アクティブP-K帰還増幅回路(6)
なんだか良さそうな方式のようにも見えますが、誤解があるといけないので書いておきます。まず、出力管のインピーダンスが見掛け上下がりますが、本当に下がるわけではないので負荷が重いと歪みます。(これは通常のNFBを使ったアンプでも同じ)二番目に、プレートでの周波数特性は低域まで伸びるようになりますが、出力トランスのインダクタンスが上がったりするわけではないので、トランスが飽和するような大きさの出力ではレスポンスが下がり、波形は歪みます。(これは通常のアンプでも同じ)三番目に、低域では出力トランス起因の出力管の利得低下があるので、オペアンプの出力が上がります。そのため低域の入力電圧が大きいとオペアンプの出力でクリップしますので、むやみにオペアンプ部の利得上限(R1とR4で決定)を上げない方がいいです。例えば今回の例ですと、オペアンプの電源が±15Vの場合、オペアンプの無歪出力電圧は約4.6Vrmsとなるので、約5Hz以下では98mVrms以上の入力が入るとオペアンプ段でクリップしてしまいます。万能ではないのでご注意ください。^^;