|
カテゴリ:今日の出来事
新宿のカプセルホテルで目を覚ます。1泊4800円。ガイジンだったら50ドルも出してカプセルに泊まらせられるなんてさぞかし侮辱に感じられるだろうと思う。
午前8時の大浴場にはかなりの数のオヤジどもが朝風呂に入っている。浴場のテレビに映されている朝の民放では今日の星占いをやっている。カニ座の今日の運勢は悪い方から4番目くらいだ。判断を誤って話がこじれがちなので、冷静な対応が必要な一日だそうだ。 ホテルの受付にはチェックアウトの長い列が出来ている。私服はオレだけか。外は雨。メールをチェックするため1時間だけネットカフェに入る。24時間営業らしいが、朝のネットカフェはガラガラだ。水商売っぽい男女が数人いるだけ。 日本を発つ前に、ランパンの下に履くサポーターをまとめ買いしようと新宿南口のスポーツ用品店に寄るが開店が1時間も先とのことで諦めて新宿を後にする。私用で都内と成田空港とを行き来するときはいつも京成電鉄を使う。JRの成田エキスプレスの半額以下で済むからだ。 比較的空いた車内の向かい側のシートには20代前半といった風情の女が座っている。何日も洗っていないのだろう、髪の毛が異様に脂っぽい。今どきの若者っぽい格好をしているが、この衛生観念は日本人ではあるまい。…そんなことを考えているうちに眠りこけてしまい、目を覚ますと成田空港駅に着いていた。向かいの席の女は日本語の教科書らしきものを開いていた。 空港カウンターでチェックインすると、係員からビザの有無を訊かれる。オレはあくまでトランジットでアメリカに入国するだけなので、ビザの代わりにビザ免除のI-94wしか所持していない。すると、彼女はESTAとやらに申請する必要があるという。米移民局がここ数年始めた新しいプログラムらしい。インターネットで簡単に申請できると言うので、言われたとおり10分100円の空港のインターネット端末へと向かう。 ネットでの申請上の質問事項はビザ免除のI-94w申請時のものとまったく一緒だ。なんという官僚主義的なムダ。…そんなことを考えながら、申請の最後にクレジットカードで申請料金の支払いを終えた途端、「質問項目に『Yes』の回答があるため、申請の受付けに最大72時間掛かる」云々とのメッセージが表示される。そうだ、「これまで入国を拒否されたことがありますか?」という質問に対し正直にイエスと回答したので、それが引っ掛かったのだろう。 空港カウンターに戻り事情を説明すると、係員は空港にある米領事館の分室みたいな所に電話し、オレの申請受付けを優先的に対応してくれるよう話をしてくれ、チェックインの締め切り時間の10分前に再度来るようにと言った。 しかし、チェックイン締め切りの時間になってもオレのESTA申請は完了していなかった。係員の説明では、ESTAとチェックインのシステムは連動していて、ESTAの申請が受け入れられない限り、チェックインも発券も出来ない仕組みなのだという。オレは今朝カプセルホテルの大浴場のテレビで観た今日の星占いのことを思い出していた。そうこうしているうちにオレの復路のフライトは離陸してしまった。係員は、まだシアトル経由の便があり、それに乗れば今日中に帰れるので大丈夫でしょうと言う。 しかし、シアトル便のチェックイン締切り時刻になってもオレのESTA申請の受付は終わっていなかった。カウンターの係員は、あとは本日最後ののホノルル行に搭乗し、明日の朝本土に向かうほかないという。案の定、ホノルル行きのチェックイン10分前になってもオレのESTA申請は完了していなかった。さすがにこれを逃すと後がないので、カウンターの航空会社職員が再度移民局分室に電話し催促したが、ようやく手続きが完了しオレのチェックインが可能となったとき、すでにホノルル便のゲートは締まっていた。 オレは同情的な係員に翌日のフライトのチェックインと発券を済ませてもらうと、重い荷物を背負ってホテルに移動する気力も失っていたため、そのまま空港ターミナルのロビーに降りてその晩は椅子の上で寝た。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|