ソープワートの思い出
アロマの本をなにげなく読んでいて・・・ふと母との会話を思い出した。それは、以前、薬草園にいった時のことだ。冬だったので、あまりハーブにはお目にかかれなかったが、温室でソープワートを見ていたときだ。(ソープワートという植物は、植物の液が石鹸の様に泡立ち洗浄力もあるので、その名前からきている)私は、ソープワートなんて植物は、図鑑の中でしかお目にかかったことがない。本での知識はあり、繊細な布地を洗うのに適していて、今では博物館などに展示してある貴重な着物などを洗うのに使うということぐらいしかしらない。私は母に、知ったかぶりをして、「これ石鹸の代用に使えるソープワートという植物なのよ。」といった。すると母は「まあ、懐かしい」という。私は「へ??知ってるの?」と聞くと母は「そうよ、戦時中は石鹸なんかあまりなかったから、こういうもので洗ったものよ」と答えた。そして、逆に「あなたこそ良く知ってたわねえ」と感心されてしまった。ふーん。それにしても、薬草っていうのは奥が深いなあ・・・と思う。下手に、アロマの資格なんかもっている私よりも、母の方がずっと実践的で詳しかったわけである。幼年時代を戦争で何もない時代に育った母は、野いちごを食べたり、薬草で傷を治したりしてすごしたわけで・・・超実践的なのもうなづけた。机上の空論とは・・・私のことか・・・つくづく感心した次第だ。