今回は引用だけ!
安岡安篤著「活眼活学」より今回は以下””部 引用のみ(64ページ) ”十九世紀末のイギリスの歴史学者、バーカーという人がある。この人の「オランダ興亡史」という書物は名著で、それこそ洛陽の紙価ならぬロンドンの紙価を高らしめた人です。 この「オランダ興亡史」の中に、バーカーが、「領土だの物質だのというものが、その国の偉大さに本質的な関係があるものでない。真にその国民の偉大さに関するものは、そんな領土や資源や貿易ではなくって、国民の能力であり、国民の精神である。殊に後者の国民精神の問題である。これの旺盛な国民は、必ず、どんなに困ってもまた勃興する。航海に例を採れば、よく規律あり訓練ある乗組員であれば、荒海をくぐりぬけることもできるが、秩序の乱れた、精神のこもらぬ船員共では、沈没の危険があるのと同じである。その意味において政党政治は非常に注意を要する。国あることを知らず、ただ党あるを知り、その党よりも実は己の利を図るばかりというように、政党が堕落してオランダも衰退してしまった。だからどうしても、己よりも党、党より国家という精神に燃えた政党員を作らなければ、到底、政党政治というものも国民のために危うい」ということを痛切に論じておる。”