻～～終る

  　駿河への交通の要路である、大宮城を押さえた信玄はいよいよ上洛の意を強く持つ。その背景には、以前から自分の体を蝕んできた労咳の影がまた忍び寄り、自分の身がいつ倒れる事になるか分からない事情があった。　ゆったりと戦略を練って、それに従ってじわじわとチャンスを作り上げていくという、従来の手堅い信玄の手法では間に合わない所に来ていた。駿河侵攻の際に苦しめられた、徳川と北条の盟約による包囲網に手を焼いていた信玄は、ついに小田原攻めを決意した。　永禄１２年９月信玄は小田原侵攻作戦を開始した。約２万の大軍が碓井峠を通って関東に押しよせた。これを迎え撃つ北条氏政軍は、信玄が小田原攻めと見せかけて、駿河に進撃すると読んでいた。そのためにすぐには軍を動かさず、武田軍の動向をかたずをのんで見守っていた。　武田の大軍は北条の支城には目もくれず、一気に北条氏邦が守る武蔵鉢形城に押し寄せた。氏邦は小田原に至急応援の報を送った。これにより初めて氏政は武田軍の真意を知る事となる。　氏政は小田原籠城を決め、城外居住の武将たちを家族ごと籠城させた。信玄はにわかに鉢形包囲網を解き、八王子に転進し、勝頼を総大将として５日間にわたっての滝山城猛攻で落城寸前に追い詰めた。　だが信玄はまたしても、このまま小田原に転進し小田原城を包囲した。一日の休養の後、１０月２日、小田原城の外郭蓮池方面に向かっての攻撃を開始した。一方的な攻撃を仕掛けた後、１０月５日は突如包囲網をまともや解き、鎌倉に行くと見せかけ、平塚から厚木に向かって北上した。三増峠を通って甲州へ帰るためである。　信玄は北条を攻め取る事よりも、徳川と組んだ北条に猛省を促し、武田軍強しの印象を強く植え付け、再び武田と和睦・同盟を将来結ばせることを狙いとして、この戦を起こしたのであった。　２万の大軍が引き上げる途中を、三増峠に於いて北条氏照、氏邦兄弟が迎撃した。峠のいただきで待ち受ける北条軍と、荷駄隊までを同行して峠を登る武田軍との激戦は、これも最後には武田の大勝利に終わる。　甲府に帰還の翌日、信玄は勝頼や主だった武将と相談し、駿河侵攻を相談し、一月後に実行を決めた。今度は北条にくさびを打ち込むために、北条新三郎と北条長順兄弟が守る蒲原城を第一攻撃目標と定め、１２月６日に勝頼総大将として一日で攻め滅ぼした。　駿府の府中に攻め込んだ信玄は、すぐには攻めず、調略を用い、城を守っていた今川家の家臣岡部正綱を降伏させ、侍大将として迎えた。こうして信玄は念願の府中を掌中にし、駿河は北条と、武田と、徳川が分割支配する地となった。いよいよ信玄の上洛の強固な拠点が手に入ったのであった。　四代目天中軒雲月氏の「武田信玄」は謙信との川中島の一騎打ちで終わる。だから、この部分は直接的には口演とは関係ない所である。ここからは、まさに信玄の光と影の部分。誰もが味わう人生の終末への、序章となる。　今は第３巻の６９ページ。これからは最後の「山の巻」に進む。信玄の人となりをじっくりと味わって、口演の随所に生かして行く事となろう。   　

  2012.12.12

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  四代目天中軒雲月先生の「武田信玄」　～～口演練習～～

  　１２月１２日。練習開始以来初めて、昼間の時間帯に「武田信玄」を実際の口演と同じ様に諳んじてみた。所要時間は２６分１５秒。雲月氏のＣＤでは３０分ものなので、まだまだ余韻や間や伸ばしが不足している事になる。 　初めから最後まで通して演じる事が出来たのはよかった。「巌流島」の練習が今朝で２８８回になったから、ほぼ同じ回数を聴いたり口に出して練習していたから、その成果が実りつつある。　だが出だしのキー音が高すぎて、裏声を出さざるを得ない場面がきわめて多過ぎた。まだまだ、しょっぱなから不慣れ。これでは、聞く人に不安感を与えてしまう。また数か所、言い直しをしてしまう所もあった。　登場人物に成りきり、聞き手に感情のこもった台詞を伝えるには、まだまだ程遠い。反面、「武田信玄」と言う作品を自分の出し物の一つに加える事ができそうな想いも抱けた。聞き流すだけの練習ではなく、今日の様な本番モードの練習をも積み重ねて行く事が大切なのであろう。　ところで、昨日ある方の訪問を受けた。ほぼ１年前に、「野狐三次」の口演を依頼され、人情話やギターで俵星玄蕃などを演奏した。その機会を与えていただいた方の奥様であった。お写真などを賜った。  　私の事を覚えていて、気に掛けていただき誠に有難い。新しい出し物にも取り組んいるので、必要とあればいつでもお手伝いをさせて頂く気持ちは十分にある。自宅のお庭で育てられている、草花などの園芸についても楽しく聞かせていただいた。　口演の機会が無くても、備えだけは十分にしておく心掛けが大切であることを、改めて感じた。    

  2012.12.08

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• 武田信玄　　～～安倍金山を掌中に～～

  　今朝は、午前３時に帰宅。入浴床に就いたのが４時。８時半に起床した。恒例の朝の散歩は消え、妻が愛犬を連れだしてくれた。人情話の朝修業は必然的に取りやめとなった。非日常の一瞬。体には相当のだるさが残っている。　さて出番の予定の無い今は、人情話の充電について。「巌流島」は２８４日まで進んだ。　さらに、新田次郎氏の「武田信玄」第二巻と第三巻を再びお祭り前に図書館から借用して、音読を始めた。ざっと５０ページ余。第二巻の巻末まで読み進めた。粗略は以下の通り。 　　永禄１１年、今川に侵攻した信玄は、弟河窪兵庫助信実に、安倍金山奪取の為に出兵を命じた。攻め落とすことよりも金山の職人をも含めて丸ごと手に入れるよう調略させた。金山奉行の安部天真は一同に諮り、今川から武田に服属する決めた。　甲州の黒川金山が枯渇する状況にあって、今川侵攻の最大の狙いはこの金山獲得。金によって戦での敵の調略に功を奏していた信玄は大変喜んだ。詳しく調べると、埋蔵量は三十万両、長崎から戻った大蔵藤十郎（後の大久保長安）が宣教師からイスパニアの錬金法を身に着けて帰って来たので、更に埋蔵量の換算が倍以上となった。 北条と徳川の密約がなり、北条が攻め込んだため窮地に陥った武田軍はいったん撤兵をしたため、遠江を徳川、それより以東を北条が支配する事になった。だが武田は６月になって再び駿河に攻め入り、富士兵部将輔信忠の守る大宮城を攻め、一計を図って和議・降伏させ所領と富士山の大宮をつかさどる神官としての権限を従来のままとした。これにより甲斐から駿河に出る右左口路を押さえ、甲斐と駿河を直結させた。　物語は、中々前には進んでいかない。信長の上洛と躍進を目にして焦りを感じ、又徳川のしたたかさに気付く信玄。その眼の先には、自身の京都上洛と全国制覇の夢が依然として広がっていた。　「武田信玄」口演の際には、信玄の自信や人間としての凄味なども頭に入れながら、終末を語るようにして行こう。   　

  2012.12.04

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  冠二郎シリーズ　～～「旅の終わりに」探り弾き～～

  　冠二郎の演歌の二曲目「都忘れの花のように」がほぼ習得できた。CDと合わせても余り問題はない。そこで、地元の方に喜ばれるように、シリーズの幅を広げることにした。そこで選んだのが、彼の大ヒット曲「旅の終わりに」である。　インターネットや歌本に、ギター伴奏コードが載っていない。以前探り弾きをしたが、Ｅｍ、Ａｍの部分は合致するが、そのほかの所が出てこなかった。勿論、コード譜は、低音部を使って弾いてみたのである。　そこで、今日は高音部のコード譜に挑戦する事にした。先ず出だしのキーコードはＥｍで、この曲の中では一番使用頻度が高い。７、８、９フレットを使った押さえ方。１～３フレットを使った低音部のＦの押さえ方によく似ていて、薬指、小指、中指が１弦の方向に一つずつ、ずれた形。　次に使用頻度が高いのが、Ａｍコード。５，６，７フレームを使った押さえ方を選んだ。丁度１～３フレットを使った低音部のＦｍの押さえ方のままで、これを５～７フレットにスライドさせたもの。　あと二つのコードがどうしてもわからなかったが、高音部になって、簡単に探り出せた。歌詞でいうと「きょうは函館、あしたは釧路」の「あしたは」の部分。最初がＣ、次がＣ♭にすれば良い事が分かった、　Ｃ♭は高音部のＥｍの押さえ方で、薬指、小指、中指を６弦の方向へ一つずつずらせた形。即ち７、８、９フレットを使った押さえ方。　Ｃの高音部は、Ｃ♭の押さえ方のまま、８～１０フレームへスライドさせた形。この「旅の終わりに」の曲は、４つのコードを使って弾くのだが、高音部を利用すればコードの移動が少ない。また、前奏や後奏のメロディーも７～１０フレット以内でほぼ弾けるので、覚え易い。　前奏は、ピックによる高音部のメロディー弾きして、各メロディーの終り際に「ジャジャジャジャ」とコード音をいれた。　１番と２番の間奏はＥｍ、Ａｍ、Ｃ♭、Ｅｍを４拍ずつコード音で対応。２番と３番の間奏は、前奏と全く同じである。　終奏は前奏と同じスタイル。単音のメロデイーは前奏とは違うが、コード音と組み合わせる方法は同じ手法。　ＣＤに合わせて歌ってみると、メインバッキングパターンを「チャン　チャチャ　チャン　四分休符」にすると一番合いやすい事が分かった。これをメインに、臨機応変に、適当に雰囲気を合わせてみた。　以上で、探り弾きが終わった。これをマイ楽譜にはしないで、いきなり暗譜していく事にした。それでも何とかなりそうな雰囲気を感じたからである。あとは、肝心の歌詞を覚える事。これが出来ていない。しっかりせよ！ 「旅の終わりに」　作詞：立原岬　作曲：菊池俊介　唄：冠二郎　流れ流れて　さすらう旅は　きょうは函館　あしたは釧路希望も恋も　忘れた俺の　肩につめたい　夜の雨春にそむいて　世間にすねて　ひとり行くのも　男のこころ誰にわかって　ほしくはないが　なぜかさみしい　秋もある旅の終わりに　みつけた夢は　北の港の　ちいさな酒場 暗い灯影に　肩寄せあって　歌う故郷の　子守唄　～以上は、「うたまっぷ歌詞無料検索」にて～→　こちら 　さて、最後に私と毎日、２年も前から、心よく遊んでくれるお友達を紹介する。ハンサムだし、文句の一つも言わない方。何時でも心楽しくさせてくれる友達だ。   

