「春分の日」の振替え休日に、今日一日を振返る
今日一日は、「過去」と「今」と「未来」の思いを馳せる大事なひと時だったよう。 朝一番での長谷川等伯展の行列待ちをしている時、建設中のスカイツリータワーが垣間見えた。現在ちょうど東京タワーと同じくらいの高さであるが、しばらくすると完成して、常態化して当たり前の景色になる。初めこそ珍しがるが、見慣れると心があまり動かなくなる。 ところが建設中の景色は日々変わり、瞬間的で記録や記憶に残りにくい。その分、その一つひとつの風景はその時々に重なり、印象深いものとなって心に刻まれ、貴重なものとなる。そんな思いもあり、デジカメに一枚収めた。 そして、本番の長谷川等伯展。500年前の世の中に思いをはせて作品を鑑賞した。 等伯の年齢とともに変化する画風。全般の作品を顧みて、今回感じたのは対比の画法。白と黒、濃と淡、直線と曲線、などなど。お互いの長所を引き出しバランス良く対比させているという印象をもった。 そして目当ての松林図。今回で5度目の対面であり、その時々で見え方が違うが、墨の濃淡だけで松だけを描いたシンプルな画法であるが、余韻をいつまでも感じさせる作品である。 時空を超え、いつの世にあっても人々を感動させることができるという素晴らしさ。拝金的、刹那的な今の時代にあって、しばらくの間、その感動に浸った。 そのあと、恒例のお墓参り。両親が他界してから20年以上、毎年の春夏秋に訪ねている。 お墓では 「この世は圧倒的多数の死者と、ほんのごく一部の生者で成り立っている」 という現実に対峙する。 周囲に咲き始めているサクラの華やかさと思い合わせて、言葉に尽くしがたいひと時であるが、心がとても落ち着く大切な時間である。 その帰途、近くのお寺の掲示板に見た「人生一生、酒一升、あると思えばもう空(から)か」 対比が面白くスパイスが効いた文言に出会った。 一升瓶の残りを見たら‥‥‥、 こぼさないように大切に飲み干したい。 MYツイッター 建設中のスカイツリー