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レールを、歩く。
安定した道を、歩く。 長い間、レールを歩いてふと気づく。 「あれ?ぼくの道ってこのレールだけ?」 首を廻し見れば、無数の獣道。 舗装されていない、とてつもない数の道。 あぁ。 気がついてしまった。 レールから目を離さなければ見えなかった道に、気がついてしまった。 後悔。 そして・・・それと同時に抱いた、外への羨望。 ―――飛び出る。 不確かなまま、・・・後悔すると知りつつも、絶対に後悔すると知っていながらも、飛び出る。 不安定な足場。 獣道を、歩く。 不安定な道を、歩く。 後悔しながら、歩く。 舗装した道を飛び出ていながら、舗装した道に郷愁の念を抱く。 「あぁ、やっぱり・・・。」 予想通りの後悔を以って、懐かしき舗装道を脇見見る。 至る所に雑草が生え、レールにヒビが入り、所々錆付いた道を見る。 ・・・涙した。 ながく、ながく、ながく、嗚咽しながら泣き続ける。 ああ、ならばこそ。 「せめて、この獣道を歩き終わらねば。」 壊れたレールを見て、後悔しながらも突き進む。 ―――「それでも、進むと決めたから」 距離が分からないまま走る。早く終わるようにと祈りながら走る。走る。走る。走る。走って、そのまま居なくなればいいと心の底から思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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