  2012.11.27

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• 仮名手本忠臣蔵　　～～続き～～

  　今の人情話に対する取組は、朝の散歩で四代目天中軒雲月氏の「巌流島」と「武田信玄」、夜の散歩で二代目京山幸枝若氏の「会津の小鉄」、春日井梅鶯氏の「赤垣源蔵」を毎日聴き、一緒に口ずさんでいる。１０月２８日のうららさんでの秋祭り以降、これが日課となっている。　巌流島は今日で２７５日。少しでも上手くなりたいとの一心。他の３つは、早く自分の出し物の中に加えたいとの気持ちが、練習に駆り立てている原動力となっている。その根本には、喜んでいただきたいという気持ちがある。   さて、仮名手本忠臣蔵の続き。六段目「与市兵衛内」から読み進めた。　成程事態は急変。お軽は祇園の一文字屋に１００両で身売り。家族一同その金を早野勘平の為の御用金に役立てようとする。勘平は義母に義父を殺したとなじられ、原郷右衛門、先崎弥五郎に詰問され、我が身の犯した罪の深さに切腹。だが息が途絶える前に、勘平の義父殺しの疑いが解け仇討の連判状に名を連ねる。　七段目「祇園一力」では、大星由良之助とお軽との出会、お軽を殺そうとする兄の寺岡平右衛門とのやりとり、高師直の手先となって浪士一行の情報を漏らす斧九太夫を大星が討取る場面など、混迷する状況が渦巻く。　八段目「道行」では、加古川本蔵の娘小浪と妻戸無瀬が、徒歩の二人旅で、都山科の大星力弥の元にたどり着く。許嫁の力弥の所に小浪を貰ってもらうためである。　九段目「山科閑居」では、大星の妻お石との心情のやりとりが涙を誘う。また大星と加古川の男同士の対決、娘を大星に托し、高師直宅の絵図面までも持参して死んでいく加古川の本心に唯唯感謝する大星。矢張り事実でなく、後から脚色して誕生した物語だけに、思わぬどんでん返しと、これでもかこれでもかと降り注ぐ人情の機微に深く深く引き込まれてしまう。　十段目の「天河屋」では、天河屋義平の討入についての大きな貢献と、何事にも動じない男気に浪士の皆々が心を打たれる。またその事によって、討ち入り時に「天」と声を掛けたら「河」と答えるという合言葉にとなって胸に刻まれた。　そしてこの物語は十一段目「討入」で終わる。見事に高師直の首を討ち、首尾よくご主君の無念を晴らした大星であるが、自分よりも他の者に深く心配りをする姿に、流石大人物と感嘆するほかはない。　「風さそふ　花よりも猶　我はまた　春の名残りを　いかにとかせん」　この一首から、あまたの義士が誕生し、そしてこのように義理人情溢れる素晴らしい物語が誕生した。世界文化社「仮名手本忠臣蔵」を読み、少しばかり歌舞伎の世界に近づいた気がする。また、「赤垣源蔵」や「雪の南部坂」の口演の際も、バックボーンとして生きるものにしたい。     

  2012.11.24

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• 仮名手本忠臣蔵

  　春日井梅鶯氏の「赤垣源蔵」「雪の南部坂」に誘われるように、「仮名手本忠臣蔵」を音読した。第１部、及び第２部の五段目山崎街道まで読み進めた。　時は暦応元年足利尊氏の頃の設定、元禄よりはるか昔にさかのぼっている。だが事件は同じく殿中にての刃傷沙汰。高武蔵守師直（吉良上野介）の嫌がらせにより、塩谷判官（浅野内匠頭）が切り付け、切腹となる。判官は切腹。お家取り潰しで、家来は城をあけ渡して、皆浪人となる。家老の大星由良之助（大石内蔵助）は主君の葬儀を営み、京都山科の地で落ち合って今後の事を協議を約す。「殿様の想いのこもった九寸五分、この刀で師直の首を掻き切って、望みを遂げよう」とその胸中を明かす。　従者でありながら主人の事件に立ち会えなかった早野勘平（萱野三平）は、お軽の田舎に一緒に逃げ猟師をしながら仇討の仲間入りの望みを捨てない。運命のめぐり合わせから、お軽の父から金を強奪した斧定九郎（大野惣右衛門）を誤って撃ち殺し、その金を御用金として持ち逃げする。　時代を変えてはいるが、設定は赤穂浪士の事件が誰の目にもあからさまに分かる様に、筋書きが作られている。しかしそれでいて、全く別の話で実名の赤穂浪士やそれを取り巻く人々は一人も出ていないから、誰も文句のつけようがない。実にうまく作られている。　話に入って行くのに、多少の時間が掛かったが、塩谷判官の切腹からの展開で、大星由良之助をはじめとする家臣の忠信に、思わずほろりとさせられる場面があった。五～六段目にかけて、勘平の運命は急転するという。次を楽しみにしよう。　さて、新田次郎著「武田信玄」は図書館に返却したので、音読は一時小休止。仮名手本忠臣蔵を一度読み通してから、改めて音読を再開する予定。　四代目天中軒雲月「武田信玄」の口演練習は、毎日のように実施。ipod　miniに頼らず、自分の記憶で口演をしている。部分部分は掴んでいるが、その部分のつなぎ合わせ方が、まだ定着し切れていない。　出だしの節が似たものが多いので、油断をしていると、また元に戻ってしまう事もある。初めから最後まで、きっちりとはなかなかいかない。しかしながらもう一息の所までさしかかってきている事は、間違いないであろう。　「会津の小鉄」は８割方、「赤垣源蔵」は５割方体にしみこみつつある。「源流島」千日の修業と並行して、その他のものも、幅広く学んで行っているところである。だから苦しみよりも、だんだん広がっていく楽しみを味わう事が多い。　これから乾燥期。寒い朝の散歩で１時間に二本口演するには、喉が痛む。そこで１つ終わると、必ず飴を一粒舐めて喉を保護するようにしている。日本クラフトフーズKKのキシリクリスタル。謳い文句はミルクミントのど飴。甘くてひんやり。シュガーレス、カロリー３５パーセントオフ。これが真にいい。       

  2012.11.19

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• 出し物の充実期　　～～忠臣蔵をも少し深く～～

  　春日井梅鶯氏の「雪の南部坂」「赤垣玄蕃」を継続して聴いている。赤垣源蔵のあらすじは、大体しみこんできた。雪の南部坂のやり取りも徐々に入りつつある。　赤垣源蔵の方は登場人物も少なく、場面も少ないから、入りやすい。しかし、名人が語ると涙が出るこのお話も、如何に登場人物の情を伝えられるかとなると、一転して厳しいものとなる。何事に於いても、簡単なるものはない。　雪の南部坂の瑤泉院と内蔵助とのやり取りや、寺坂吉右衛門が語る討入りの場面の報告については、正に名人芸、名調子、内容豊富で一朝一夕に理解できるものではない。優れた題材ではあるが、非常に難しいものであろう。　仮に、この２作が自分の語れる作品の一つとして残れるとしたら、こんなに嬉しい事ではない。浪曲を芸術の域まで高めた四代目天中軒雲月氏の「巌流島」「武田信玄」、高音から速射砲のように話が展開していく二代目京山幸枝若氏の「会津の小鉄」「阿武松緑之助」、それにまるでひとり歌舞伎を演じているが如く聞き手を魅了する春日井梅鶯氏の「雪の南部坂」「赤垣源蔵」という、３本の大河の潮流に揺られることができるのである。　巌流島と阿武松緑之助は既に人様の前で口演した。最後まで聴いていただき、喜んでいただけた。武田信玄はほぼ体への沁み込ませが終え、今その肉付きを広げる作業。新田次郎氏著の「武田信玄」朗読は第二巻目の巻末に近づいた。　織田信長が上洛し、信玄が今川氏真の駿河に攻め入った所。これから、三河の徳川家康とどう対峙するかとの局面に来た。この間、信玄への造反を図った長男義信が幽閉され、ついにその命が燃え尽きてしまった。信玄苦悩の時でもあった。　会津の小鉄もipod　miniから流れる音と私の口音とが同じように流れる様になって来た。ガリのデボタケが怒鳴るべらんめえ調と、ひとふでとっつぁんのしみじみとした情のある語りでの肉付けと、自由自在なる節回しに如何に追いつくかこれから学ぶ事。　春日井梅鶯氏の出し物に就いては、知らなければ何事も語れない題材。２作品ともに台詞をパソコンで打ち込む「テープ起こし」等はまだまだ先の先。まずは、赤穂浪士の物語を本などを通して知識を広げていく段階。　先般ひも解いた本からは、四十七士全員のお名前を確め、それから寺坂吉衛門と言う人物の果たした役割について初めて知った。映画を二度三度と見たが、その様な事はとっくに記憶の中から消え去っていた。　今回秩父図書館より借用してきた本は、ビジュアル版日本の古典に親しむ11「仮名手本忠臣蔵」～江戸を熱狂させた仇討と悲劇～戸板康二著である。仮名手本忠臣蔵は歌舞伎の世界。これに関しては全く無知の段階。歌舞伎は新春歌舞伎を数度見ただけ、テレビも生前の母が見ていたのをつられて覗き見をした程度。　こんな私なので、本を目に瞬間読んでみようという気が起きた。家に持ち帰ってから早速に、本を一通りペラペラとめくってみたら、大変良いことに、江戸城松之廊下のカラー絵図「御本丸寛永度絵図」「江戸城本丸御殿表図」「松之廊下障壁画小下絵」「松之廊下復元模型」が掲載されていた。　加えて、討入りの舞台となった本所松坂町吉良邸の様子が分かる「吉良邸図」、赤穂浪士推定引き揚げの経路が記された「改撰江戸大絵図」があった。赤穂浪士の事件関係先や主要な潜伏先、現在の主なランドマーク等が記されており、赤穂浪士の歴史を理解するうえで、我が意を得たりのものであった。　さらに巻末には「主要人物事典」があり、四十七士の浅野家における最後の役職、禄高、討入りに向けて果たした役割、行年、戒名などが明示されていた。これは物凄いもの。歌舞伎の本論よりは、先ずその付録編というものに、私は心を奪われたという事であろうか。　元禄１５年（１７０２年）に討入りが行われてから、その4６年後に、武田出雲の人形浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」が上演され、歌舞伎化もされたことを知った。。実名の話しや実際の出来事を演じることは、当時の幕府から禁じられていたことによる苦肉の策から生まれてきたのであろう。　第一部　殿中の刃傷沙汰　　大序　　　鶴ケ岡　　二段目　桃井館　　三段目　足利館　　四段目　塩谷館　第二部　面々、雌伏の時　　五段目　山崎街道　　六段目　与市兵衛内　　七段目　祇園一力　　八段目　道行　第三部　そして仇討へ　　九段目　山科閑居　　十段目　天河屋　　十一段目　討入　この様な構成から出来ている事が分かった。じっくり、これも音読を通して味わってみよう。史実とは違う名前の人物が登場する物語であるが、その本筋は忠節を果たした義士を賛辞している事は、読み進めれば明らかになるであろう。          

  2012.11.15

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• 川中島の大会戦にて信濃全域を掌中

    　先ずは新田次郎著「武田信玄」の音読のその後。　永禄４年、宿敵謙信との川中島での大軍を率いての戦いは、武田の援軍が到着するや否や、戦局は一気に逆転し越後勢は敗走に敗走を重ねて、善光寺まで逃れた。信玄は深追いする事を止め、信濃全域を掌中に収める事の戦後処理に没頭した。　これを境に上杉謙信の影響力を一気に削ぎ、又逆転に向けて華々しい活躍をした信濃衆の力を認め、これ以降の武田軍は甲信連合軍と云う陣容に変身していった。単なる矢面の存在でなく、共に力を合わせて敵と立ち向かう力強い勢力になったのであった。　その後、北条軍と気脈を合わせ、上野や武蔵の松山城まで兵を延ばした。特に松山城攻撃に於いては、籠城する城主上杉憲勝に対し、「吉見の百穴」をヒントにして、信玄弟の逍遥軒武田信廉は松山城の地下にトンネルを３本掘って攻撃するという、「土竜戦法」に打って出た。　その結果、武田勢によるせん滅を恐れた上杉憲勝は北条側から申し出を受けて降伏してしまった。　新田次郎著「武田信玄」の音読はここまでに至ったが、これから、駿河を手に入れ、西京を目指して行くことになる。まだまだ先は遠い。ただ何度も行った事のある東松山市に、「松山城」という城があったことはよく知らなかった。また自分も見学をした事のある「吉見の百穴」を題材として、土竜戦法なることを小説に用いた新田氏の筆先も面白かった。 　さて、「巌流島」の挑戦は、今朝の散歩による自然の中の練習で、２６３回に至った。宮本武蔵が五輪の書で述べている「鍛錬」の、千日の修業から成る「鍛」の成就に向かって、その４分の１を経過したことになる。長かったというよりは、もうここまで達したのかという気持ちと嬉しさの方が大きい。日々健康に過ごせているからこその取組。これからも大切にしたい。 　もう一つの目的は、不意の要請に対する備え。アコギの方では、「宇宙戦艦ヤマト」がまだマイ楽譜を見ないと先に進まない。あとの５曲は何とか暗譜が頭に入って来たので、これから先は習熟が課題。練習の積み重ね以外に道はない。出来る様になった時の喜びを少しずつ味わいながら、これも日々積み重ねて行きたい。   

  2012.11.11

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• 何時でも出来る準備を!!

