今日も寒い。
外に出ると、腕の先から、足の先からと、寒さの信号が伝わり背中に寒気の電気が走ります。
自宅近くでの仕事。休憩の為に一旦自宅に帰ります。外回りの人間だけが出来る特権です。
玄関へと向かうと、そばの土の上で我家の愚猫が座っていました。かわいい奴です。
普段なら、まず足元に来てスリスリなのが、戸を開けるとご主人さまのことなんか考えずに、我先にと家に侵入。寒いから早く温かいところへと行きたいのでしょう。礼儀がなっていない等と言うのには酷な寒さなのでありました。
家の中では、コタツとガスストーヴ。ボロ家ではありますが、外の寒さを考えるとこの世の楽園なのです。
昼食を摂っていないので、お腹がグゥとなっています。
次の仕事があるので、あまりゆっくりも出来ません。
まず冷蔵庫を開け、氷をガラスのコップに入れます。そして水を注いでコタツ兼テーブルの上へ。
戸棚を開け、ゴソゴソとカップラーメンを取り出し、お湯を入れます。
3分待たなければ入れないので、冷蔵庫を開けて、手のひらサイズのクリームがはさんであるチョコケーキを取り出し、その後氷水をごくり。
寒い時に氷水と、またなんともおかしな事なのですが、温かいところ、特にコタツに入って食べるアイスクリームとか冷たい水が、貧乏人をすごく豊かにしてくれるのです。
会合とかで食事をすることがあります。そのときに、自分のことは棚に置き、色々と人間を観察します。箸の持ち方、飲み物の飲み方。
箸の持ち方を見れば、その人の教育レベルが判断できます。
飲み物もです。
水槽の金魚を観察するとわかるのですが、エサを食べては吐き出す。そのときにエサのカスが、もわぁとなる。
食物を食べていて、全てを飲み込まないで、飲み物を口にすると、液体の中で食べかすが、もわぁ。
だから飲むタイミングは非常に重要なのです。
ハンバーガーを食べながら、500ミリリットルのペットボトルをラッパ飲み。中身がコーラであればいいのだが、サイダーなんかだと、炭酸の力が功を奏し、中で勢い良く上昇、壁際でゆっくり沈殿、水面でプカプカ浮遊している。うっ、こんなことは食べるときに思い出してはいけない。
疲れが出ていたのだろうか。氷水の中にカスが浮いている。
「あー、何てことだ」
解っているから、絶対に食べものが口にあるときには、飲物に手を出さない。口にカスがついていたのだろうか。ちょっとショックであります。絶対にやることの無いミス。それをしてしまった。
やってしまったものは仕方が無い。反省しつつ、気を取り直して、また一口飲みます。メールチェックの為にパソコンに電源を入れます。猫が横に居るのでフタは閉めたまま。何をしてくれるか解りませんから。特にキーボードむしりは得意です。
お湯を入れてから3分。台所においていたカップラーメンを取りに行きます。その時、後でカランカランと音が。
振り返ってコタツテーブルの上を見ます。その光景は。
右前足を氷水の中へ入れかき回し、その手を舐めては、またかき回しています。
そういえば、さっきもカランカランと音がしてたな。その前におまえ、土の上でお尻を少し上げて何かしてたな。ひょっとして、さっきのカスは。
へその辺りから上方向へと熱いものが上がってきました。背中から後頭部へと寒気の信号が走り……。