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塾をやっていると、お客さんである生徒に対して厳しい対応を取ることがある。普通の商売じゃ考えられないけど。
大手の塾だとよほどのことがない限り厳しい対応は取らない(だから大手なのかも)。でもうちみたいな小さな塾だと、「生徒を集める」という会社として当たり前の目的達成のためにとる手段が大手と同じではやっていけない。「甘いから」「楽だから」「宿題がないから」という理由で生徒を集めるのとは違うことが当然必要になる。 ・・・といえば経営者っぽくてかっこいいけど、本質はそうじゃなくって、単に自分の信念がどこにあるか。そこなんだけど。僕は少なくとも生徒の成績を上げること、大学に受からせることがこの仕事をしていく上での信念と考えている。それには僕一人の力じゃ足りないから人を雇うし、塾の授業だけじゃ足りないと思うから宿題も出すし、甘いだけじゃいけないから厳しくもするし。そしてそれをよしとしてくれる方が世の中の多数だと思うから、多数の人に知ってもらうように宣伝広告には力を入れるし、マーケティング的スキルを勉強している。でも先に挙げたような信念を曲げてはいけない。 話がそれた。 昨日は高校に入ってからダラダラ(を通り越してわがまま放題)の高1を怒った。小学生の時から知っていると、今この瞬間の彼の様子が、彼の本当の姿ではない事が分かってしまう。もし、高校生になってからの彼の姿だけを見ていたのなら、「こんなやつはだめだ」って突き放してしまうことになっただろうし、その方が簡単だと思う。なんと言っても気が楽だし、怒ることで波及する周りへの悪影響もない。他人に迷惑をかけるならそっと退塾してもらうだけで解決しているはずだ。でも、何年も見ていると、やっぱりそうじゃないと思う。 基本的に勉強なんてしたくない。嫌い。部活の方が楽しい。表面的な部分をとらえればひょっとして進学校に向いてないんじゃないか?と言った方が早い。でも、育ってきた環境、ご両親の思い、兄弟での関係、高校に入ったときの成績、学校での立ち位置。いろんな事を考えると、「でもやんなきゃいけない、それはわかってる」「でもどーしていいかわからん」という狭間に立たされて苦しんでいることが痛いほど分かる。 それは時に他者への粗暴な態度として表れたり、授業中の集中力のなさとなって他の子に話しかけるという行為につながったりもするけど、だからといって彼がこれまで何年もかけて積み上げたことの集大成ではない。波のように、上に行ったり下に行ったり揺れながら成長していくんだけど、今はその「下」の時にあるに過ぎない。 ほっとけば、きっといつか波が上に来ることがあるってのも分かる。でも、少なくとも受験に関しては時期が決まっている。そこから逆算して今の成績を考えて、ってやると、今、なんとかしないと間に合わないというのも見えてくる。本当ならそれを「怒る」という手段以外で伝えられるようにしたい。そのスキルが自分にないのがつらい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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