  　出番が終わると、着物を干し、時には袴の結び紐にアイロンをかける。そして衣装をタンスにしまって片づける。そして口演記録と反省事項をまとめ終わると、ちょっとした虚脱状態になる。　何時も次の予定が入っていないから、目的意識の乏しい惰性的な日が続く。充電期間とはいうものの、これはあまり好ましい事ではない。そこで気持ちの持ち方を変えてみる事にした。　実は、過去の口演の中で、数日前の直前になってから、依頼の電話を受けたことが２～３度ある。既に4度の口演をしているところもあるので、その福祉施設で一度も口演してない話や、歌を6曲準備し、お声掛けをいただいた時には、何時でも役に立てるようにしようと決めた。たまたま、先般の10月14日に声掛けをいただいたが、重複したのでお断りをしたいきさつがあったから。　そこで、人情話は初めて口演する、天中軒雲月氏の「武田信玄」にしたい。これは巌流島と一緒に毎朝聴いているので、もうほとんど全編が体の中に沁みこんできている。あとは人様の前で出来るかどうかの所まで来ている。　歌は、多様な年齢層と男女を想定して、冠二郎の「炎」「都忘れの花のように」、三橋美智也の「哀愁列車」、アニメソングの「宇宙戦艦ヤマト」、コブクロの「天使達の歌」「風」にしたい。　「炎」は桜木町で披露済み。「哀愁列車」は一月ほど毎日練習していたので何とか人様の前でも可能。「天使達の歌」は口演用でなく自分の楽しみで歌っていたが、これもほぼ暗譜での弾き語りが可能。　「都忘れの花のように」は、マイ楽譜が作り終えたところ。コードはＡｍ、Ｄｍ、Ｅ7の3つだけ。サビをストロークで出だしをアルペジオ風にやるとスローテンポの歌が唄いやすい。歌詞も情感がこもっていて覚えやすい。　　「宇宙戦艦ヤマト」は自分で感じているよりもハイペース。ユーチューブで聞くとわりと高い音域。唄い手の佐々木さんが低音の魅力だから、つい勘違い。以前作ったマイ楽譜を作り直し。コード変更ではなく、どれだけ伸ばすかの変更。コードは短い曲だが数が多くＤｍ、Ａm、Ｆ、Ａ7、Ａsus4、B♭、C、Ｃ7、Ｇ、Ｇｍ等。前奏、間奏、終奏も省略のかたち。　「風」は久しぶりに聞いてみたら、マイ楽譜の作り直しが必要だった。前奏の弦弾きの音程の修正と、終末の部分もアルペジオでなくストロークに。それから思った以上に部分部分の歌唱がゆっくりなので、ストロークを力強く行う様にしてみよう。　この様に目的を定めてみると、毎日が急に忙しくなる。やるべきこと覚える事が多いからだ。その分だけ充実した時間となる。充電期間も工夫次第で実りの高いものになりそうだ。  

  2012.11.07

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  冠二郎　～～「炎」以外のネタ曲に挑戦しよう!～～

  　今朝も寒い。今日は兄と二人して、電気ごたつのセッティングを行った。これでやっと足元が温かくなる。庭に干したシャクシ菜はポキポキ感が無くなって、少し萎れてきた。曲げても折れない状態に近づいてきた。今日で干し上げ完了として、明日好天なら樽への込みが出来そうだ。  昨日は妻と娘と銀座でランチ。リニューアルなった東京駅に足を延ばした。南北のドーム、中央口、ステーションホテルロビー等をつぶさに見た。流石に首都の中心駅。その存在感は見事だった。  　さて、前置きはこのくらいで・・・。口演予定の無い充電の期間は、人情話だけでなく、余興に行うアコースティクギターのレパートリーも増やす必要がある。　冠二郎のコンサートが１０月２８日に秩父市吉田のふるさと祭りで行われたらしい。相変わらず地元では根強い人気があり、たくさんのファンもいる。　「冠二郎ゴールデンベスト」の中から好んで聴いているのは、「横浜物語」、「炎」、「みれん酒」の３曲。丁度朝食後に洗いすませおいた洗濯物を干しながら２～３曲聴く。これが日課。「炎」の次には、この「横浜物語」と、デビュー以来の最大ヒット曲の「旅の終りに」を覚えて歌えるようにしたいと考えた。　早速今年購入した、「ベストヒット大全集２０１２年版」全曲コード付き２５２８曲という歌本を曲名で調べてみたら、「横浜物語」は無く、裕次郎の「よこはま物語」があるだけ。「旅の終りに」も掲載されてない。　そこで、歌手名で冠二郎を探したら、３曲あった。「炎｝、「面影の人」、「都忘れの花のように」であった。このうち「面影の人」はベストアルバムに収められていない。「都忘れの花のように」だけが当面身近に挑戦できる曲となった。この曲だけが残ったのはこれも何かの縁であろう。このマイ楽譜づくりに早速取り掛かった。　CDを何度か聞いて、コードに合わせて歌ってみる。ゆっくりしたリズムでのストローク伴奏が取りにくいので、途中まではアルペジオ風に。サビの部分へさしかかったらストロークにして、少し力強く。前奏、間奏、終奏のコードは表示されていないが、歌の中で使われているものを組み合わせてみた。　１０度くらい繰り返し、何とかなりそうな雰囲気になったので、早速マイ楽譜づくりに取り掛かった。といっても、今日は秋晴の好天気。太陽が燦々と降り注いでいる。昼食までの１時間は庭仕事に充てるので、楽譜づくりは午後の作業。 　とりあえず印刷して、CＤに合わせて弾き語り。当初の物ではかなり修正事項があった。１０度くらい歌っている内に、最終的に固まったものがこの楽譜。これを暗譜すれば新しいレパートリーとなる。炎のハイテンポと逆にスローテンポ。対照的でいいかもしれないと勝手に思い込む。完成してからも更に１０度くらい歌ってみた。　何とかこの歌ともお友達になれそう。冠二郎シリーズとしての第一歩を踏み出せそうだ。    

  2012.11.03

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  うらら秋祭り本番

  　うらら秋祭りへの最後の追い込み。「口演を25分以内に」という命題に向け、26日夜の練習は23分19秒。27日は午前中に着物袴に正装し、当日と同じいでたち。口演練習は23分52秒であった。着物の着付けが確認でき、用いた衣装も風呂敷に包んで、後は当日を待つのみ。準備は万端整った。 　その日の夕食後に、秋祭り担当の職員の方から、明日の件に就いての最終確認のお電話があった。記憶のボケかかった私にとっては大変有難いコール。細やかなお心遣いに感謝。　いよいよ当日の夜が明けた。５：３０に起床し、早めに犬の散歩を兼ねた練習。この日は試みに最初の30分で「阿武松緑之助」のipodなしを行った。後半の30分は何時もの「巌流島」でipodを聴きながら。「武田信玄」は今日は無し。特にトチル所もなく、人様の前以外では、安易に出来るもの。　心配されていた今日の天気が昼前から予報通り、雨になってしまった。係りの人達はお客様方の送迎などで、この雨を心配していた。私は大丈夫だが、参加の方々や係りの方々は大変。真に残念。　1時間前に会場入りし、会場の特設舞台確認とマイクの音量テストを行った。30分前には着付けも終わり、静かに出番の時を待った。やがて、お声がかかり、舞台の上でご丁寧のご紹介をいただいた。   　　輝くスポットライトを浴び、前方数列のお客様が見える以外は、真っ暗闇の世界。後方がどうなっているかは全く見えない。この様なステージ条件の中で口演する事は初めて。若干の戸惑いと緊張を覚えたが、貴重な体験となった。時間も程々に終える事が出来たようで、職員の方々から口々に御礼の言葉を賜った。   　うらら秋祭りは、実行委員長を中心として職員の皆様が作り上げたもの。参加者の皆様へのおもてなしの心が随所にみられ、玄関から通路、会場内等職員の皆様手作りの秋の気配が随所に滲む飾り付けが目についた。　出し物は私の外に、ゴスペルのグループの方々の歌、又職員ご自身方が演じる出し物が続いた。衣装の片づけ等が済んでから、ようやく最後の場面だけ目にする事が出来た。　文化祭の如く、入所しておられる方々の習字や絵の展示参加があり、表彰も行われた。心温まるお時間にお呼びいただいて大変有難かった。帰路、駐車場までわざわざお見送りをいただいた職員の方から、「入所の皆様方が、集中して話をよく聞いておりました。年配の方が大勢おりましたので、皆さんとても喜んで戴きました」とお声掛けを賜った。今回の役向きが無事に果たす事ができたと、ホッと一息の心境であった。  　今後のスケジュールは真っ白。充電期間として、新たな出し物への挑戦を心掛けたい。  

  2012.10.30

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• 川中島の合戦は壮絶

  　　新田次郎氏作「武田信玄」第二巻の川中島の合戦に音読は進んだ。上杉軍の殲滅を図る信玄は武田軍２万の兵を二手に分け、一手は八幡原に陣を構え謙信を迎え撃つ兵１万の本隊、もう一手は妻女山を伺いながら機を見計らって後方から挟み撃ちにしようとする１万の兵。　１年に１度しか出ないという深い深い霧（幕霧）によって、合戦の場は視野を失っていしまうが、双方が相手の動きを推察しつつ夜が明けるのを待つ。　ところが、謙信は武田軍の予測の裏をかき、深夜に動き出し、千曲川を渡って八幡原に越軍１万２千の兵が襲来した。武田軍は身を固めてただ襲撃をよけるのみ。防御一辺倒で妻女山側からの援軍が来るまでの防戦となった。 　しかし、頼みの援軍は、信濃衆や越軍の兵２千によって行く手を阻まれ、動くに動けぬ状態に陥った。そこで防御線の中央突破を計る兵と、妻女山を登って迂回して八幡原を目指す兵との二手に分かれ、近くて遠くなってしまった八幡原へと急いだ。　夜明けとともに始まった衝突は、午前中は越軍の猛攻のみで、武田軍は山本勘助や信玄の弟の信繁が落命した。信玄の危機を救うための盾となるべく決然として死の道を選んだのである。　新田氏の筆は、誠に臨場感豊かであり、合戦の様子や軍兵の動きが脳裏に浮かぶようである。この様な大きな犠牲の下に武田軍の逆転が可能であったのか？　四代目天中軒雲月の「武田信玄」では川中島の合戦の場面は、非常に少ないが、今後口演する時には、この様な情景をも心に浮かべながら取り組んでみようと思う。 　　さて、あと二日後に迫ったうららさんでの秋祭り。阿武松緑之助の口演。２３日夜の練習では２２分３０秒で「どうしたものかよかろうと～」という文言がチョット出て来なかった。２４日の夜練習では２４分１３秒。快調に出来た。２５日夜練習はipod　miniで本物を聴きながら行った。自ら覚えているものに間違いはないかの確認である。先日担当者の方からの連絡で、１時間前に到着して、現地の仮設の舞台等を確認するという次第となった。あとは体調を保つのみ。良い日になることを願う・・・   　

