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カテゴリ:つれづれ
人間の一生なんて穴の開いた樽から命がこぼれる如く短いものだ。
だから人は生涯をかけても尚、成し遂げれない出来事に遭遇する。 己の限界を知った時、夢は脆くも崩れ去り残るは残滓の思いのみ。 羽ばたく鳥が天空を目指し、鮭の群れが遠い旅の終焉の地に着く。 そこには楽園はなく、過酷な運命を迎えるは死臭の漂う屍の聖地。 遥かオルドビス紀にオルソセラスを怖れた海サソリは群れをなす。 人類も、昔から群れを好み、群れの存在を拒否する者を迫害した。 迫害された者には常に孤独が付きまとい、後に天空の光を浴びた。 その光は輝きを増し、己の輪廻をさも回避出来るが如く錯覚した。 人類の怖れはその輪廻の中に絶望的な障害があることを察知する。 多くの宗教家はすでに悟りをその中に見出して、誤魔化しの坩堝。 カルト教団すら真実の行方を示唆した如く我案山子の心を見抜く。 すでに導きの烏を待つ時間は過ぎ、輝きの世界も遠ざかって行く。 お洒落なトリップ感はごく僅かで崩壊し、構築したすべてを崩す。 人格のなせる業には限界があり、多重人格者を輩出した責任の界。 なにが真実かを見極める知識もすでに遺跡に埋り、発掘は困難だ。 山野辺の村長たちは巫女の空言を信じ、結界を断ち切ろうとする。 結界は今、未曾有の洪水により風前の灯火と化し、守り神はない。 限界点はすぐそこにあるのに、間延びした猫が豊かな声量で鳴く。 つられて案山子も踊りだし、今の真実の虚偽行為を求めて彷徨う。 彷徨いは何処の終焉に向かうのか、その地は聖地とはなりえない。 地の行程は血を示唆し、闇に蠢く魍魎たちを蘇らせることになる。 天空はまだ闇の帳に閉ざされて、行く末の未来を拒否したままだ。 陽炎は蜻蛉の様に僅かな大気の中で呼吸すら困難な状態を醸てる。 その舞台に日が当たる事は無く、氷解を削岩するドリルすらない。 地中深く封印した数々の出来事が噴水のように噴出しているのみ。 この世に生を受けた赤ん坊は、泣くと言う行為の空しさを知らず。 その母親も未来の末のその果てを見据えることは決して出来ない。 人間の一生は、木の葉の甘露水が大地を濡らす短い時の流れの中。 空しさゆえ海の奥底で泣きじゃくっても封印された時は戻らない。 愚かな行為は案山子の怒りを望むため、わかっていても繰り返す。 夢は崩れ、もはや瓦礫と化し祈りの翼ももぎ取られ飛空龍はいず。 気楽な世界、虚偽の空間に歪んだ蜃気楼が漂いかけて臭気を醸す。 それはすでに死臭となり、案山子の藁に浸透し腐らせて崩壊する。 一度の崩壊は雪崩となり、終には濁流に巻き込まれ逃れられない。 もはや時間の経過もなく、空間は歪んだままで現在進行形となる。 終焉に気がつかない愚かな民達だけを残し、亜空間は閉ざされる。 気楽な世界、この世はパラダイス、現実も夢もそのガラスの空間。 今まさにメリメリと限界点の越えた崩壊の音が彼方から聞こえる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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