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案山子の世界

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2004.11.10
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カテゴリ:つれづれ
鍋島藩士が唱えた有名な葉隠れの教え・・・「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」。
最近、また藤沢周平の本を読んでいる。短編は頭の回転が悪いので切り替えが出来ず読みづらいのだが・・。多分単行本で見ているのだが、すっかり忘れて文庫本で楽しんでいる。「たそがれ清兵衛」に続いて「隠し剣鬼の爪」が映画化される。ほそぼそとした小藩の風采の上らない藩士、それがいざ事を起すと皆りっぱに武士道を貫いて死んで行く・・。そんなパターンが何回も出てくるが、それぞれに思考を凝らしおもしろい。
さて、「武士道・・・」今年封切られて話題になった「ラストサムライ」これを武士道の精神だと言う輩がいるが、とんでもないことだ。こんな戦いは犬死のなにものでもない。長篠の戦の武田軍の再来の様なものだ。勝頼の滅びの美学は時代考査の上である程度納得がいくが、ラストサムライの時代の騎馬とガリトン砲では話にならない。
話が脱線したが、葉隠れに書かれた武士道の精神、これは極限の生と死の二者択一ならば、くどくどとした言い訳をいって生きていくより、潔い死を選ぶといった事を唱えている。極論を言えばある意味、死を選んだほうが本人にはあとくされなく楽な選択かもしれない。そうなると葉隠れは安楽な教えなのだろうか?案山子はその中に死を賭して生き抜けと言った教えが隠れているような気がする。死ぬは容易く生きるは難し。
潔く死ぬよりも潔く生き抜く。それは膨大なエネルギーを労するかもしれないし、憤怒の渦に巻き込まれるかもしれない。夢や希望なんてすでに残滓にまみれて道端に捨てられているかもしれない。糧すら見つからない、そして一条の光も見いだせれない暗黒の世界。
でも、潔く生きぬこう、何れは訪れる死ならば、人生悠々として急げ・・・。





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最終更新日  2004.11.10 21:32:33
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