  2012.10.26

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• 秋祭りまで、あと１週間

  　うららさんの秋祭りへの出番があと１週間に迫った。「阿武松緑之助」の練習も順調。２３分５６秒と２５分１０秒。昨晩の練習は、いきなり途中からやってみた。「〽辿り着いたは深川のその頃東の関脇で・・・・逢う度お粗末でしたこれまで。」　何の違和感もなく自然体にすらすらと出て来るので、本番への手ごたえを感じてきた。体調も今のところ万全である。　同時進行で毎晩聴いている「会津の小鉄」は9割近くなぞらえられるようになってきた。二代目京山幸枝若氏が醸し出す独特の緩急自在のリズム感やリアリティーに富んだ台詞まわし等になじんできた様である。 　　「巌流島」と「武田信玄」の朝練習も毎日続いている。途切れる事はない。 　ただ、新田次郎氏の武田信玄の音読だけは、完全にプッツン状態で、本を手に取ることもない。こんなことではいけないと思いつつ、なかなか手が伸びない。いよいよ信玄と謙信の一騎打ちだというのに・・・ 　アコギによる出し物の練習については、桜木町の口演がある時までは毎日やっていたが、今はボチボチと言ったところ。こんなことでは運指も忘れてしまう。また、歌謡浪曲の新しい取り組みも、全然ない。 　まずは、28日の口演が終わるまでは手のつかない状態というところか？？？ 秋祭りでの務めが果たせてからの、充電期間を上手に活用する事にしよう。 　今日は松坂桃李と樹木希林が織りなす「ツナグ」を見てきた。これもまた人情話の世界であり、人の役に立とうという思いの強いものであった。  　 　

  2012.10.22

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• 赤穂浪士史談　　＾～こんなことがあったのか？～～

   　巌流島の練習は、今朝の散歩で239回。　 昨晩の阿武松緑之助の練習は22分00秒　　今までで一番早い語りですべてを行った。　　 聞き取りにくいが、何とか可能であるペース・・・   　　さて、四代目天中軒雲月氏の　　　「巌流島」「武田信玄」。　　　二代目京山幸枝若氏の　　　「阿武松緑之助」も28日に備え練習中。　　　「会津の小鉄」は夜の犬散歩の時に口ずさむ。　　　　  　　それ以外では、剪定・誘引や消毒、除草等の、　　　外作業の時に、よく聴いているのが、　　　　春日井梅鶯氏の浪曲。　　　　　「雪の南部坂」と「赤垣源蔵」だ・・・   　　梅鶯氏の節回しは誠に独特で、　　　初めは一寸とっつきにくかったが、　　　　何度か聞いている内に、慣れてきた。　　　　　この二つの浪曲は、題材がいい。　　　　　　御存じ、赤穂浪士・・・   　　「雪の南部坂」は大石が、討入り前日に、　　　足軽：寺坂吉右衛門をともに連れて、　　　 瑤泉院を訪ね最後の別れを告げる場面・・・　　「赤垣源蔵」は源蔵が、討ち入り前日に、　　　徳利をひとつぶら下げて、　　　　兄の塩山伊左衛門の家を訪ねる場面・・・　　  　　特に「雪の南部坂」は、　　　足軽：寺坂吉右衛門が瑤泉院に、　　　討入りの様子を詳しく語り知らせる場面がある。　　　　よくぞこれだけの人物や状況を覚えて、　　　　　語れるものと感嘆した。  　　また、瑤泉院と大石内蔵助のやり取りは、　　　まるで歌舞伎の世界の台詞を聴いている様で、　　　　非常に重厚感がある。  　　春日井梅鶯自身が忠臣蔵が大好きで、　　　赤穂浪士にのめり込まない限り、　　　　この様な素晴らしい語りはできない・・・   　　その件で、桑田忠親著「赤穂浪士史談」では、　　　討入りは「47人、46人？」かが提起されている。　　　　即ち、足軽：寺坂吉右衛門の存在を、　　　　　古文書をもとに推論している。   　　赤穂浪士が本懐を遂げた後、　　　　大目付仙石伯耆守に提出した趣意書には、　　　　四十七人の姓名が連記されていたこと。  　　水野家お預け十人の中にいる筈の、　　　足軽：寺坂吉右衛門が実在しなかったので、　　　　やむなく、九人を預かることとなったこと。  　　寺坂吉右衛門が討入り直前まで同行したこと。　　　寺坂がいなくなった時期が、　　　　討入り直前か、引き上げ途中か、　　　　　泉岳寺に着いてからかを検討したたこと。  　　寺坂は討入り後も生きて、　　　播州姫路に住む主人の婿宅に身を寄せ、　　　　後に江戸に出て、　　　　　　８３歳でその生涯をとじたこと。   　　寺坂自身が書き贈った、　　　「寺坂吉右衛門筆記」という古記録があること。　　寺坂の孫が書いた「寺坂私記」があること、　　　などから、死なずに生きていたとしている。  　　赤穂浪士の話は、何度も映画になり、　　　かなり知っているつもりだったが、　　　　この事だけは、記憶に残っていなかった！   　　桑田氏が記した赤穂浪士の名前を、　　　書き写してみる。　　私の知っている人物は、ほんの一握・・・　　　もっとよくよく知らねば・・・  　　「・・・屋敷」は、切腹した場所を表す。  　　「細川越中守屋敷」　　　大石内蔵助良雄。片岡源五右衛門高房。　　　吉田忠左衛門兼亮。原惣右衛門元辰。　　　磯貝十郎左衛門正久。間瀬久太夫正明。　　　小野寺十内秀和。堀部弥平金丸。　　　近松勘六行重。富森助右衛門正因。　　　塩田又之丞高教。早水藤左衛門満尭。　　　赤埴源蔵重賢。奥田孫太夫重盛。　　　矢田五郎右衛門助武。大石瀬左衛門信清。　　　間喜兵衛光延。 　　「松平隠岐守中屋敷」　　　大石主税良金。堀部安兵衛武庸。　　　千馬三郎兵衛光忠。中村勘助正辰。　　　貝賀弥左衛門友信。菅谷半之丞正利。　　　岡野金右衛門包秀。不破数右衛門正種。　　　大高源吾忠雄。木村岡右衛門貞行。　　　 　　「毛利甲斐守中屋敷」　　　岡嶋八十右衛門常樹。前原伊助宗久。　　　杉野十平次次房。武林唯七隆重。　　　倉橋伝助武幸。勝田新左衛門武尭。　　　吉田沢右衛門兼貞。小野寺幸右衛門秀富。　　　村松喜兵衛秀直。間新六光風。  　　「水野監物上屋敷」　　　神崎与五郎則休。三村次郎左衛門包常。　　　間十次郎光興。矢頭右衛門七教兼。　　　横川勘平宗利。奥田貞右衛門行高。　　　間瀬孫九郎正辰。村松三太夫高直。　　　茅野和助常茂。  　　　　２～3年後には、自分の出し物として・　　　口演出来る様に、色々な本から、　　　　赤穂浪士を探ってみたい・・・  　　　　　　　

  2012.10.18

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  口演に向けてとその本番

  　 　　１２日、口演２日前。 　　　以前電話で簡単に案内していただいた、　　　　桜木町公会堂の場所？　　　　　何度か所用でその近辺を通ったが、　　　　　　進入路が分かりにくい。　　　　　　　そこで、実際に会場を確かめる事とした。   　　話しの中に出た、　　　プロパン屋さんやお風呂屋さんは、　　　　道路拡張整備の為に、　　　　　もうその姿はなかった。  　　　　　土地勘のある妻の知恵を借りて、　　　　　ほどなくが現地が確認できた。　　　　　　一度見ておかなかったならば、　　　　　　　当日さぞ慌てた事だろう・・・   　　１３日　いよいよ前日。　　　朝の散歩での巌流島練習に加えて、　　　　午前中に、前日に引き続いて、　　　　　通し練習を行った。   　　人情話から歌３曲まで４６分４５秒。　　　丁度良い時間であった。   　　巌流島の練習は、この通し練習を加えて、　　　２３３回目であった。　　　　口演本番まで、練習できるのは、　　　　　明日の朝散歩の１回のみだ。  　　その夜の練習。２８日のうらら秋祭りに向けて、　　　４日ぶりに、阿武松緑之助の口演練習。　　　　所要時間は、２５分４１秒５６。　　　　　今回は伸ばすべきところは、　　　　　　たっぷりと伸ばして吟じた。  　　それで丁度２５分。　　　確かな手応えらしきものが、　　　　少しずつ感じられてきた。   　　さていよいよ１０月１４日の口演当日。　　　朝の６時半。　　　　巌流島を口演しつつ愛犬と歩く。　　　　　ipod　mini　で流さず、自分の声のみ。  　　朝食と、分担の家事が終えたのが８時半。　　　９時から、衣装と着付けの確認。　　　　本来は、昨日やっておくべき事。　　　　　１０時半出発なので、多少の焦りアリ・・・  　　袴、紋付、襦袢、白足袋、帯、帯ベルトを、　　　桐タンスの引き出しから出す。　　　　試着し、その手順を確認した。   　　再びそれらを畳んで、　　　持ち運び用の、扁平な衣装ケースにいれる。　　　　忘れ物がないか最後の点検。　　　　　舞台用の桐下駄をも一緒にして、　　　　　　風呂敷で包んで一丁上がり・・・　　　　　　　これをさっそく車に積み込む。   　　次に、ギターの調弦を行い、　　　「炎」、「秩父恋歌」、「俵星玄蕃」を歌う。　　　　歌詞の不確実な所を、再点検。　　　　　演奏の方は、ほぼ順調だった・・・   　　それから、アコギをギターケースに入れる。　　　ギタースタンドを解体し、調弦機器と一緒に、　　　　小型旅行ケースに入れた。　　　　　これも、車に積み込む。   　　これで出発予定の１５分前になってしまった。　　　ぎりぎりである。やはり衣装は前日で・・・   　　さて口演本番。　　　私の巌流島を聴いていただいた人の数は、　　　敬老会参加者や当日の世話役員を含めて、　　　　約１００名に達していた。　　　　　 　　少し遅れて本番が始まった。　　 早めに会場入りし、　　　諸準備が早めにできたので、　　　　出番までの時間がたっぷりとあった。　　　　　珍しく緊張感に襲われたが、　　　　　　深呼吸を何度もし、気を丹田に収めた。   　　敬老会の部屋は、　　　テーブルにお酒と御馳走が並んでいた。　　　　司会の方から、料理をいただきながら、　　　　　口演を楽しんでいただきたいとのこと・・・   　　しかし、全員の方が、体をこちらに向けて、　　　姿勢を正して、巌流島を聴いていただいた。　　　　かえって緊張させて、　　　　　申し訳ないぐらいであった。       　　本番を終えた時には、汗びっしょり。　　　人情話と歌の合間で、　　　　ハンケチで顔や頭の汗をぬぐう。　　　　　終えてから着替える時は、　　　　　　肌着、襦袢、紋付の背中側が濡れていた。   　　役員の方々の、お言葉から、　　　皆様に喜んで頂けたことが伺われた。　　　　その事が一番うれしい。　　　　　充実感の余韻に浸りながら、　　　　　　会場を去ることができた・・・   　　　　　

