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テーマ:今日のこと★☆(106310)
カテゴリ:音楽
急に副業の依頼があった。
今日は夜は習字の日。社長とまた枕を並べて(ちと違うかも)の討ち死に、いやお習い、我は行書だわさ、ふっ・・・。で、夜まで何をしようかと思案の最中、依頼の電話。即、出かける。いつもこのぐらいフットワークがよければなぁ・・。 そこのピアノはヤマハのU3E。もう随分年月が経つが、作りもよく、すばらしい音を保っている。それもひとえに技術者がよいという賜物・・・でもないけどね。笑。しかし、今回は少し事情が違う。 昨年、電話をした時、ピアノの持ち主、おばあさんが他界したことを知った。そのまま一年近く過ぎてしまった。そして、今日、一人残されたおじいさんから電話があり、七月の一周忌にピアノを使って千の風になっての合奏をするので調律を、と依頼された。 そのおばあさん、おばあさんといっても、母と同年、そして女学校の同級生。母は亡くなって三十年近くなるが、一昨年までおばあさんは元気だった。調律に行くたびに、自分が作曲した曲に歌詞をつけて弾き語りしてくれた。その中に愛犬チロの歌があった。 チロの歌・・・すでに亡くなった愛犬だが、ほんとうにかわいがってた様子が窺い知れる曲だった。おばあさんは少し心を病んでいて、いつも黙々と世話をするおじいさんがいた。大変だったろうと推察される。 高音域もあとわずかな時、急に何かが共鳴した・・・様な気がした。突然、悲しさがこみ上げてきた。随分と調律をしてきてこんな気持ちになったのは初めてだ。おばあさんがいなくなったピアノ。その寂しいピアノを調律している私。ふと似た物同士なんだなぁなどと考えてしまった。 さて、一周忌にはおばあさんの妹がピアノを弾き、そのお孫さんがフルートを演奏する。寂しかったピアノも一時元気になるだろう。楽しんでね、とつぶやきながら鍵盤に蓋をした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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