案山子の世界

もう我が町のグリークラブに行かなくなって何年になるだろう。当時はまだ色々な趣味に勤しんでいて、コーラスもその１つだった。

このコーラス団体は半分以上が教師、それも校長先生で退職された方が三人もいらっしゃって、私など菜の花についたアブラムシのような存在だった。でも、代表で指揮も担当されている先生の年賀状に「あなたの声が欲しい、でておいで」なんていつも書かれていたので、いつかはまた復帰したいなぁ、なんて漠然と考えていた。

で、今日・・・。何の気なしに入った、隣町のスーパー。ステーキの安いのがあり、「よし、今日は昼から豪勢にいこう！」なんて、うはうは気分でレジへ向かう途中、ふと見るとそこに先生が・・・。

♪「おっ、○○君、元気？」

☆「せ、せんせいこそ・・・（汗）」

♪「丁度よかった」・・・こちらはよろしくな～い
♪「今、テナー１人いないんや」・・・ぎく！

☆「ぼ、ぼくがいます・・・。」・・・もろに強迫観念の為せる自虐的行為・・
☆「よ、よかったら・・」

♪「そかそか、うんうん、助かるわ～！」
♪「ところで・・・」・・・・ギク！

☆「はあぁ・・（汗）」

♪「６月に発表会あるから、出てな！」

☆「ち、ちょっと期間がないのでは・・・（汗）」

♪「あっ、かんた～～んな曲ばかりやからぁ」・・・簡単にいうけどあんた・・
♪「住所、年賀状のとこでええんやな？」

☆「あっはい。」・・・しまった！

♪「ほな、すぐ楽譜送るさかい・・・練習日にきてな！」

☆「・・・・」

まあ、これも縁かも。さて発声練習をしなければ。