  2012.10.14

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• 新しい出し物に挑戦中　　～～会津の小鉄～～

   　　　「会津の小鉄」の歌謡曲を聴いてから、　　　またなんとなく、浪曲の「会津の小鉄」を、　　　　無性に聴きたくなり、　　　　　毎日のように口ずさんでいる。   　　もちろん二代目京山幸枝若の得意芸であり、　　　「阿武松緑之助」と同様に高音で、　　　　しかもテンポが一段と鋭い。　　　　　義理人情の世界がよく伝わる作品。   　　以前、一度テープ起こしをして、　　　Ａ４用紙７枚ほどに、書き残した物があった。　　　　それがあったにもかかわらず、　　　　　余りにも難しすぎるので、聴かなかった。   　　今月末に、「阿武松緑之助」の口演するために、　　　毎晩京山幸枝若の名調子を、　　　　なぞらえている内に、感覚がつかめてきた。　　　　　「会津の小鉄」もできそうな、きがした・・・   　　現在は、ipodで聴きながら、　　　一緒に口ずさむと７割程度が頭に入って来た。　　　　そこで、テープ起こしの原文と、　　　　　ipodから流れるものを聴きくらべ、　　　　　　細部の５０カ所以上を修正した。　　　　　　　印刷したら、Ａ４サイズで８枚となった・・・   　　今まで何度聞いても聞き取れなかった部分が、　　　今回は、明瞭な単語として蘇ってきている。　　　　ほぼ１００％近く文章や単語で、　　　　　用紙を埋める事が出来た。   　　その作業を、昨日行った。　　　１５分程度で済むと思った、　　　　１時間半もかかってしまった。　　　　　完全を期すと時間が掛かるものだ・・・   　　特に今回は、台詞の部分と、　　　唄の節回しや、説明の部分の文とは、　　　　最低１行分は段落を置いて整理した。　　　　　口演がしやすいようにするために・・・   　　この調子でいけば、１０月末までには、　　　ほぼ、空でなぞらえる事が出来る様になろう。　　　　難しい作品の、一山が越えられれば、　　　　　こんなに嬉しい事はない。   　　名刺に刷り込まれた、８つの作品の外に、　　　「巌流島」　　　　「武田信玄」　　　　　「会津の小鉄」　　　　　　の３作品が加わる日も近い・・・   　　さて、昨夜練習した「阿武松緑之助」。　　　所要タイムは、２３分１０秒６５であった。　　　　スピーディ－に、よどみなく展開できた。　　　　　２５分という制限時間は、　　　　　 心配する必要はない状況になって来た。   　　新田次郎原作の「武田信玄」は、　　　第二巻と第三巻を改めて借り出してきたが、　　　　今は休眠状態にある。　　　　　謙信との川中島の戦いが、　　　　　　本格的に始まろうとしているのに・・・   　　直前に控えた、「巌流島」は順調である。　　　昨日は、４畳半で、当日と同時刻に、　　　　「巌流島」と「炎」「秩父恋歌」「俵星玄蕃」の、　　　　　通し練習を行った。   　　簡単なあいさつから、最後まで４６分。　　　ほぼ予定通りの、進行状況である。　　　　「巌流島」の声量は、　　　　　散歩時と違って、最高音で臨んだ。　　　　　　最後まで演じ切れた。   　　２０ｍ先の庭にいてバラの花を見ていた妻にも、　　　その声がしっかり届いたとの事であるから、　　　　当日１００名ぐらいの方が会場にいても、　　　　　隅々まで聴いていただく事が、　　　　　　出来るのではないかと一安心・・・  　　あとは、体調を崩さぬよう、心がけよう・・・     

  2012.10.10

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• ついうっかりの動作が　　　～～腰の違和感を再誘発～～

   　　健康で若々しい体を、　　　日々保つには大変である。　　　　時にはどうしても、うまく行かないことがある。   　　２週間前の事、　　　愛犬の夜の散歩に出かける時に、　　　　つい、玄関の上り口のステップ板に、　　　　　腰を掛けてしまった。   　　そこに腰かけると、腰の変調をきたして、　　 違和感を誘発するという事を分かっていたが・・・　　　平素は正座して、リードをつないだり、　　　　立った姿勢で靴を履いたりしていた・・・   　　たった一度だったから、何ともないと思った。　　　その日は、特別に何もなかった。　　　　そんなことを忘れた頃から、違和感が・・・　　　　　ベットから起きた時に腰が少し変だった。   　　強い痛みががあるわけではなく、　　またいろんな動作ができない訳でもない。　　　なんとなく不快。腰の収まりが悪い。　　　　背中の一部に鈍痛がある。   　　こんな時は、整形外科に行って牽引したり、　　　整体に行って、体を矯正したりして、　　　　根本から治す様にすれば、解決する。　　　　　然し私は自分で治そうとする。　　　　　　　さしあたって、両手を上に挙げ、　　　　　　　背伸びをして、腰の収まりを良くする。　　　　　　　　これで当座は大丈夫・・・  　　一昨日、片道２時間のドライブをするときに、　　　ハンドルを握ってどうも腰の調子がよくない。　　　　背もたれを２段階後ろに倒し、　　　　　座席をハンドルに近づけ、　　　　　　背もたれと背中の間に、　　　　　　　小さなクッションをいれ、　　　　　　　　　カーレーサーのような格好で運転した。  　　クッションは小さなハート形の物。　　　大きさが手ごろで、こんな時に使えそうと、　　　　以前購入し、車の中に、常時おいてあるもの。　　　　　１時間ほどしていて、後は取り除いて運転。　　　　　　お蔭で腰の具合は順調。   　　帰路はクッションなしで帰宅。　　　車から降りた時は、　　　　腰を伸ばす動作が必要だった。   　　今朝の散歩で、平均斜度２５度の急坂道。　　　上る時に違和感があった。　　　　体が前かがみ。幾分への字になっている。  　　丘陵地帯を抜けて平地を歩いている時に、　　　腰のどの部分が痛いか、手で探りながら歩く。　　　　ところが、そんな時は痛みが出ない。　　　　　腰が入って、姿勢が良いから出ない。   　　昼間、高い脚立にのぼって松の剪定作業。　　　ほとんど違和感がなかった。　　　　それを終えってからの洗濯物の取り入れ。　　　　　下の籠に洗濯物を入れる時に、違和感・・・　　　　　　腰がUの字形になる。   　　お風呂の浴槽をスポンジで洗ったあと、　　　かなりの違和感が腰に残った。　　　　この作業は、更に腰を深く曲げるからだ・・・　　　　　たった一度の不注意が、後まで糸を引く。   　　自分で根本的に直すのには、　　　娘に教えてもらったヨガ体操を、　　　　１時間ほどやると治る。　　　　　それでもダメなときはもう一日かけて・・・  　　Level　１　シ－クエンス　１　アパジャパ　２　スッカアサナ　３　マールジャーラアサナ　４　子どものポーズ　・・・・・・　２０ パスチモッターナサナ　２１ シャバーサナ　２２ ソー　ハム  　　これを通しでやると、汗が出て来る。　　　体の筋肉がガタガタになる。　　　　　全身に疲労感がある。　　　　　体のあちこちが伸びきった感じ。  　　　そして体が、本来の正しい位置に戻る。　　　　早くやればいいのだが、　　　　　なかなか時間が掛けられない。　　　　　　特にやらなくても、何とかなっているから。  　　アンチエージングを目指すためには、　　　不具合な状態をできるだけ、無くす・・・　　　　分かっているが、思い通りに行かないのが、　　　　　私の、また、　悪い癖でもある・・・  　　　  　　

  2012.10.09

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• 出番まであとわずか　　～～最後の追い込み～～

   　　１４日の桜木町敬老会での口演まで、　　　早いもので、もうあと１週間余となった。　　　　「巌流島」は、いまはipodを聴かず、　　　　　口ずさみながら、散歩している。  　　今朝の早朝練習で、のべ２２２回目。　　　言葉やシーンも途切れることなく、　　　　自然体に展開していく。　　　　　本番への恐れはもう消えている。   　　如何にして、その時の情景を浮かべられるか？　　　如何にして主人公と同化していただけるか？　　　　心情面から、食い込めるような口演にしたい。　　　　　ためには、一所懸命全身全霊を込める・・・   　　炎、秩父恋歌、俵星玄蕃の順で、　　　毎日歌も歌っている。こちらも順調。　　　　歌詞にどれだけの想いがこめられるか？　　　　　此処がこれからの課題。    　　　　２８日うらら秋祭りでの、　　　　「阿武松緑之助」口演に向けた、 　　　　　取り組みも並行して行っているが・・・　　　　　　まだまだ、波がある・・・  　　　　２日の夜練習　　　所要時間　２3分36秒03　　で順調。   　　 ３日の夜練習　　　所要時間　２５分２８秒１３　　　　「暇を告げて表に出た」のフレーズが出ず。　　　　　　空白も生まれた。　　　　　　　　　失敗の部類に、明らかに入る。　　　　　　　　　　本番でなくてよかった。   　　　４日の夜練習　　　所要時間　２４分０７秒０９　　　　　　絶好調。　　　　　リズム、間合い、言葉良し。　　　　　　本番モード   　　　まあ、こんな具合である。　　　いずれも丸型の桐下駄を履いての練習。 　　　　鼻緒も大分、足の大きさになじんできて、　　　　　履き心地が良くなった。   　　足先を入れるのも、スムーズ・・・　　　３０分間履いていても、　　　　当初あった、指の付け根の痛みはない。   　　　まだ歌練習の時に、履いてはいない。　　　　俵星玄蕃は片足立ちの所作があるので、　　　　　よろけてはいけない。   　　明日からは、　　　人情話と歌３曲の通し練習を、　　　　　桐下駄を履いたまま行おう・・・　　　　　　時間にして、４０～４５分。　　　　　　　いよいよ、最後の追い込みだ・・・　　　　　　　　　　  

  2012.10.06

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• いよいよ１０月　　～～２回の出番に備えて～～

   　　月日の流れは速い。　　　あっというまに１０月に入った。　　　　今月は２回の出番がある。　　　　　万全の準備だけは怠らぬ様に・・・  　　一昨日１４日の敬老会の再確認があった。　　　私の必要なものは、スタンドマイク１本のみ。　　　　これで人情話１本に、唄が３曲。　　　　　４０～４５分程度の口演となろう。   　　１１時からセレモニー。　　　約３０分後から私の出番。　　　　出番の４０分前には会場入りが必要。　　　　　１０：５０には公会堂に到着の必要あり。   　　場所は、電話で聞いたことと、　　　グーグルアースで凡その位置をチェック。　　　　まだわかりきらないので、　　　　　事前に車で現地を確認しておく必要あり。   　　会場入りして、ギターやギタースタンドを出す。　　　調弦及びスタンドのセッティングで１５分。　　　　着物と袴に着替えるのに１５分。　　　　　出番１０分前には、すべて終える・・・   　　人情話の「巌流島」は、　　　今朝の散歩練習で２１８回を数えた・・・　　　　これだけやっても、　　　　　ipodのリード無しでは完璧には出来ない。　　　　　　当日は真剣勝負・・・   　　自分の持っている力が１００％発揮できて、　　　初めて合格・・・　　　　これがなかなか難しい・・・   　　２８日の介護老人保健施設での秋祭りは、　　　３グループの中の１番バッターと決まった。　　　　１時半からセレモニー。　　　　　１：３５～２：００までが私の持ち時間。  　　２５分以内での、　　　阿武松緑之助口演の約束。　　　　それを実現するべくの練習の状況は、　　　　　次の通り・・・   　　　24日　２５分４９秒０６　　 　　　２６日　２３分５２秒５６　　　２９日　２４分０７秒０９　　　　　３０日　２５分２７秒９０　　  　　　秋祭りは人情話１本のみ。　　　　２５分未満で済んでいる時は、　　　　　どこもトチらずに、流暢に流れた時。　　　　　つかえたり、言い直したりすると遅れる・・・　　　　　　もう一息・・・   　　私を応援し、御助言をいただいている方から、　　　今回の口演用にと、未使用の珍しい履物を　　　　お贈りいただいた。　　　　　全く以てありがたいこと・・・　　　　　　ご期待に応えるためにも、全力投球！     

