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2010.11.04
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カテゴリ:box
後部座席には、最愛の楓とその父親であることが分かった大先輩の碓氷さん。となれば、俺が、いつもよりも、慎重にハンドルを握っていたのは無理もないことだった。

昨夜、オレが無様にジャマしてしまった親子の再会の再開。

信号待ちの合間に、バックミラーの中で、語り合う2人に目をやると。

・・・よく似ている。

いくら2ショットを見たことがなかったからといって、2人ともとほぼ毎日時間を過ごしてきた俺が、これまで気づかなかったのが、信じられないほどに。

といっても、顔が似ているわけじゃない。・・・なんていえばいいんだろう。

そう、オーラ。オーラというか、にじみ出る人間性、というか。

片や22年もの間、誰か知ることのなかった父親との、そして、片や22年もの間、まさか自分にいるなんて思ってもみなかった娘との、人生で最大の出会いの時にも、こんなにもスムーズに互いを受け入れられる柔軟性。

2人の、目の前のものをあるがままに受け入れるその素直さと大きさを目の当たりにして初めて、オレは、2人が、その資質において本当によく似ていることを理解し、即ち真の親子であることを、ありのままに受け入れていた。

耳を澄ませれば、お母さんの思い出話が尽きない様子の2人。碓氷さんの話すお母さんの姿を、とても興味深そうに、いや、それだけでなく、初めて知る、お母さんの様子に、とてもウレシそうな顔で聞き入る楓。その表情を眺めていたら、俺まで幸せな気分になる。

・・・・よかったな、楓。お父さんが見つかって。

いや。それだけじゃない。

・・・・よかったな、楓。お父さんが碓氷さんで。

そんな風に想う。だって。

・・・・たとえ父親が見つかっても、名乗ることすらできなかったかも知れないんだ。

そう想うと。

・・・碓氷さんだったから、こうして、お母さんのギリギリまでの、お母さんなりの愛情の形として、楓が楓として存在している理由を伝えることができるんだから。

ここのとこ、色んなことが重なってかなりナーバスになっていた楓の、心からの穏やかな笑みを見ていると、ほっとしていく俺だった。

だけど。

ほっとして、キレイな楓の顔をチラチラ盗み見しながら、ハンドルを切る俺の耳に、2人の会話が入ってくる。今はどうやら、あのネックレスの相手の話をしているらしい。オレと同じネックレスを選んだそのオトコ。案の定、碓氷さんは自分ではなく、自分が楓のお母さんに出会ったときに、失恋したばかりだった相手のことだろうと話していた。

「僕には、とてもじゃないがこんなもの買ってあげられるお金はなかった。悠斗は大したもんだよ」

屈託なくそう言う碓氷さん。そして、またしばらくは、自然、お母さんにそのネックレスをくれた男の話になる。信号待ちで車を停めた時、楓がポツリというのが聞えた。

「・・・おうちの問題か。・・・決められた婚約者、なんて、・・・お母さんも、大変なおうちのヒトを好きになっちゃってたのね」

・・・決められた婚約者、か。

オレは、ここのとこ母さんから繰り返される自分自身をめぐるうんざりな話を思い出し、

・・・まるでうちみたいだな。

そう思ったときに、ずっと目の前にあったのに、それが何か分からずにいたものに、ピントがすっと合った。

決められた婚約者、同じネックレス、そして、

『-コ・・・』

と呟く2つの声。

それは、楓の声を聴いたときの、碓氷さんと、楓の写真を見たときの

・・・父さん・・・。

・・・・楓のお母さんにあのネックレスを渡したのは、楓のお母さんが碓氷さんと出会う直前に別れたのは・・・?

思いがけない事実を目の当たりにした俺は、ただ呆然と、ハンドルを握り締めていた。

クラクションを鳴らされて我に返る。慌てて、車を出した俺に、声をかけてくれる碓氷さん。必死で平静を装って応答し、運転に集中する。

・・・考えるな、今は。

必死で、自分の頭に言い聞かせながら、さっきまでよりももっと慎重に車を走らせるオレだった。

今日のゆる日記は、こちらです。ぽっバカップルにご注意ください大笑い

「box」目次1~101~201~(10/19更新NEW
ふぉろみー?


lovesick+も、がんばって更新中。ウィンク10/18NEW





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最終更新日  2010.11.05 13:36:29
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