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「・・・俺んち」
そういって、ニッコリ笑う悠斗に、一瞬、ポカンとしてしまった私。 ・・・悠斗んち? そう思って、意味を理解した瞬間、 「ええっ??今日??」 驚きと、やや抗議めいた声をあげてしまいました。悠斗は、苦笑して、 「な?そんなにヤなら、むしろ早いトコ済ませちゃおうよ」 「・・・ごめんなさい。ヤ、、なんてこと、ないんだけど」 たどたどしくそう言った私に、 「いいよ、ムリしなくても」 悠斗は笑ってそういって、私の頬に触れ、 「オレはただ、楓の感じてるその不安、早く取り除きたいんだ。・・もしも」 いったん言葉を切った悠斗は、暖かい目で私を見つめて、 「もしも、楓の思うように、うちの親が、楓を受け入れないとしても、いや、そうならなおさら、早くはっきりしたほうがいいと思うんだ」 ・・・早くって、、だけど、、ご両親が反対なら、私は、、、 そんな風に俯く私のココロごと、その穏やかな目で覗き込んで、 「だって、それがはっきりするのが早ければ早いほど、俺は、楓から離れないし、楓を離さない、って、そのことも、早く思い知らせてあげられるしさ」 そこで一度言葉を切った悠斗は、からかうような目つきになって、 「心配性で疑り深いボクのカワイイ恋人、に」 そんな風に言う悠斗。私も、その笑顔に誘われて、くすりと微笑んでしまいました。悠斗は私の微笑みにほっとしたように、 「んっとに、どっちだっていーんだよ、親が楓をどう思うかなんて。だけど、楓が、そんな風に、俺の親のことなんかで悩むのなんて見てらんないから。・・・一緒にきてくれるよな?」 私のココロの平穏を第一に考えてくれる悠斗。私は、不安なココロが暖められるのを感じました。 「・・・うん。・・・だけど、今日、突然、なんていいのかしら?お忙しいんじゃ・・・」 「いや、今日は、多分、母さんは家にいると思うんだ。・・・父さんは、、」 そういって、言葉、、、だけでなく、動きまで止まってしまった悠斗。少し不自然な気がして、?、な顔をした私に、悠斗は我に返ったように、 「父さんは、あれだよ。ほぼ、家になんていないから。俺でもなかなか顔合わすことないくらいでさ。だからって、約束なんてのも、なかなかできないからさ。ま、会えたら、奇跡、くらいに思っといてよ。」 「うん」 小さくそう返事を返したら、 「じゃ、決まりな。ご飯食べたら出かけるか」 ニッコリそういう悠斗の笑顔に、急に、現実的なことが気になり始めた私は、 「あ・・」 と小さく声をもらしました。 「ん?」 「今日、急になんて、やっぱり、ムリだよぉ」 「なんで?」 「だって、だって、美容院にもいけないし、手土産だってちゃんと吟味できないし、服だって靴だって、しっかり選ばなきゃ・・・」 あれこれと口にだす私に悠斗は、 「って、楓~~」 としばらく大笑いしてから、笑みを湛えたままの顔で言いました。 「って、どんだけ、盛る気だよ。普段の楓でいーんだって。髪だってサラサラだし、手土産なんていらないし、服だって靴だって、どんなだっていーんだよ。ありのままの楓でいい」 「・・・だけど」 「じゅーぶんだって。じゅーぶん、以上だって、楓なら。・・・な?」 「・・・ありがと・・・」 「うわ。なんだよ、その、こんな言葉すら疑ってる感じ?楓って、ほんとはそんなに疑り深かったわけ?」 茶化すようにそういう悠斗に、口をとがらせると、 「あ。今度はすねた」 そういって笑ったと思ったら、 「なんだよ、そのスネ唇、かわい。欲しくなる」 すかさず、チュっと口付けてくる悠斗。照れとハズカシさで、もっと唇をとがらせてしまう私に、 「だからなんなんだよ~、もっと欲しくなるだろ?」 最後は真顔で言いながら、今度は、耳の後ろにそっと手を添えて、引き寄せるように唇を重ねてくる悠斗。柔らかく、でも、つよく欲しがってくる唇に、少しずつ息が熱くなっていく。 「・・・ぁ、だ・・め・・・」 切れ切れにそう言うと、 「何で?」 小さくそう問い返す悠斗。 「だって、、出かけるんでしょ?」 「一日中抱く予定を返上して出かけるんだぞ?せめて、1回くらいは、、いーだろ?・・・てか、欲しい、もう、ガマンムリ」 ダイスキな悠斗の手が、唇が、私のカラダをなぞりだし、私はその指先の感触に、抗えないまま、アツい声で、 「だけど、、、シてから、実家にいくなんて・・・」 「なんだよ?」 「はした。。ない、わ。。」 「・・・手遅れだよ。ていうか楓、楓だって、ココでやめるより、ヤっちゃってから行ったほうがいいよ、きっと」 「・・ど。。して?」 切れ切れに尋ねる私に、 「・・・楓ももうすっかり、エロイ顔になってるから」 イジワルに微笑む悠斗の言葉を否定することはできずに、私はただもう一度口をとがらせてから、目を閉じて、ジブンの全てを悠斗にゆだねました。
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最終更新日
2012.01.24 00:03:07
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