亀かめきぶん

友人から問い合わせのメールが来た。

「Ｓ町の道路で車を降りて犬を追いかけているあなたらしい人を

見たと不思議がっている人が居るのだけど？」

「そうですそれは私です。」

３週間前のこと

Ｓ町というのは温泉へつながる山の中を走る道路で

日本工学院北海道専門学校がある場所です

それ以外は何もない道だけど車は良く通っていて

そこで、第１ワンちゃんを発見したのです。

一匹でよれよれで歩くワンちゃんが気になり

なんかほっとけず、車を停めたのです。

絶対数ヶ月迷ってきただろう？ワンちゃん

これは迷い犬に違いない

だって鎖は２個でちぎれ

毛は汚れ抜け毛が浮いている

何も食べていない感じ

きっと何ヶ月も飼い主さんのところへ戻ろうと

さまよっているのでしょう。

可愛そうに、どうしたらいいのだろう

ひとまず車に乗せて・・・・なんて

家に連れて・・・父ちゃん怒るかな？・・・・

この頭の中でぐるぐる考えながら

あれっ！この顔、姿覚えがある

そうだ！獣医さんの所に貼っていた

「耳の聞こえないワンちゃんを探してください」

と同じ顔に体だ！

私の車の中へ乗せて連れて行こうと考えた

車から降りたら私に少し寄ってくる

近づいたら車道へ逃げていく

耳が聞こえないから車の音も解からないんだ

危ない！！車に引かれないよう車に注意を促しながら

土曜の診察時間も過ぎている獣医さんところに

連絡し飼い主さんの連絡番号を聞き連絡し

「私には似てるように見えるけど

飼い犬さんかどうかわかりませんが？」

色や形そっくりで首輪の色を聞かれたが

毛が伸びきり逃げていくので見分けられなく

家のワンちゃんかも知れません！

隣市から行くので捕まえて下さい」に

ラジャー！！

ワンちゃんは相変わらず

私に近づいてくるが私から寄ると又車道へ逃げていく

車に引かれないように、車を妨げ

ワンちゃん捕獲作戦にでる。

しかし、こんな時に大事な餌で釣るの食料がない！

気分はジャック婆姥ー　

少しずつ・・盗塁のように

ワンちゃんのそばへ・・・ぎゃはっ！！

逃げられたー！！

ワンちゃんは横道へ走り遠くへ

私は車を捨て・・・

（中には財布もバッグもキーもつけたまましかし、田舎ゆえにセーフ）

ずっと追いかけていったらワンちゃんの姿は見えないが

ぽつんと農家が一件

そばには牛さんたちがモーモーと鳴いている

ワンちゃんは遙かかなたへ・・・・・

農家のお宅の付近を見たら犬小屋がポツン

しかし、鎖をつなぐ杭や水入れも餌入れもない

過去に飼ってたのでしょうな感じ・・・

まさか！でも・・でも・・・何か気になる

農家のお家を訪ね、犬のことをたずねた

おばあちゃん、外まで出てきてくれた

逃げていった犬もいつの間にか近くまで戻ってきた

「あら、家のリッキーだわ」

嫌な予感が当たってしまった。

急いでこちらに向かう飼い主さんに深くお詫びし

戻ってもらうようにおねがいした。

飼い主さんは落胆していた。

私も飼い主さんに期待させたことに落ち込みながら

車へと戻っていくところを

リッキーと判明のワンちゃんは

私の横を走りぬけ

私の車の方へ走って行った。

何ヶ月も探している飼い主さんもいれば

見かけで判断して先走った私のようなオバちゃんもいるのだ。

それを見て不思議がっている人もいる。

どっちにしてもあのワンちゃんのお家があって良かった。

それにしても何処で誰が見てるか解からないものだ。

耳の聞こえないワンちゃんが一刻も早く見つかりますように！！