　「○○○○のキャップがない」
　数日前、帰ってきたパートナーが、開口一番にそう言い出した。

　○○○○とは、車のエンジンルームにあるエンジンを冷やすための、お水が入っている入れ物とのこと。でも、実家で乗っている車の車種さえ覚えられない私には、その部品の名前など覚えられる訳もなく・・・。以後、アレなどソレなどと呼ぶかもしれません

　２～３ヶ月前に車検に出した時にでも外して、付け忘れたのでは

と、原因は推測されたのだが、とりあえず何かキャップを探す必要が有ると言うのだ。
　車の部品がないのなら、私だったら車屋さんやオートバックスってイメージしかないが・・・

家の中でキャップを探すことになった。
　その結果、何種類か蓋を外し、持って降りたがどれも合わなかったらしい。

「ラップして輪ゴムしとけば

」
　プラスティックでいいのならばと、そう言うと呆れられた・・・

お水が蒸発しなければいいのなら、それでいいじゃん

って・・・
　結局、この日はこれでこの話しは終わったのですが・・・。

　昨日、夕食前にホームセンターへと向かうので、
「何、買うの」って、聞いてみると、紙に受け口の型を取って来たらしく、キャップ探しに来たのでした・・・

　鍋やお皿などばかり見ている私に・・・
「お前、探す気ないやろう

」
　えっ

やっぱり考えてることは、バレバレなのね

へへへ・・・
　一緒に店中を一回りして、それらしいところは念のために２回見てから、彼は諦めたみたいだった。

　そして今朝、また懲りもせずに「蓋を探して」って言い出した。
　粘り強いと言うか・・・。少々しつこいって思いながら、洗面台の下やストックしている食品類をしょうがなく探していると。
　ハーブの蓋が合いそうだと気づいた

だが、香りが命のハーブ

蓋がなくなると・・・。そう思いながら、彼に見せると。

「おお

これや

これ

」

　テンションがあがる彼に、嫌だなって、どうしようと内心は思ってました。
　同じサイズの蓋を慌てて探していると、終わりそうな味塩のビンがハーブのビンと同サイズだってことに気づきました。ハーブの蓋は茶色で普通の蓋なのに対し、味塩の方は上部がパカッと開いて、そのまま外さずに塩が振れる変わり者で、しかも彼の嫌いな原色のブルー。

　案の上、嫌な顔をされました・・・

「これは駄目

」
　私は強引にハーブの蓋を奪い取った。だって、ラップをしてもハーブの香りは飛んじゃうもん