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東奔並走。

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2016.08.15
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カテゴリ:山歩き。
本来なら羽黒山、月山、湯殿山の順に「巡礼」するのがいいのだろうが、何せ余裕のない旅。
まずは何はともあれ月山登頂を目指した。

前日の大朝日岳から下山後、麓にある「休暇村羽黒」に行き、フリーサイトのキャンプ地でテントを張った。周りはファミリーキャンパーがほとんどで、およそ登山には使えないビッグサイズのテントやタープを広げ、BBQを楽しんでいた。
僕らは小ぢんまりと設営し、夕食(BBQではない)を摂って明日に備えた。

休暇村羽黒

こうしたキャンプ地は夜遅くまで楽しむ人が多いと分かっていたので、耳栓をして寝たが、さすがにしゃべり声がでかいのか、深夜に目を覚ましてしまい難渋した。

周りの人がまだ寝ている早朝にテントを片付け、月山へと向かった。登頂ルートもいくつかあるが、八合目駐車場から行くことにした。
途中、道路沿いを走る小熊に遭遇した。登山中に出会うとビビるが、クルマでの移動中だったので、逆に熊がビビッて慌てて逃げていく様子が伺えた。ただ、小熊の近くに親熊がいるとよく言われるが、茂みの中から突然現れ、体当たりでもされないかとクルマでもやや警戒してしまった(結局親熊の姿は確認できなかった)。野生の猿や鹿を見かけることはこれまでも度々あったが、野生の熊を見かけたのは初めてで、注意看板は嘘ではないと今後より一層気を付けていかないといけないと感じた。

月山を含む出羽三山は修験の山であるので、途中白装束の修験者を見かけることがあった。修験者の足元は白足袋ではないにしても底の薄いスニーカーというか、小学生の体育館シューズようなおよそ登山には適さない履物で歩いていた。月山の登山道は八合目までは舗装された車道、そこから先は石畳を含むひたすら石の上を歩く(ほぼ土の道はない)足の裏にはかなり堪える道だ。それを修業とはいえ、裸足に近い感覚であろう薄い底の靴を履いてコンクリートの道及び石の登山道を歩くのは結構大変だろう。当の本人は修業だからそのようなことは感じていないのかもしれない。

白装束の修験者

八合目から登ると頂上らしきものが眼前に広がっていたが、飯豊山と同じで目指すピークはそこからは見えない。あれか?あれかと見間違えながら進むこと約2時間、ようやく頂上付近まで来て、頂上にある月山神社の祠が見えた。
すぐに登頂かと思っていたが、意外と石道で足を取られ、時間がかかってしまった。

頂上へは月山神社本宮に参拝しないと到達できない。入口で参拝料500円を納め、宮司によるお祓いを受け、紙でできた人型のお札で体を撫でて、息を三回吹きかけ五臓六腑の穢れを清め池に流すという作法を一通り終えて初めて頂上参拝が許される。
しかし境内であることには違いはないので、写真撮影は禁止だし、本殿での参拝、その後本殿を右回りに巡って退出するまで一息はつけなかった。

月山神社本宮
登拝認定証

百名山(それ以外でも)の中にはこうした信仰と結びついた山は確かにある。頂上には祠や社があることは珍しくはなく、参拝するしないにかかわらず頂上の標識や三角点などは目につくところにあるため登山者は記念撮影ができる。しかし、月山では登拝認定書はいただけるが、標識らしきものはなかった。三角点も本宮内には存在せず別の場所に設置されている。
いずれにせよ登った事実は紛れもなく、何が何でも頂上の写真まで求めるものでもない。お祓いを受けて登頂なんて、月山でしか体験できないだろう。
後から登ってきた人で、登拝料を納めるのに抵抗があったのだろうか、入口には入ったが戻ってきた人たちがいた。それぞれの考えがあるのでその是非についてはコメントできないが、2回目以降ならともかく初回は参拝してもいいような気がする。

登拝後、頂上付近はガスで覆われ、周りは白くなり展望は望めなかったので下山した。しかし登山中は青空が広がるなど天気が良く、山旅の最後を締めくくるよい山行となった。

下山後、羽黒山五重塔を訪れた。五重塔は奈良や京都で十分見ているが、山形に来たらどうしても行ってみたかったところだ。
随神門をくぐり、しばらく進むと杉木立の中にそびえたつ姿が目に入る。そんなに高くはないが、長年の風雪に耐えてきた風格を感じさせるものであった。

羽黒山五重塔

本来はここから羽黒山の頂上にある三神合祭殿にお参りするのだが、サンダル履きであったため、引き返した。

神社本殿へ続く石段

これで5日にわたる山形の旅は終了した。




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Last updated  2016.08.21 18:20:20
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