2,3年前まで息子をサッカークラブに通わせていた。
私はサッカーの経験はないので、休みの時に付き合ってパスやリフティングの練習を見守る係り。
息子は何度も何度もトライした。
私と違って不器用なので、何度も練習しないとまったくサマにならない。
ヘディングも怖いらしく、どうしても目を閉じてしまう。
でも、親を喜ばせたいのか?息子はがんばって通い続けた。
時は経ち、下級生の子も続々と参入してきた。
中には1年生なのに上手な子もいた。
すでに2年上の息子よりもうまい。
何度もやってるうちに息子は泣き出してしまった。
できない自分は駄目なんだって。
悲しくなってしまった。
それをみて、私は言った。
すぐにできなくてもいいから。
できることとできないことがあるから。
少しづつやればいい。
大丈夫だから。ゆっくりやっていいから。
息子は少しづつできるようになった。
本当に少しづつ。嬉しかった。
でも、一方で、私は疑問だった。
本当にこの子はこれができるようにならなくてはいけないのだろうか。
しかし、一方であのときの息子が
あのときのままで、生きる方法はないか、と思う。
なかなか、見つからない。
そのまんまで生きる方法。
武術や格闘技も同じ。
強くならなくてはいけないのか?
弱いままでも強く生きる方法はないのか?
私はかつて強くなろうと懸命にもがいた。
が、息子にそれを押し付けたくはない。
きょうのBGM 「男どうし」BY杉田二郎