|
テーマ:☆詩を書きましょう☆(8466)
カテゴリ:詩
忘却の先にあるもの 06.5.3案山子 それはきらきらと流れる金箔の波頭 幾重にも重なり合った光の束 どんよりした雲間に見え隠れする残滓 まるで昇竜の如くうねりを繰り返す 月は今まさに万感の極地 天空の中で次第に張り詰めていく 忘却の先にあるもの スパークするたびにその姿を現す 光と影の四十万を潜りぬけ 再び繰り返す阿鼻叫喚 静寂の訪れはまだ遠い 遥かな旅の終焉を迎える時 静かに煌く金色堂の揺らぎ 忘却の先にあるもの それはきらきらと輝く金箔の陽炎 忘却の先にあるもの 案山子 海を見つめる老猫が一匹 風にそよぐ体毛に もはや艶は消えうせて その一条と化した瞳の中で 同化したヨットの帆柱一つ 今は廃墟となった朽ちた船体は 遥か栄華の時代を偲ぶが如く その舳先を海に向けて佇んでいる 静かに時の風は流れて揺れて 砂浜に描く虚構のさざれ模様 忘却の先にあるものをもとめ かなわぬ夢を乗せ出航の時を待つ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.08.13 13:06:39
コメント(0) | コメントを書く |