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テーマ:☆詩を書きましょう☆(8464)
カテゴリ:詩
飛翔 08.3.26案山子 疲れ果てた青龍がそっと身を横たえた沼地 その吐く息はすべてを氷塊に変えてしまう むしろ過ぎ去った日々の骸を放り投げる魂 存在のない実体は矛盾だらけの足跡を残し ずぶずぶと過去の暗黒地へ引きずられつつ 絶望は絶叫の音響を木霊に変えて繰り返し 何れは万物の定めの滅びの世界の旅に出て 原始の薄暗い森の悲鳴を幾万年間聞き流し 疲れ果てた青龍が身を横たえた沼地の中に 深く淀んだ希望の水脈を探るすべも絶えて 何の存在もない化身の白拍子が纏わりつき 静かに鷹揚に琥珀色の目を開く一頭の青龍 隅々の鱗が逆鱗に触れその恐怖を知らしめ ぽたぽたと血が滴り落ちる程無念の形相に 雲間より一条の来光が静かに振り注ぐ瞬間 四肢が輝いて青龍の咆哮が木々の葉を散し のたうちまわるその身が七色の光に包まれ やがて燐光を発すその姿は太陽神の化身か 沼は甘露の水を湛えた漆黒の湖に姿を変え 天空からの導きを受けた青龍が今飛翔する お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.03.26 23:34:27
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