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カテゴリ:音楽
高知へコンサートを聞きに行った。川田一高さんからメールが届いた時は、プロでもないし、まして重奏のギタリストってことであまり期待していなかったが、去年のトマス・スビャストラフの予想外の好演もあって、少し興味を持って現地へ向かった。とりあえず川田氏の工房を覗く。しばし歓談の後、一緒に会場である高知県立美術館へ。今回、川田氏はビデオ担当だ。忘れる所だったが、演奏者は昨年の日本ギターコンクール重奏部門優勝者、山下俊輔・宇高靖人だ。開場より早く着いたので一番前のど真ん中にすわる。本当は場内の反響や伝達性を知るために真ん中あたりがいいのだけど、コンサートでは大抵近くで臨場感と緊迫感のある、生の音を楽しんでいる。さてリハーサルも終り開場。ほぼ満員だ。やはり彼らが地元、岡豊高校出身ってこともあり、凱旋を一目見ようと大勢の地元の人たちが足を運んでるみたい。
開演。まず重奏定番のP・べりナリティのジョンゴ。若さ溢れる演奏だ。この一曲だけで早や観衆を魅了している。若さとはいいものだと実感。二人とも男前。特に宇高君は今風のいけめん、そして山下君は高知のいごっそうを感じた。さて、重奏の後は各自が交互で独奏。ゴヤの美女(宇高)アストゥリアス(山下)タンゴ・アン・スカイ(宇高)11月の或る日(山下)二人とも名演だ。宇高君は正確な演奏の中にも甘い音色、山下君は荒削りだが迫力がある。前半最後は高知県出身でイタリアで活躍してるギタリスト、長岡克巳のRUI。これは涙のるいから取った題名。すごく感性豊かな作品だった。 演奏の前に二人で曲の紹介など語ったが、宇高君は朴訥に、そしてそれに山下君がつっこみをいれて終始和やかな雰囲気を醸し出していたが、地元ならではのことだ。特にクラシックギターのコンサートは曲名の紹介もないことが多々ある。こんなところにも、閉鎖的でクラシックギターが今ひとつ広がらない所以だろう。 さて、観客と一体になり2部を迎えた。まず、テデスコのソナタD-dur(山下)アッシャーワルツ(宇高)重奏に入って、川田一高のギターを使い、武満徹作、ヒロシマという名の少年・不良少年を重奏で演奏。そしてコンサート最後は重奏部門の優勝曲、夜更来(よさこい)変奏曲。謎の地元人の作曲(笑)すばらしい曲だ。また二人の息もぴったりで、正に名演!アンコール2曲を聞き、高知を後にする。 今回の若さ溢れる演奏は迫力があり高感度100%。なにも村地佳織、木村大、大萩康司だけが若手ギタリストじゃなく、いまや日本のクラシックギター界は若手の台頭著しいと感じた。楽しいコンサートで満足、満足。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.03.27 12:27:19
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