  2012.10.02

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  頼もしい助っ人　　～～ipodmini～～

   　　人情話に取り組んだ当初は、　　　　カセットデッキのついた機器で、　　　　浪曲のテープを聴き、　　　　　そして、テープ起こしをした。   　　従って練習場所は、　　　テープ再生機器のある所に限られていた。　　　　ところが、あるとき娘から、　　　　　　　「もう使わないから、あげる」と、　　　　　　手渡されたものが、このipodmini。    　　最初は様子が分からず、不慣れだった。　　　試行錯誤しながら使う内に、　　　　とても機能が充実している事が分かった。　　　　　しかもコンパクトで軽量。　　　　　　胸ポケットに収まるし、　　　　　　　　　Tシャツジーンズでは、　　　　　　　　ベルトとズボンの間に差し挟める。     　　私の様な機械音痴でも、何とか使えた。　　　私の欲しい機能は、　　　　○　CDからインポートできる　　　　○　再生の頭出しが簡単　　　　○　たくさんの数の楽曲がストックできる　　　　　　　　これをすべて満たしている。   　　一昨日、浪曲の収録曲を一気に増やした。　 　しかし全部の音楽と浪曲ができたわけではない。　　　ituneにインポートしてあった楽曲や浪曲は、　　　　かなりのものにのぼって、容量不足の表示。   　　そこて、音楽も、浪曲も必要最小限に絞った。　　　試してみると、同期が可能と表示された。　　　　一気に実行に移す。  　　その結果、収録された浪曲は以下の通り。 　　  　　「以前から入っていた浪曲」 　　京山幸枝若二代目：「会津の小鉄」、　　　　　　　　　　　　　　　　　　「阿武松緑之助」　　広沢虎造初代：「忠治ふたり」　　天中軒雲月四代目：「武田信玄」、「巌流島」　　梅中軒鶯堂：「紀伊国屋文左衛門」、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「恋の大津絵」  　　「新しく入れた浪曲」 　　一龍斉貞丈（講談）：「恩田木工」、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「柳生２蓋笠」　　　吉川　秋斉：「水戸黄門漫遊記」　　三門　博　：「男の花道」　　鹿島秀月　：「伊達騒動」　　寿々木米若：新佐渡情話　　春日井梅鶯：「雪の南部坂」、「赤垣源蔵」　　二葉百合子：恋のぼたん　　浪花亭綾太郎：「壺坂霊験紀」  　　名人と言われた方々の、　　　バラエティーに富んだお話を、　　　　存分に楽しむ事が出来る様になった。   　　　集中して覚えたい時には、　　　朝の散歩の時に聴けばいい・・・ 　　お話の流れを楽しむだけならば、　　　バラ消毒、除草作業、片付け等の時間に、　　　　６つぐらい続けて聞くことができる。　　　　　音楽も含め１０時間分くらい入っている。　　　　　　飽きることなく、時間をかけて楽しめる。  　　ipodminiは、全く以て、　　　力強い助っ人である・・・　　　　私の人情話進化への必需品となった・・・　　　　　   

  2012.09.28

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• 阿武松緑之助　　　＾～何とかなりそうな気配～～

    　　　　10月28日に備えて、　　　タイムを測定しての「阿武松緑之助」口演練習。  　　25分以内で・・・。その続きの結果は  　　○　9月22日　練習5日目　　　　　　28分07秒06　　つかえ途中2回  　　○　9月23日　練習6日目　　　　　　23分55秒66　　メリハリをつけて、行えた。　　　　　　　　　　　　　　　  つかえは少々のみ。   　　大体このような進捗状況。　　　口演所要タイムの固定化は出来ないが、　　　　昨日の口演で少々納得ができつつある。　　　　　こんな調子でやればいいのかな？？？　　　　　　この程度の段階になって来た。　　　　　　　まずは一歩前進。　良かった。   　　10月14日に向けての「巌流島」口演練習。　　　こちらは今朝の散歩で、210日目となった。　　　　敬老会の町会役員さんより、　　　　　「楽しみにしている」とのお言葉を　　　　　　頂いているので、内容を充実させねば・・・   　　歌の方は、　　　「秩父恋歌」の前奏部分に、　　　　不必要な音を弾いてしまったり、　　　　　多少の不安が残っていた。　　　　　　そこを繰り返し練習したお蔭て、　　　　　　　昨日はそれが解消した演奏ができた。   　　他の2曲はいつでもＯＫの段階。　　　人情話と歌で、40分以内という事を守り、　　　　楽しんでいただけそうな方向が見えた・・・   　　ただ、「会津の小鉄」の歌や、　　　「大利根無情」などの歌は、まだまだこれから。　　　　出し物の持ち歌を増やし、　　　　　早く安心して披露できるようにならねば・・・   　　それに、新田次郎作「武田信玄」の音読。　　　第２巻が９０ページまで進んだ。　　　　物語は、今川義元が西上を図る為に、　　　　　大軍を率いて、織田信長と一戦を構える。   　　信長は、千騎未満の決死隊を率いて、　　　桶狭間で義元を待ち受け、　　　　敵の本陣を襲い、見事義元の首を奪う。　　　　　歴史の時間に習った、　　　　　　有名な桶狭間の合戦。　　　　　　これが臨場感を持って、当時が蘇る様・・・  　　ただ、信玄の命を受けた山本勘助が、　　　今川義元の援軍となりながら、　　　　信長の家来に、　　　　　義元の本陣のありかを伝えて、　　　　　　義元を討たせた展開があった。　　　　　　  　　　　歴史を伝える書は、　　　細やかに書かれている訳ではない。　　　　作家の想像力によって、多くが補われる。　　　　　この様なことが起り得たのかな？　　　　　　難しいだろうなと思ったのが率直な感想。   　　しかし今後の展開に興味がわいた・・・　　　信玄の人物像と、腹の内を色々知る上で、　　　　大いに参考になっている。　　　　　口演の際の、よき肉付けとなるであろう・・・     

  2012.09.24

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• 阿武松緑之助　　～～まだ固まってない～～

  　　　京山幸枝若先生の、　　 「阿武松緑之助」口演練習。 　　　　 「２５分以内で口演を収める」という命題。　　　　 　１度目の所要時間測定で、　　　　 余りにもドンピシャリ！　　　　　自分でもびっくりしてしまったが・・・　　　　　　そんな驚く必要はなかった・・・   　　その後測定を繰り返したら、　　　時間がピタリと定まることがない。　　　　つまり実力として、　　　　　固まっていないということ。　　　　　　偶然の、まぐれでしかなかった・・・  　　この様な結論に至った、　　　練習過程を振り返って見る・・・  　　　　　　練習2日目。 　　　25分44秒５０。　　　　前回より約1分のオーバー。　　　　　つかえて言葉が出てこなかった所が3か所。　　　　　　体調不良か？　　　　　　　なにが原因か不明・・・  　　３日目の練習は、　　　一度スタートしたら、　　　　直後につっかえたので仕切り直し。　　　　　もう一度全部おさらいしたら、　　　　　　順調に終える。　　　所要時間は、23分13秒４３。　　　　昨日オーバーしたので、　　　　　超特急になったという事か？？？　　　まあともかく、オーバーするよりは良い。　　　　あとは、間を持たせるところの工夫次第。  　　４日目の口演練習。　　　前半滑り出し部分を２～３か所トチッたが、　　　　所要時間は、２３分５０秒２８。　　　　　今回も、１回目より１分ほど早い。　　　　　　ということは、聴衆の皆さんには、　　　　　　　間が少なくて、　　　　　　　　感情が入りにくい状況・・・　　　　　　　　　まだまだであると痛感・・・    　　さて話変わって、武田信玄の音読。　　　現在は、第２巻の６４ページ。　　　　湖衣姫の逝去、　　　　　上杉謙信との２度目の対峙、　　　　　　今川義元の西上気配、　　　　　　　山本勘助による織田信長探り、　　　　　　　　信玄３９歳にして出家・・・   　　四代目天中軒雲月の、　　　浪曲「武田信玄」では、今半ばというところ。　　　　読書は遅々として進まず・・・　　　　　雨でも降らないとじっくり読めない。　　　　　　この３週間ほとんど晴天・・・  　　図書館借用も、　　　延長、そして再延長をお願いした。　　　　今の所、口演の初演は、　　　　　来年８月４日の予定・・・  　　まだまだ時間があるから、　　　９月末返却予定の図書館本は、　　　　仕切り直しで、また新たに借り出そう・・・　　　　　慌てず騒がず、じっくり取り組もう・・・   

  2012.09.20

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  嘘でしょう！　　～～ストップウオッチが～～

   　　阿武松緑之助を25分以内で口演するために、 　　 日々の練習にデジタルストップウォッチを、　　　使って確認することにした。   　　そのために、先ずそれを買い求めた。　　 驚きました・・・　　　むかしは３千円以上出さねば　　　　買えなかったものが、　　　　　何と１０５円で買う事が出来たのです。　　　　　　 しかも、２個１００円で売っている、　　　　　　　 ボタン電池が、　　　　　　　　テスト用に一つ、ついている。    　　先日テレビかラジオで、　　　「１００円均一店の進化」　　　　「ここまで来たか」　　　　　という様な特集を放送していて、　　　　　　小耳に挟んだ記憶があった。   　　だから、もしかして、　　　「ストップウォッチが置いてあるかな？」　　　　と期待半分で、店内を見渡した。　　　　　 　　有ったんです。　　　レギュラーサイズとスモールサイズの二通り。　　　　性能も良好で、ラップタイムもOK。　　　　　モードでストップウォッチと、　　　　　　曜日時刻表示の２段階。　　　　　　　指定時刻での、　　　　　　　　アラーム機能もついている。     　　「嘘でしょう？」が偽らざる心境・・・　　　感謝の意を込めて、早速設定を済ませて、　　　　その夜、実践に活用してみた。　　　  　 四畳半に閉じこもって、　　 阿武松緑之助をまず一席口演。　　　終了後にストップボタンを押して、　　　　所要時間を眺めたら・・・   　　何と何と！！！　　　本当だろうか???　　　　２４分５０秒２５と表示されていた。　　　　　こんなにピッタリいくとは・・・　　　　　　２５分以内を見事にクリアー。   　　一応、一安心というところだ・・・　　　だが、まだまだ油断は禁物・・・　　　　とにかく実践を積み重ねて、　　　　　所要時間の記録を蓄積せねば・・・   　　

  2012.09.16

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• 「うらら」秋祭りに参加確定！

   　　「巌流島」の稽古が、　　　今朝で、１９８回となった。　　　　「鍛」即ち「千日の修業」を目指しているが、　　　　　その５分の１に達する。   　　「まだこれだけか」という考え方と、　　　「もうここまで来たか」という考え方と、　　　　二通りがあろうが、　　　　　私にとっては、後者が当てはまる。　　　　　　高く遠い目標だけに、　　　　　　　ここまで来られたと言う喜びが大きい。   　　新田次郎氏の「武田信玄」の朗読は、　　　ようやく、３巻中の第１巻が終えたところ・・・　　　　緩やかなペースにとどまっている。　　　　　今川、北条、武田で３国同盟を結び、　　　　　　上杉謙信率いる越後勢と、　　　　　　　　　犀川を挟んで対峙したところ。  　　双方とも１万人以上の大軍を出動をしながら、　　　相手の手の内、腹の探り合いをしながら、　　　　半年近くのにらみ合いが、長期戦となった・・・　　　　　将来は京を目指そうという信玄にとって、　　　　　　２０代前半の謙信の出現は脅威・・・　　　　　　　足かせとなりつつある・・・   　　さて今日の本題に入ろう・・・　　　介護老人保健施設「うらら」さんの、　　　　秋祭りで、口演する事が決まった。　　　　　２５分の時間という事で、　　　　　　二代目京山幸枝若先生の、　　　　　　　阿武松緑之助に挑戦することにした。   　　期日は、１０月２８日の日曜日の午後。　　　自分が出演する時間はまだ未定で、　　　　詳細は後日連絡をいただくことになった。　　　　　当日は私以外にも、出演者があり、　　　　　　バラエティーに富んだ一時になるそうだ。    　　CDに録音されている「阿武松緑之助」は、　　　全部で２６分４４秒だ。　　　　これを２５分に収めるのには、　　　　　１分４４秒の短縮を図る必要がある。   　　どこかの部分を省いて口演すれば、　　　一番確実である。　　　　しかし、それでは話のつながりが不自然・・・  　　次の手としては、CDよりも早くしゃべる・・・　　　それでなくても、　　　　二代目京山幸枝若先生の口演は、　　　　　他の浪曲師に比べて、スピィーディー・・・　　　　　 　　どこの間を短くして、　　　どこを早くしゃべれば短縮が可能となるか・・・　　　　今から４５日間をかけて、　　　　　実践を繰り返しながら、　　　　　　いつでも２５分以内で出来る様に、　　　　　　　身に着けて行こう・・・  　　新しい目標が出来て、また楽しみが増えた・・・　　　お声掛けをいただき、大変ありがたい・・・    

