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カテゴリ:ものぐさな日々
中目黒は夏祭り。昨日が阿波おどりで今日はよさこい。「目黒銀座」という昭和の香りの残る商店街で2日間行われる盆踊りだ。本場徳島や高知の何千分の1、高円寺の何百分の1の規模のマイナーなイベントだが、地元の人の努力もあって、目黒銀座音頭盆踊りとして始まって40年ぐらい続いている。
目黒銀座通りもあたしが子供の頃は結構な賑わいがあったが、今では他の商店街同様、客足がめっきり減ってしまった。魚屋がなくなり、肉屋が1軒(ひょっとしてなくなったかも)、八百屋も数軒残っているだけで、端から端まで歩いても晩飯の食材の揃わない商店街となってしまっている。 こうなったのは、スーパーに客を奪われたことばかりではない。にぎやかだった頃と今では、住んでる人の生活様式が違っている。いつのまにかおしゃれな町として、住みたい町のランキングでも上位に上がるエリアになってしまって、若い人の一人住まいが増えた。コンビニさえあれば生活が出来てしまう人の割合が増えたことが一番の理由に思える。主婦が家族の晩御飯のために買い物をする光景が減り、遅く帰宅する一人住まいの若者が、自分のためにとりあえず必要なものだけを買う姿が目立つ町になってしまったわけだ。こうしたことに対してスーパーマーケットも夜11時まで店を開けるようになったが、商店街のお店がそんなことができるわけもなく、商売をやめて等価交換で店をマンションに改造し、一階を飲食店に貸すってのが今のパターンとなってしまっている。 今の中目黒は、住む人よりも来る人が多くなっている。カフェとファッションの町に変りつつある。数年前から目黒川周辺にポツポツとカフェやブティックが出来始め、それを目当てに若者がやってくるようになった。店をやってる人も若い他から来た人だ。ほんの数坪の広さの倉庫跡などが、いつの間にかおしゃれな古着のブティックに変身している。アジアン系カフェ、イタリアン系カフェ、チャイニーズ系カフェ、古本屋カフェなんてのもある。どこも廃棄物になってたようなソファやテーブルを使って、決して使い良いとは言えない間仕切りのスペースで営業をはじめている。普通の日本式の民家だったところをそもまま使っている店もある。来る人は、ほどほどの値段の洋服や雑貨を見てまわり、そんなカフェでゆったりとお茶したり、ご飯食べたりして一日を過ごす。銀座や青山のようなきらびやかなものでもなく、原宿のようなガキっぽさもない空間が、いつの間にか町の風景として出来上がってきたような気がする。店を開こうとするオーナーの若いエネルギーと相反するフトコロ事情の妥協として生まれた偶然の雰囲気なのかもしれない。最初からリサイクルとかユースドをキーワードにして出来上がってきたものとは思えないし、誰かが音頭を取ってそうなったわけでもない。若いオーナー達が感じる今の「感覚」がこの町を変えてきたのだと思う。 チームごとに練習された熱いよさこい踊りを見ながら、こうした商店会のイベントもいつまで続けられるのかと思えてくる。町も住み人もくる人も姿を変えていくのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 7, 2005 07:28:45 PM
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