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10月29日土曜日朝。
いつものようにスーダラスイスイと国道16号線の歩道を自転車で通勤。 とある地点の前方を見ると逆光の中になにやらしっかりしない足取りの人が車道の縁を歩いてる。 よく見れば杖を持ったご年配の男性。しかもその杖は盲人用の白杖! これは危険と自転車を置いて駆け寄り安全な歩道へ誘導する。 杖による歩行でも杖の読み取りを誤ると道の危険な側を沿って歩く事になりかねないという事実を実感して戦慄した。 ご年配は自分がいかに危険な歩行をしていたかをあんまり認識していないようだった。 とりあえず彼の目的であるS市の市役所方向へ行けるバス停まで案内したが ここでまた私の認識不足を思い知る。 彼はお礼を言いつつバス停に頭をぶつけるまで突っ込んでいったのだ。 「目測を誤る」という言葉があるが、彼はその目測そのものが存在していないわけで、 杖があってもこのような突進~衝突の危険はそんなに変わらないのである。 付き添ってやりたい気持ちを押しつぶして再び会社へ向かい、平穏に仕事を終える。 翌日、愛読紙の神奈川新聞を読んだら、そのご年配氏に思いがけぬ形で再会した。 彼は「日本盲人会連合」の会長氏で、市役所方向へ行ったのは、近くの市民会館での講演のためだったのである。 (つまりその講演の記事が載ってたわけ)。 彼は障害者の権利がまだまだ確立されていない現状を壇上で訴えたそうだが、 私がもし手助けする前に車に轢かれてたりしたら、その訴えさえも出来なかったかもしれなかったのだ。 大震災の時もたくさんの人が「わずかな偶然の差が生死を分けた」と体感したことと思うが、 今日はそんな偶然を実感した次第。 障害者の住みやすい社会と、かの会長氏の無事を心より祈りたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年11月01日 20時20分59秒
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