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制作=2015年 日本映画。配給=東宝・ギャガ。上映時間=126分。監督=是枝裕和。 原作=吉田秋生。脚本=是枝裕和 出演=綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、加瀬亮、樹木希林、リリー・フランキー、風吹ジュン、堤真一、大竹しのぶほか 鎌倉を舞台に、4人姉妹の日常を淡々と描いた作品。 谷崎潤一郎の「細雪」と相似形のドラマですが、内容はかなり違います。 谷崎作品は、豪華絢爛たる芦屋絵巻でした。 本作は、鎌倉絵巻というには淡彩画すぎるでしょう。 主演の4人、いまの邦画界を代表する若手女優ということです。 が、私の偏った好みのせいでしょうか。 前半はかなりバラツキがありました。 圧倒的に存在感があったのが長澤まさみ。 次いで4女の広瀬すず。 3女はビジュアル的に受け入れられませんでした。 特に左手で箸を使う女は、私がもっとも嫌悪するものです。 綾瀬はるかも、長澤まさみの前では、影が薄い存在でした。 普通ではない環境の中で、若い姉妹がどんな思いで生きていくのか。 興味深い設定です。 ちょうど真ん中あたりで、上の3姉妹の実母が登場します。 ここからドラマチックな展開になるのだろう、と予想しました。 しかし、期待は裏切られたのです。 相変わらず、小さなさざ波しか起きません。 それが悪いとは言いませんが、もう少しドラマチックな展開がほしいです。 当然、小津安二郎の世界を思い出しました。 谷崎の「細雪」と小津の世界。 二つの巨大な山の狭間で、監督はどのような道を選んだのか。 私には、中途半端なあぜ道としか映りませんでした。 と言って、駄作ではありません。 物足らないところは多々ありますが、静かな感動を呼びます。 後半になって、4人の女優がそれぞれ光を放ちます。 ラストも余韻が残り、いいエンディングでした。 鎌倉の四季、もう少し色が欲しかったですが、まあいいでしょう。 すべてが静謐の中で終わります、ドラマも景色も。 波乱の予感が予感で終わる、作者の狙いはそこにあったのでしょうか。 いろいろケチをつけましたが、見て損はない作品です。
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最終更新日
2015年06月23日 09時16分58秒
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