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テーマ:☆詩を書きましょう☆(8466)
カテゴリ:詩
巡りあい 07.7.22案山子
巡りあい、そっと呟いてみた 巡りあわなかったほうがよかったのかもしれない、多分、きっと・・・ 夏の熱気の覚めやらぬ夕刻、電車はその傾いた駅に停車した まるで織姫と彦星が出会うように、年に一度停車するその駅に・・・ 小さな神社の裏で紫色に輝く波間をお互いにいつまでも見つめていた 巡りあい、そっと語りかけた 希望のない世界、汚い人間関係、どん詰まりの人生、死んでしまいたい・・・と 淡々と語り合う二人の姿は不思議なくらいに悲壮感はなかった むしろ、やっと今を共有できる心に巡り合えた安堵が、嬉しさが・・・ 自然と涙が頬を伝い、暮れゆく島影が揺らめいた 心が満たされた毎日、張りのある人生、そして・・・ 守るべき人がいるってことは、こんなにもすばらしいものだと思っていた 巡りあい、そして別れの予感 幸福な時は短く、まるでガラスの偽物が砕け散るように・・・ 気がつけば季節は移り変わりマフラーの温もりが恋しい 巡りあい、流れる心は帰らない 二人は広大な海原を見渡せる場所に来ていた、心を求めて・・・ 突風が繰り返すピアノ曲の残音をかき消してしまった 淡々と流れる時の隙間風、別に悲壮感もなく、幸せも感じなく・・・ 夕日のように燃え尽きてしまいそうな心、笑顔を振り絞った そして、別れという言葉を投げかけた今・・・ 巡りあい、そして別れ そっと呟いていた お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.07.22 22:01:09
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