カテゴリ:日記
又吉直樹の単行本「火花」の売上が200万部を超えたらしいですね。 村上春樹も顔負けの大ベストセラーです。 それに便乗して、今回は三島由紀夫の話を。 例によって、中身は薄いですが。 芥川賞に対抗する形で作られた三島由紀夫賞。 主催は新潮社です。 ちなみに、文芸春秋新社、新潮社、講談社が、文芸出版社の御三家。 文学界、新潮、群像、が三大文芸誌です。 新潮社が、三島由紀夫賞、山本周五郎賞を創設した時、文春はかなり危機感を持ったそうです。 が、歴史、実績、知名度で、いまのところ、ライバルになっていません。 貫禄の違いでしょうか。 今回は三島由紀夫と太宰治の関係について、ゴシップ風に書いてみます。 この二人、仲が悪かった、というのが定説です。 もっとはっきり言うと、三島由紀夫が太宰治を嫌っていた、というのです。 三島は「太宰文学の苦悩は冷水摩擦や機械体操で直る」という意味のことを書いています。 会った時には、面と向かって「あなたのことが嫌いです」といったそうです。 三島の太宰嫌いは近親憎悪、と指摘する人が多いですね。 お互い似ていることを、意識していたようです。 いつもは猛反発する太宰も、三島に対しては寛容でした。 「ホントは僕のこと、好きなんだよ」と取巻きに呟いた、と。 作風は正反対、というのが私の説。 三島由紀夫は華麗な作風で、構成に凝ります。 モデル小説も多いですが、虚構性は失われていません。 太宰治は、私小説風な作品が多いようです。 自己投影が強いんですね。 ある意味、日本文学の伝統に従っています。 日本人の心情に合っています。 時代を越えて長く読まれているのは、そのせいでしょう。 どちらが好きかと問われラバ、私は三島由紀夫派です。 彼の時代を読む先見性は天才的でした。 題材を客観視し、小説を作る、という作業が20世紀的です。 文体も私好みでした。 二人とも、異常な死に方をしましたね。 太宰の死は、先例があります。 三島の割腹自殺は、前例がありません。 しかも自衛隊の駐屯地でした。 この死によって、一般の読者は、離れたんではないでしょうか。 ファンとして、残念です。 三島由紀夫については、作家論をかけるほど読みました。 しかし、そんな力技を発揮する時間も能力も、いまは失われましたね。 長年の怠惰と飲酒のせいでしょう。
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最終更新日
2015年09月22日 09時21分18秒
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