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カテゴリ:つぶやき
今日はおウチでのんびり。やること溜まってるからねー。
で表題なんですが、もちろんごく私的な思いであって、ウチのPTAを代表してのスタンスなんかじゃありませんのでご注意。 なんで反対か? 単純に「必要ない」と思うから。 日本で暮らしている人のどれほどが、英語が喋れないことで不都合を感じる場面があるっての? わたし、英語から日本語への翻訳を仕事としているから、英文を読むことはできます。でも喋れるかっていえば、ちょぼちょぼ。海外旅行してホテルやレストランで何かリクエストするぐらいできますけど、英米人と英語でディベートできるかってーとできません。ハリウッドのおバカなアクション大作なら字幕ナシでも楽しめるけど、ややこしいミステリなら字幕読みます。 とても“流暢に喋れる”ってレベルじゃないけど、ちっとも困らないよ。日本で暮らしてるんだもん。 ビジネスマンには英語能力が必須? 英文読めると便利~、なレベルの人はそれなりにいるだろうけれど、英語喋れないと困っちゃう人、そんなにいる? 大事な契約のときとか、中途半端な英語で戦うより、しっかりした通訳使うほうがよほど安全じゃない? で、海外飛び回って戦ってる日本人、みんなそれなりに英語喋れるんじゃないの? 本当に必要になったら勉強すりゃいいじゃん。友だちの商社マン、タイに赴任って決まってから3週間でタイ語日常会話マスターしたよ。20日で200時間、必死に勉強すりゃ誰でもできること。 学校英語だけでペラペラ喋れるようになれればいいな、って? そんなの無理に決まってる。みんな、中学と高校で800時間ほど勉強して、今のレベルなんだよね。小学校で週に1時間、ゲームしたり英語の歌を歌ったりして、どれほどの上積みがあるの? あ、「語学は10歳までに始めないと」な理論、根拠はあまりないみたいですよ。小学校で英語をそれなりに勉強するところ、いまではかなりあるけれど、そうやって小さいときから英語を勉強した子どもたちが、それだけで英語が流暢に喋れるようになるとか、英語の成績が良くなるなんてデータはどこにもありません。逆のデータ(小学校で英語勉強した子もそうでない子も、中学の英語学習では成績に差が出なかった)はいくつか見たことあるけどね。 いやね、小学校での英語学習、まったく無駄だなんて言ってないからね。ちょっとは英語上手になると思うよ。でも、それで実用的な会話レベルが身につくとか、中学高校での英語学習が楽しくなるとか、そんなことはないんじゃないの? ってこと。 ここ読んでる英語が苦手な大人のみなさん、小学校のときに週に1時間、英語でゲームしてたら英語が得意になったと思う? そんなの幻想じゃない? むしろ、小学校で英語ギライを大量に育成しちゃうことのほうが恐ろしい。 算数とか、日々の暮らしに密着してる勉強なら、「分かる」=「便利」な実用性に結びつきやすいでしょう。国語だって、いままで語彙不足で表現したくてもできなかったもやもや感を表現できるようになったり、親と論理的な交渉して有利なおこづかい条件を獲得できたりするかもしんない。友だちと口ゲンカするのにも、日本語上手なほうが有利だよね。だからこそ、算数や国語に多少は身が入ろうってもんだ。 でも、英語で何かを表現できるようになって、日本で暮らしている子どもが便利になることって何かあるの? 近くに外国から来たお友達がいたら、ちょっとは楽しく遊べるかもしれない。でも、すぐにお友達の方が日本語ペラペラになるよ。だって日本で暮らしていれば、一日15時間ぐらい日本語に触れてるんだもん。週に1時間じゃ太刀打ちできないって。 じゃあ、しっかり教科にして、週に3時間英語を教える? 6年間で630時間。わたしらが勉強したのの2倍ほど、英語を勉強できちゃう。それで日本人の7割ぐらいが、英語圏の人と日常会話できるようになっちゃうかもしんない(わたしには大いに疑問だけど――繰り返すけど、今の日本人、800時間勉強してきて「これ」でしょ? あ、わたしはそれより遥かに長い時間を英語に費やしましたからね。中学時代からペーパーバックや英文のゲームマニュアルの分厚いのを毎日読んでいましたから、授業時間の5倍ぐらいは英語に触ってたよ)。 そうなったとして、その子どもたち、人間として何か“深み”が出るのかなぁ? 英語が操れるからって、人間として上等なわけじゃないよね。英語でしか読めない文献を漁ったり、外国人と討論して異なる世界観を知ったりすりゃ、そりゃちょっとは“深み”も出てくるでしょう。で、それって日本人の7割が身につけなきゃいけない能力なの? 数日前の日記にも書いたけど、公立の小学校で、日本の子どもたちに教える「ミニマム・スタンダード」に、英語学習は含まれないとわたしは思います。 現状、算数や国語、社会、理科の能力が最低限必要なレベル(それを定めることはなかなか難しいけれど)に達していて、それをいくらか削ってもだいじょうぶ、ってのなら英語学習したってかまわないでしょう。で、そうなの? 二桁の掛け算が怪しい6年生、分数の足し算ができない中学生、都道府県の名前がわかんない高校生、日本語まちがえて平気なニュースキャスターがあふれている世の中、さらにそうした能力を削って、身につくのが英語の日常会話ってんじゃ、考慮にも値しない損な取引だと思うんだけどなぁ。 ついでに言えば、教員数の純減なんてことを言ってる国ですから、もちろん小学校で英語教えるようになったからって、新しい教員を雇うことなんてまったくもって不可能ですし。語学教育のことなんて何も知らない、どこの方言かよくわかんないような英語を喋る外国人がALTでやってくれば上等。ふつうはこれまで英語をまともに勉強してこなかった(平凡な日本人レベルの英語を操る)これまでの担任の先生が英語を教えることになるんだからね。 「小学校で英語を教える」ことに賛成する保護者が7割。世論はそういうこと。国の政策だって、世論を無視できない。小P連会長であるわたしだって、PTAの代表としての立場では、小学校での英語教育を前向きに考えなきゃいけません(やらなきゃならないのであれば、少しでも意味あるものになるように、子どもたちが英語嫌いにならないように、中学での英語学習にもリンクできるようなカタチで組み立てていかなきゃいけないよね)。 でも、個人的には反対だからね! 個人的には、お母さんたちをなんとか説得しようとするからね。 もういっぺん、よく考えてみてください。 ほんとうに子どもたち『すべて』が『もっと』英語を勉強して身に着けなきゃいけないの? そのぶん、他の教科に費やす時間が減ってもいいの? 違うと思うんだけどなぁ……。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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