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テーマ:今日聴いた音楽(75611)
カテゴリ:音楽
韓国のドラマは、皆それぞれにストーリーが優れていて楽しめるが、一つだけいつも気になることがある。それは挿入曲で使うピアノの音に関してだ。どうしてもプロの耳で聞いてしまうのは致し方ないが、それにしてもひどすぎる。まずユニゾン(同音)がバラバラ、音色がまちまち、そして致命的なことはピッチ(音程)で高音部付近が10セント(1セント=半音の100分の1)近く下がっていること。ピアニストが主人公のドラマさえそうだから、優秀な調律師を雇う予算がないのかとさえ疑ってしまう。もし調律をやってそうだったらヤマハの試験は通らないかも(笑)まあコンサートチューニング出来てるピアノ曲も少しはあるが。
音に伸びが無いのは残念ながら韓国のサミック社のグランドピアノを使っているから。サミックピアノのアップライトは一台だけ販売した経験があるが、調律してみてそれはひどいものだった。日本製のヤマハは抵抗あるのかもしれないが、ピアニストが主人公のドラマぐらいせめてスタインウェイやベーゼンドルファを使用して欲しいものだ。 もう一つ、気になるのはピアニストなのに平気で爪を伸ばしていることだが、これはドラマだから致し方ないかもしれない。自分もギターを弾くために、右手の爪は中学生の時から全部切ったことがないが、調律の検査でピアノを弾く分には殆ど差し支えなかった。ただ演奏となると大いに影響するため本格的にピアノを練習しなかった。(言い訳) 爪繋がりで苦労した話を一つ。昔ワシントン条約で白鍵に使用するアイボリー(象牙)の輸入が全面禁止になった時、フルコン(最上級のコンサートピアノ)はストックで賄えるが、C5クラス以上の高級GPに関してはニューアイボリーと銘打った部品が開発され、半年以上使用された。ところがその部品は象牙の質感をつけるため表面に細かい気泡の穴を開けていたものだから、爪の生えたピアノレスナー(爪を生やしていること自体プロとして失格だが)や生徒のマニキュアが浸み込んで表面が変色して汚れが取れなくなってしまうケースが出てきてクレームが続出した。そしてしばらくしてからは単に手の汚れも浸み込んで変色するようになってしまった。クレームなので無償だが、鍵盤すべてを交換することは、狂っている整調(ピアノの個々の部品を正しい位置に調整すること、たとえば鍵盤の深さとか)整音(ハンマーを加工し音色の調整)などを仕上げなければならず、すごい手間と労力がかかったものだった。当然顧客の中には今流行りのクレーマがいて新品にしろと言って来たりもした。ヤマハの損害もひどく、開発者は責任を取らされたとか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.12.07 20:38:53
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