|
カテゴリ:音楽
CDを買う時、一枚の中に一曲でも鳥肌が立つような曲があれば大満足なのだが、今日買ったCDはその全ての曲に感動した。これはフェルナンデスの「ラ・ダンサー/ラテンアメリカギターリサイタル」(LONDON POCL1642)以来の事だ。
タイトルは「ラテン・アメリカの風」(UCCT-2040) 奏者デビット・ラッセル。彼にはいつも驚かされる。バッハを端正に弾くと思いきや、バリオスを叙情豊かに奏で、ラウロは驚くほどの技巧で弾きこなす。そして今日その集大成のようなCDを手に入れた。CDの中で多種多様のラテン音楽を彼はたおやかに歌い上げている。そしてこのCDの中に入っているソナチネ三部作は何とあのホレーへ・モレノが献上していたのだ。モレーノ・トローバのソナチネ三部作が有名だが、この曲の方が難解であり、デリケートである。 7割方は知った曲が入っているが、ラッセルの正確無比な演奏が描き出す対極的な泥臭さがすごく新鮮で、特に冒頭のダンザ・ブラジレイラ(ブラジル舞曲・モレル作)は福田進一やイズビンのように揺らした演奏をしていないにもかかわらず、生き生きした演奏にほれぼれしする。今までラテンアメリカの曲といえば、ポンセ・ラウロ・ロボスの三大作曲者に親しんできたが、大御所レオ・ブローウェル、エドァルド・ファルーは別としてレイ・ゲラーやこのCDの中にあるホレーへ・モレル、ペルナン・ブーコ・ホレへ・カド-ソ、カルロス・パジェスなど中南米のギター作曲者に新鮮な感動を毎回受ける。しかし、CDの最後をポンセのスケルツィーノ・メヒカーノで締めるあたり、ラッセルの誠実な人柄が偲ばれる。福田進一だったらど派手にダンザ・ブラジレイラで締めたはず(笑) 中南米の音楽はミクスト・カルチャーの魅力に満ちている。クリオージョ(中南米生まれの白人)・インディオ・メスティーソ(白人とインティオとの混血)・アフリカ系黒人などでそれらの音楽が絡み合い複雑なリズムや形式、歌や踊りが生まれた。ラッセルによってその音楽が見事に開花したといえよう。さて、今日10何回目になるが、また一通り聞こうっと! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.10.15 23:11:43
コメント(0) | コメントを書く
[音楽] カテゴリの最新記事
|