激動の2018年･･･平成最後の暑い夏を振り返る

2018年12月28日

カテゴリ：無題・・・

平成最後の冬、寒波到来

昨日スタッドレスタイヤに交換したので、安心です

さて、激動の2018年を振り返りたいと思います。
多くの方々にご心配頂きましてありがとうございました

何かおかしいなとは思ってました。。。
うすうすは感じてたけど、まさか･･･

毎週月曜日の朝、始業前に朝礼を行うのですが、この時は夜勤者も出席できる火曜日の朝に、全社員を集めて朝礼が行われました。

2018年6月5日（火）
朝礼で発した社長の第一声は　あまりにも衝撃的でした。
社長：「突然の発表で皆さんに多大なご迷惑をかけますが、弊社は8月31日をもちまして廃業します」
社員全員：「･･･　（絶句）」
驚きすぎると、言葉って出ないですね。
社長：「皆さんご存知のように私は体調を崩していますが、実は進行性胆管癌です。」

以下、社長の話を要約すると
3年前体調の異変に気付き通院検査、癌が見つかり夏季休暇（お盆休み）を利用して腹腔鏡手術をしました。
2年前の11月、2か月入院して胆のう摘出手術を受け、今年の春に癌が肺に転移した事が判明。
転移が廃業の決め手になったようです。

去年の暮ごろから体力がガクンと落ちた社長。
会社に居られるのは午前中のみ、たまに午後まで仕事をすると熱が出て入院。
こんな感じで半年後に衝撃発表。。。

うすうすは感じてましたよ、社長の体がかなり悪いって事をね。
でも超負けず嫌いで、自分の弱みを絶対他人に見せない社長は、強がりを言うだけで、けして弱音を吐かない。
だから社長の病気は癌だろうと思っていたけど、本人があまりにも頑なに否定するので、僕は徐々に「癌以外の病気なんだ」と思うようになっていました。

そんな矢先の重大発表！
6月末に社長自ら取引先へ廃業報告（翌日は発熱で入院）
7～8月の2ヶ月間で弊社で生産する全ての製品を同業他社へ移管しなければならない(^_^;)
なおかつ8月末までは生産を続け、出荷をしなければならない！

1～2日出勤しては1週間入院するパターンが続いた社長、7月11日の出社が最後でした。
翌12日から入院した社長は、2～3週間に1度外出許可を得て3時間だけ出社するようになりました。

僕は僕本来の品質保証課をメインに、社長の代わりに生産管理はもちろん、工場と従業員全ての面倒をみることになりました。
元請け会社や同業他社との対応もすべて僕の仕事。
再就職を希望する従業員が全員再就職できるように。。。など、今までに無かった　僕としては「余分」な仕事も全て僕に回ってきます。

廃業まで1ヶ月を切った8月初め頃、就業中の僕は何をやっているのか？
昨日、何したっけ？
材料は昨日注文したよね？
などなど、自分が何をやってるのか、何をやったのか、まるで記憶が無くなるようになりました(^_^;)
一気に始まった極度の緊張とプレッシャーに、僕の精神が悲鳴を上げ始めたのです。。。

幸いにも数日後に盆休みになったので、完全復活までは至りませんでしたが、僕が精神的に崩壊することは免れました(;^_^A

毎日来社する元請け会社の従業員、今回の弊社の廃業問題が無ければ彼らも落ち着いた日々を送っていたはず(>_<)

老朽化した設備・機械に鞭を打ち、元請けから出された課題（生産）をほぼ全てこなし、運命の日＝8月31日（金）を迎えました。
弊社最後の日は定時に仕事を終え、朝帰宅した夜勤者には会社まで出てきていただき、従業員全員会長のおごりで「最後の晩餐」へ

「ハモしゃぶ松茸添え」など、最後の晩餐にふさわしいメニューでした。
何よりも嬉しかったのが、病院を抜け出して社長がこの場に来てくれた事です！
傷ついた身体に鞭打ち、僕たち従業員をねぎらいに来てくれました

従業員の再就職も8割決まり、ほとんどが９月から新しい会社へ出社するのです。。。
就職が決まってないのは、９月から会社を片付け、社長の希望である「更地」にできる状態まで会長のお手伝いをする僕と数名のみ

工場内の設備機器を、売れる物は売り、貰ってもらえる物は貰っていただき、捨てる物を捨て、廃業へ向けての手続きを粛々と進めていく。。。

廃業から２週間後、大物の片付けが終わったので、力自慢の４人が去り、その１週間後出荷マンと事務員が去りました。
残ったのは会長と僕だけ、社長はもちろん入院中

色んな手続きと、業者との折衝をほぼ終えたのが９月末
10月からは社屋の解体工事が始まるけれど、僕にも生活が有るので、心配だけど後は会長にお任せしました。

↑ 製造工場が真っ先に無くなり、事務所棟、出荷センターが消えて、最後に残ったのは食堂の建物だけ

廃業から2週間が過ぎ、会社の建物がほぼ無くなった10月17日（水）
癌と戦い続けていた社長が、更地になった安ど感なのか、戦いに疲れたのか、62年の短い生涯にピリオドを打ちました。

社長のお父様が起こした会社の歴史を60年で閉じる事になってしまい、一番悔しい思いをしてるのは社長です。
今年で62歳、早すぎますよね(T_T)

↑ 食堂の建物も無くなりました

弊社の廃業に際しまして元請け会社の担当者様およびお手伝い下さった皆様、移管品を受け入れて下さった同業者様、弊社従業員を快く迎え入れて下さった会社様、弊社備品を買って下さった方、貰って下さった方、弊社廃業に関係された皆様、創業よりお取引頂いた皆々様、60年間ありがとうございました。
弊社社長に成り代わり、厚く御礼申し上げます！

最後の日まで一人も欠けず、製造・出荷してくれた弊社従業員の皆さん、ありがとうございました！
社長になり代わり　深く感謝致します！
僕もあなた達従業員全てを誇りに思います(^o^)／

社長、お世話になりました、ありがとうございました！
お世話になった恩を、最後に返す事が出来て良かったと思っています。
出戻りの僕を迎え入れて下さり、社長の下に骨を埋めるつもりでいましたが、社長が先に骨を埋めるとは思いませんでした。
残念ですよね、悔しいですよね

10数年後、僕もそちらへ行くことになると思いますので、その時は一緒に呑みましょう♪

心よりご冥福をお祈りいたします