東奔並走。

義父の見舞いの合間を縫って西郷隆盛と関連地を訪れた。

まずは西郷像。城山をバックに他の幕末明治の志士の像よりもひときわ大きく、高い場所に立っている。実際の姿ではないのかもしれないが、西郷さんといえばこの像になる。


西郷像から北東に歩くと鶴丸城址がある。石垣とわずかな堀が残っているだけだ。本丸跡地には黎明館という資料館が建っているが、遺構らしきものは何もない。本丸正面入口にあたる御楼門跡地に看板があり、この門を再建する案内が建っていた。平成32年の完成を目指しているそうだ。ただ最近の再建についてはどこの城でもそうだが、古写真をもとに正確な再建計画が立たないと許可が出ない。お城好きとしては再建する建物についてはやはり当時の姿を忠実に再現してほしい。
御楼門跡から中に入っていくと石垣には多くの穴があるのに気が付く。西南戦争時に打ち込まれた銃弾のあとだ。かなりの銃激戦だったことを思わせる。


城を後にして北東方向にさらに歩いていくと「西郷隆盛終焉の地」がある。石碑があるだけだが、ここで城山を下りてきた西郷さんが力尽きてその生涯を終えたんだと思うと切なさみたいなものが込み上げてくる。


方向を変え、城山に向かった。途中、一時西郷さんが身を潜めていたという洞窟がある。しかしその洞窟はそれほど大きくはなく、巨体であったという西郷さんがその穴で身を潜めることができたのかは疑問が残った。


そのまま頂上というか展望台に行くと桜島が目の前に広がった。生憎、頂上付近はガスで覆われていてその全貌を見ることはできなかったが、そのスケールの大きさは十分知ることができた。


短い時間であったが、西南戦争最終決戦地を後にした。