  2012.09.12

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• どうすれば可能かな？

   　　夕方、突然の電話。　　　口演の打診・・・　　　　時は10月28日で、全くOK。　　　　　ある施設の、秋祭り。　　　　　　出演予定者は３組。    　　一組の持ち時間が、25分。　　 ここがネックとなった。　　　私の人情話は、大体30分が基本で、　　　　それよりちょっと長いか短いか？   　　時間が短いので、アコギによる歌は無し。　　 人情話の何が可能かである。    　　お話をいただいた施設では、　　　過去3回で、2本の人情話をさせて頂いた。　　　　同じ出し物では、一度聴いた人には失礼。　　　　　かといって、時間を短くするために、　　　　　　人情話の一部を削るわけにはいかない。　　　　　　　出演は十分にしたいが・・・　　　　　　　　困った　(-_-)/~~~ピシー!ピシー!   　　結局即答ができなかった。　　 また明日改めて電話をいただく事となった。　　　それまでにどうするかを、決めておかねば・・・   　　さっそく、今自分にできる出し物を調べた。　　　紀伊国屋文左衛門　　２７分５８秒（CD記録）　　　追分三五郎　　　　　　 4０分（推定）　　　恋の大津絵　　　　　　 ２８分１５秒（CD記録）　　　忠治ふたり　　　　　　　３６分２４秒（CD記録）　　　名月赤城山　　　　　　 ３７分（推定）　　　巌流島　　　　　　　　　 ２６分１６秒（CD記録）　　　武田信玄　　　　　　　　２８分２６秒（CD記録）　　　阿武松緑之助　　　　　２６分４４秒（CD記録）  　　　この中で1番短い「巌流島」は、　　　　近隣の町会の敬老会で、　　　　　10月14日に口演する予定なので除く・・・  　　次に短いのが、阿武野松緑之助。　　 第6代横綱の青年時代の物語。　　　2代目京山幸枝若の、　　　 高速な喋りと、高音の語りや名調子。　　　　　余り早くは出来ないが、　　　　　正味25分ならぎりぎり可能か？   　　今から一月半あるので、訓練次第で・・・　　 実際の口演も、　　　他の施設で口演経験一度あり・・・  　　これで行こうと、もう腹を決めた。　　 あとは明日の電話を待つばかりである・・・    　　　    

  2012.09.08

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• 京山幸枝若　～～会津の小鉄～～　 歌

       武田信玄の朗読は、やはり遅々として・・・　　　今は、第１巻　３３０ｐ。　　　　物語は「林の巻」に入った。  　　信濃の守護職　小笠原氏を・・・　　　又、北信濃から村上義清を追い落とし、　　　　信玄の目は、駿河から京へ・・・  　　一方、信玄に命じられ越後に潜伏した勘助、　　　謙信の人となりを、4年かけて探り帰った。　　　　謙信は若き天才。　　　　　必ず信玄に矛先を向けて来ると・・・　　　　　　信玄の思惑が外れることになる・・・  　　また、この頃正妻三条氏の嫡子義信と、　　　今川義元の娘於津禰との婚礼が行われた。  　　だが、晴信の心は側室湖衣姫の子勝頼に・・・　　　　　 　　　物語は、早や後半戦か？　　　　佳境に入りつつある・・・      　　ところで・・・ 　　しばらく、二代目京山幸枝若先生の、　　「会津の小鉄」の浪曲を、何故か聞いていた。　　　そこへ、さる人から余興の唄のお勧め・・・　　　　曲名が「会津の小鉄」。　　　　　「ちょっと練習してみたらいかが　！」  　　浪曲を主題にした、唄が唄われているとは・・・　　　早速ネットで調べてみた。　　　　先代京山幸枝若の十八番として、　　　　　たくさんの動画が乗っていた。  　　その中で「MP３　TUBE」という動画があった。　　　　ヤフーサイト　→　こちら　　　映像も歌詞も表示されず、伴奏と歌のみ。　　　　詳細情報を見ると、　　　　　幸枝若本人が唄っているとの書き込み。　　　　　　他と声がちょっと違うので、　　　　　　　もしや二代目が・・・   　　何回か聞くうちに、少し曲想が分かって来た。　　　歌詞のはっきり聞き取れない所があるので、　　　　検索してみたら、これが良く出ていた。　　　　　goo音楽　歌詞情報　→　こちら  　　〽　梅の浪花で　初声上げて　　　　 度胸千両の　江戸育ち　　　　 ・・・・・ 　　　　浪曲の出だしと、唄とが全く同じ文言・・・　　　　　親しみやすい曲だった。　　　　　　この歌詞を見ながら、　　　　　　　MP3の歌唱を聴く。　　　　　　　　知らない歌を覚える早道・・・　　　　　　　　　今の便利な世の中が、有難い・・・   　　一緒に歌ってみるとよく分かる。　　　全体のキーが高い。　　　　初代のキーとも違うし、　　　　　カラオケの歌いやすいキーとも違う。　　　　　  　　ちょうど浪曲「会津の小鉄」で聴かせる、　　　あの名調子の、高いキーとほぼ同じ。　　　　推察が確信にまで高まった次第である。　　　　　 　　原音キーと同じ調子で、覚えたいものである。   　　歌えるようになったら、その段階で、　　　コード伴奏譜を調べてみよう。　　　　今の段階では、何処にも手がかりはない。　　　　　まずは、第１歩を今日踏み出したところだ・・・      　　　　　　　　　　　　

  2012.09.04

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• 心に沁みた言葉

   　　   今朝の散歩で、「巌流島」が１７８日目。　　  千日の稽古が如何に遠いものであるか、　　　  挑戦してみて初めて実感できる。   　　新田次郎氏の「武田信玄」の朗読、　　　約１５０ページ。林の巻までは、道半ば。　　　　天文１１年、晴信が佐久攻略に乗り出し、　　　　　禰津家の息女里美と、　　　　　　諏訪家の湖衣姫を息女にしたところ・・・   　　天中軒雲月の「武田信玄」でいえば　　　「明けて天文１１年」　　　「諏訪攻略を開始する」　　　「次から次へと勝利を納め」　　　「向こう所に敵は無く」　　　　　　の場面に該当する・・・   　　夏休みの宿題に関しては、　　　その後、寿々木米若の「新佐渡情話」       　　　　　　鹿島秀月の「伊達騒動」、　　　 　　　　　　　浪花亭綾太郎の「壺坂霊験紀」を聴いた。   　　伊達騒動を聴いた折、      ふと耳にした、鹿島秀月先生のエピソードを思い出した。　　　　　　「師匠は一体いくつ題材をお持ちですか？」　　　　　　　　　の問いに　　　　　　　　　　「そうですね。１００題くらいですかね」 　　　　　　　　　　　と、平然と自然体で答えられたそうです。　　　　　　　　　　　　今から４０年前も昔・・・  　　　このエピソードから、　　　　秀月先生というお方は全く凄い人だと、私は驚きました。　　　　　「人様の前で、１００話も・・・」　　　　　　素晴らしい記憶力の持主であり、　　　　　　　それにふさわしい努力家であったのでしょう・・・  　　また、寄せ書きに、　　　「厳しさに定年のない芸道」　　　　と、いう言葉を書いた事があるそうです。　　　　　プロの神髄を物語る、凄い言葉です。　　　　　　他人には真似のできない精進を、　　　　　　　人目に付かない所で、自分に鞭打って・・・　　　　　　　　　  　　　そんなお人柄が偲ばれます。   　　素人であるからこそ、プロの神髄から学ばねば・・・   　　

  2012.08.23

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• 出番依頼　　　～～朗報続く～～

   　　　　数日前、８月４日の十二社神社祭典慰労会での　　　　　口演を依頼された知人から電話をいただいた。　　　　　　　お聴きになられた方々に好評であったらしい。　　　　　　　　　宮司様と相談して、                    来年のお祭りにも是非お招きしたい。　　　　　　　　　　　スケジュールを空けておいて欲しいとの事だった。   　　　　大変ありがたい申し出であり、嬉しかった。　　　　　　特に知人のお母様には、後日拙宅まで、　　　　　　　　わざわざ御礼の御挨拶に来ていただいた。　　　　　　　　　　恐れ多い事でした。　　　　　　　　　　　　　「あんな山の中までよくぞ・・・」　　　　　　　　　　　　　　　　そんな思いが強かったのでしょう。  　　　　その思いに応えて、こちらも準備しておかねばいけない。　　　　　　　出し物は、「武田信玄」を口演する事としよう。　　　　　　　　　まだ相談はしていないが、隣国の事の話なので、　　　　　　　　　　　　身近なテーマでもある。　　　　　　　　　　　　　　　関心もきっとある筈。   　　　　これも四代目天中軒雲月先生の作品である。　　　　　　　今朝の散歩で「巌流島」が１７４回。　　　　　　　　　　それに伴って聞いている「武田信玄」も、　　　　　　　　　　　　　ほぼ内容がつかめてきた。　　　　　　　　　　　　　　　　自分で語っても、９割ぐらいは再生可能。    　　　情のこもった語りをするために、      武田信玄を一読することにした。　　　　　本日早速武田信玄を図書館であさる。　　　　　　　新田次郎氏の作品は、１９８７年に文芸春秋社から、　　　　　　　　　風の巻、林の巻、火の巻、山の巻の４巻。　　　　　　　津本陽氏の作品は、１９９３年に講談社から、　　　　　　　　　上、中、下の３巻。    　　　両氏の作品も、閲覧書棚に全巻そろっている。　　　　　惜しむらくは、文字が小さくて読みにくい。　　　　　　　そこで新田次郎氏の全集の１５，１６，１７が武田信玄。　　　　　　　　　　閲覧場所ではなく書庫に所蔵という事であった。　　　　　　　　　　　　試みに見せてもらう事とした。   　　　平素は２～３分で済む作業が、１０分近くたった。　　　　あんまり申し訳ないので、キャンセルして、　　　　　閲覧場所のものを借りようとしたら、ようやく手元に届いた。    　　　　貴重な努力の結晶なので、自宅に戻り早速読書。　　　　　　　もちろん、宮本武蔵の時と同様に、音読をした。　　　　　　　　　　読み出して約１時間弱、ページにして２０余ページ。　　　　　　　　　　　　倉科の党の馬術を目にし、　　　　　　　　　　　　　　国外に去った奉行集との再会の場面で涙・・・　　　　　　　　　　　　　　　　なかなかいい・・・   　　　冒頭の出だし　　　　「人は城、人は石垣、人は堀。情けは味方、仇は敵」　　　　「苛烈きわまる戦国の、躑躅け館の主人公」　　　　「武田晴信信玄が、元服すませた初陣の」　　　　「緋おどし鎧勇ましく、手柄をたてたばっかりに」　　　　「父信虎の勘気（いかり）にふれる」　　　　「堪え堪えた五年間」   　　　この辺のいきさつが、薄紙をはがす様に、　　　　　じっくりと、体内に沁み込んでくる・・・　　　　  　　音読とは、これほどまでに情感を高めてくれるものか。　　　　その時、宅急便の訪問で、一瞬のうちに現実の世界・・・　　　　　　　その後は、昼食のサンドイッチづくり・・・　　　　　　　　　今日はこれまで。今後が楽しみである。   　　　もう一つの朗報。　　　　１０月１４日に市内桜木町の敬老会での          口演依頼であった。　　　　　　 町会の役員さんからで、私の知人。　　　　　　　　　さしあたって、約束の取り付けのみ。　　　　　　　　　　　詳細については、後日担当者からの連絡待ち・・・  　　　町会全体の集まりであるので、             やはり「巌流島」にしよう・・・　　　　　もし時間があれば、　　　　　　「秩父恋歌」、歌謡浪曲「俵星玄蕃」、　　　　　　　冠二郎の「炎」を歌おう。　　　　　　　　ギターの暗譜は可能だが、ところどころまだトチル。　　　　　　　　　　こう決めて置いて、今から毎日練習していけば、　　　　　　　　　　　　良い演奏が出来る様になるのではないか・・・   　　　新たな楽しみが、また広がった・・・　　　　　これも身近な方々のお蔭。　　　　　　改めて、深く感謝をしよう・・・  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2012.08.19

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• 　～～久々に涙を流してしまった～～

       　久々に浪曲を聴いて泪したものがある。　　　　例の夏休みの宿題の一つ、春日井梅鶯先生の「赤垣源蔵」である。  　　宿題の中から何を聴いてみようかと思っていたが、　　　人生の大先輩によって、　　　　　お勧めいただいた作品から聞く事にしたのである。   　　　推薦のお言葉の要旨は、　　　　「　巨匠とて、ヒットし大衆の共感を呼ぶのは企画、その物語の内容。　　　　　　　広沢虎造は次郎長シリーズ、　　　　　　　春日井梅鶯は赤穂義士外伝、　　　　　　　初代玉川勝太郎は天保水滸伝、　　　　　　　寿々木米若は佐渡情話、　　　　　　　綾太郎は塩原太助、　　　　　　　等々枚挙にいとまはない。」  　　幸い、友人からお借りした作品の中に、　　　　春日井梅鶯先生の「雪の南部坂」と「赤垣源蔵」があった。　　　　　　　なんとなく、「赤垣源蔵」という言葉に惹かれ、さっそく聴いてみた。   　　討入り当日、兄と今生の別れをしたく、兄の元を訪れるが運悪く不在。　　　ここの場面は、忠臣蔵で有名な「徳利の別れ」ということを、後で知った。　　　　　涙が出たのは、兄が戻ってきてから、　　　　　　　下男に命じて源蔵の活躍を確かめさせたこと。　　　　　　　　　　源蔵と下男が面会でき、　　　　　　　　　　　　二人で交わした会話などのシーンであった。   　　　初めて聴いたものであるが、　　　　　登場人物も4～5人で、内容が分かりやすい。展開も良い。　　　　　　　人の心情に訴える力がある。   　　　後日、じっくりと聴き、　　　　　最終的には、自分の出し物の、一つになれば幸いである。   　　　これもそれも、私を取りまく方々のお蔭があればこそ・・・　　　　　すぐれた作品との出会いに、改めて感謝したい・・・         

  2012.08.15

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• 楽しみな宿題

   　　高校・大学を通しての友人から、　　浪曲のCDをたくさん貸していただいた。　　　　自分が浪曲好きで聴くために買い集めたとの事。　　　　　　　夏休みに当たる８月いっぱいまでの期間中まで貸してくれる。　　　　　　　　　洋山の新しい口演出し物の発見。　　　　　　　　　　　また、口演の際の参考資料として活用してほしいとの事。　　　　　　　　　　　　　誠に有難い申し出である。　　　　　　　　　　　　　　　　還暦を過ぎて、初めての楽しい夏休みの宿題。    　　CDにして２８枚分。　　　　男性浪曲師８人で、出し物数は３２。　　　　　　女性浪曲師７人で、出し物数は１４。　　　　　　　　講談師１人で、出し物数は２。　　　　　　　　　　それに、津軽三味線、河内音頭、鶴田浩二の歌　　　　　　　　　　　　自分が好きで聞いているものだとの事。    　　それにしても凄い。　　　　人情話を目指している自分が１０枚分にも満たないのに・・・　　　　　　こんなにもたくさんのものを用意して、聞いていたとは・・・　　　　　　　　中には、人生の大恩人から勧めていただいた、　　　　　　　　　　浪曲師の出し物もいくつか含まれている。　　　　　　　　　　　　探しても見つからないものが、天から降ってくるとは・・・　　　　　　　　　　　　　　　なんという幸運。   　　　有難さを噛みしめながら、さっそく聴いてみよう・・・　　　　１日に４つの出し物を聴いても１３日ぐらいかかる。　　　　　　一つの作品が、３０分弱であるから、ほぼ２時間。　　　　　　　　　やりがいのある楽しい時間となりそうだ。  　　　友人には、「情届士洋山　誕生と挑戦」というＤＶＤを、　　　　　作ってもらった過去がある。　　　　　　　私の生き方が面白いと、自分の趣味の一環として製作。　　　　　　　　　出来上がった作品のＤＶＤをたくさんいただいたので、　　　　　　　　　　　それを私の紹介として、市内のボランティアに関わる所へ、　　　　　　　　　　　　　配布させていただいた。　  　　　日ごろから私の活動を支援していただいている有難い友人である。　　　　　今回も感謝しながら、宿題を楽しもう・・・        　　　　　　　 

  2012.08.11

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• 人情話　　～～新出し物　「巌流島」初披露～～

   　　　８月４日は、秩父市浦山の十二社神社の例大祭。 　　　そこに招かれ、祭典関係者の方々に、　　　　「巌流島」を聴いていただいた。　　　　　　　出番は祭典終了後の１２時頃であり、　　　　　　　　　出演のお話を伺ったのは、その３時間前の９時頃であった。    　　６月に３か所で口演をする機会があったが、７月はチャンスが無かった。　　　　８月も予定なしという状況で、一も二もなく引き受けた。　　　　　　然し困った。何をやろうか・・・　　　　　　　　平素なら、事前に予定が組めるので、　　　　　　　　　　たっぷり事前練習をして本番に臨めるのだが・・・　　　　　　　　　　　完全に練習不足。　　　　　　　　　　　  　　しかも、人情話の持ち駒７つの復習を全然していなかった。　　　また、出演のお話をいただいた方には、　　　　　「野狐三次」「越後伝吉」「紀伊国屋文左衛門｝の３つを聴いてもらっている。　　　　　　　こうなれば、今、毎日稽古に励んでいる、　　　　　　　　　四代目天中軒雲月先生の「巌流島」しかない。   　　　まだ、人様の前では一度も披露したことのない作品を演じる事にした。　　　　　なんとかなるかもしれない気持ちはあったが、同時に不安もあった・・・　　　　　　忙しく、衣装一式を準備して、１０時には家を出た。　　　　　　　　まだ一度も行った事の無い所なので、　　　　　　　　　１１時半着の予定を、３０分ほど早めた。　　　　　　　　　　　　車内で簡単なおさらい・・・。　　　　　　　　　　　　　　２０分ほどで、旧浦山小学校跡地に着き、駐車。    　　　そこから衣装箱を持って、２０分ほど坂道を登り十二社神社を目指す。　　　　　途中で参拝の方々と一緒になり、不安なく１１時前に現地到着・・・　　　　　　　　お茶を一杯飲んだら、祭典開始の知らせ。　　　　　　　　　　　宮司さんから勧められて祭典の隅に参列、　　　　　　　　　　　　　玉串の奉てんもさせていただいた。　　　　　　　　　　　　　　　約３０分間の静かでおごそかな一時であった。   　　　　祭典終了後の宮司さんの御挨拶の中で、　　　　　　慰労会の席に浪曲を演じてくれる方をお招きしてあるとの紹介があった。　　　　　　　　その席には、神職の方々、地区の方々、参拝の方々など、　　　　　　　　　　　　　　２５名の皆さんがおられた。  　　　慰労会が進んでいる内に、会場の隅にて、忙しく着替えを済ます・・・　　　　　予定通り、１２時から口演させていただいた・・・　　　　　　　　今朝までの練習が、１５８日。　　　　　　　　　　本番の真剣勝負が、１５９回目となった。　　　　　　　　　　　　結果は、無事に全ての内容を、演じ切る事ができた。    　　　本来はもっと楽しく、どんどんお酒やビールを飲んで頂くはずなのに、　　　　私の３０分の口演がそれに水を差す形となって、申し訳なかった・・・　　　　　　終わった後には、「声が良いこと」と、　　　　　　　　「長い出し物の内容を良く覚えていること」をほめていただいた。　　　　　　　　　　　  　　　お声掛けをいただき、それなりに責任が果たせ、有難いことであった。　　　　　前夜はナデシコの応援で深夜三時まで起きていた・・・　　　　　　　　電話をいただいた時は、体も頭も若干もうろう状態・・・   　　汗を拭き拭き坂道を登ったことと、　　　　　厳粛な十二社神社の霊気と御神徳のお蔭で、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　心がシャキッとなった。  　　１歳年上の秩父神社の権宮司様にも、　　　　「非常に若い」とお褒めの言葉を戴いた。　　　　　　皆様に喜んで頂けたことは、何よりの収穫であった・・・　　　　　　　参加者の中には、　　　　　　　　　亡くなった私の義父・義母と知己で、　　　　　　　　　　　お世話になった方とも話ができた。   　　　色々な御縁を深めることができ、有意義な一日となった。　　　　　口演機会のきっかけ作りを戴いた浅見様に、改めて感謝・・・   　　　然しながら、まだまだ未熟・・・　　　　　ただ、全体を通して間違わずに口演できただけの段階・・・    　　　口演の内容に感動し、喜んで頂く為に　　　　　千日の稽古に対して、さらに精進しなければ・・・     　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2012.08.07

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• 参考と本気の違い

  　 　　昨日は珍しく、寝坊で朝の長散歩と「巌流島」の稽古は無し。　　　　一日グデグデしていたので、稽古のケの字もない一日だった。   　　今日は、予定通りに「巌流島」の朝稽古が進み、１５６日目となった。   　　ところで、散歩の時間が１時間以上という事で、　　　　「巌流島」を聴く時には、そのあと「武田信玄」も必ず聴いている。　　　　　　しかしこれは、必ずものにするという「本気」の姿勢でなく、　　　　　　　　　「参考」として雲月の他の作品も聴いておこうというものであった。   　　昔から、「門前の小僧習わぬ経読む」ではないが、　　　　ipodから流れる四代目天中軒雲月の名調子に合わせて、　　　　　　　一緒に口ずさむことができる様になっていたから、　　　　　　　　　　どのくらい自分のものになっているのか試してみた。   　　即ち、BGMはなく、完全にアカペラで調子や台詞に挑戦したのである。　　　　完全に覚えている状態を１０とすれば、　　　　　　　事前の私の予想では９割以上が、　　　　　　　　　　体の中に沁み込んでいると思っていた。   　　ところが結果は惨憺たるものであった。　　　　１０のうちの５にも満たなかった。　　　　　　　既に、１５０回以上聴いていたのに、まだまだこれだけか・・・　　　　　　　　　　本気で聴いた「巌流島」は全て、再現することができるのに、　　　　　　　　　　　　　参考で聴いたものは、欠落するものが多かった。  　　まず大きく欠落して出てこなかった節の部分は、　　　　　五日が過ぎて十日たち　　　　　城を囲んで城中の　　　　　食糧尽きるを待つ作戦　　　　　信虎士気を鼓舞するも　　　　　　　　雪と寒さに千曲の川は　　　　　吹雪く夜半の厳しさは　　　　　敵方よりも我が方が　　　　　風邪を引いたり凍傷に　　　　　かかる兵士の数多く　　　　　威勢をかった敵兵も　　　　　足も手も出ず敵味方　　　　　今は声なく時をまつ   　　　これほどまでに大量の部分が頭から出てこなかった。　　　　　　実際の口演となれば、ここで凍り付いてしまい、失敗となる。  　　　そのほかにも、出だしの部分や週末の部分に、　　　　　あやふやな文言や、節回しがたくさんあった。　   　　何事も、自分のものにするためには、　　　　「本気」で取り掛からねばならぬ事が、体験を通してよく分かった。　　　　　雲月の「武田信玄」も真によい作品。　　　 　　これからは、「参考」でなく、　　　　巌流島と並行して「本気」で取り組んでいかねば・・・      

  2012.08.03

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