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カテゴリ:アメリカ・カナダ
20年ちょい前イギリスにはじめて短期留学した際、ヨーロッパからの留学生との付き合いでちょっと戸惑った習慣に「ハグ」と「チュー」があった。
ハグ(hug)というのはいわゆる抱擁のことで、欧米ではさっき会ったばかりの人でもとくに相手が異性の場合は別れるときに腕を斜めに背中に回して軽く抱擁し合う。 チューは主にラテン系やスラブ系の習慣で、伊仏などラテン系だと主に異性のばあい両頬にチュッチュと2回、ロシア、ユーゴといったスラブ系の場合は同性・異性を問わず右左右と3回する。 ただし、チューとは言っても相手の頬っぺたにベッタリ口をつけて吸っているわけではなく、たいていは耳元で「チュッ、チュッ」と音を出す程度の「エア・キス」である。 アメリカやカナダではハグは多いが挨拶のキスの習慣はふつうはない。オレ個人が見る限り例外は親しい友人や親戚同士とか、あるいはイタリア系移民同士くらいか。 他人とは普段握手以上の肉体的な接触をする機会のない日本人は、異性にガバッと抱き付かれるとかなり戸惑う。相手の胸が大きくてブヨッと接触したり、妙齢の女性の胴体の触感が絶妙だったりすると、つい余計なことを考えそうになる(笑)。 先日の記事に書いたとおり先週はオタワにいたのだが、この都市はいちおうオンタリオ州に属しているがオタワ川のすぐ対岸はケベック州で、住人の6割がイギリス系、4割がフランス系であり、ほとんどみんな英仏のバイリンガルといった感じである。 オタワではひさびさに挨拶にチュッチュしている人たちを見て、新鮮な感じがした。トロント近辺ではハグはしてもチューをしてる人はまず見ないからだ。 ただ、オタワやケベック州でも、外国人慣れしている地元民の多くは、たとえば相手がハグや挨拶キスの習慣のない日本人だと判れば、抱擁やチューの代わりに握手の手を差し出したりするのが一般的である。 今回も、オタワ周辺の見どころ訪問のたびに訪問先の責任者とわれわれツアー参加者が「今日はどうもありがとう」と別れのハグ&キスをするのだが、中にはオレの順番になると急に握手に変更する人がいた。オレも相手が同性であれば握手で充分だが(笑)、キレイなネーちゃんだったら抱擁やチューの方がいい(笑)。 なのでオレはそのたびに「ボクも“ハグ&キス”の方がいいなあ」と言うと、相手は笑ってちゃんとチューしてくれた(笑)。 まあ、儀礼的なエア・キスとはいっても、キレイなネーちゃんの顔が至近距離に迫り、耳元で「チュ」っとされると、ちょっとした官能的な快感があるものだ。オレはこのツアーの期間中、連日ハグ&チューを受け、なかなか気分がよかった(笑)。 オレの個人的な経験による説ではあるが、同じカナダ国内でもフランス系の女性の方が東洋人男性に親切なような気がする。これはきっと英語圏では東洋人と接する機会が比較的多いので、東洋人男性が自分らに対し消極的あるいはぶっきらぼうだったりするのを日常的に経験している白人女性が、東洋人男性に最初から距離を置くのに対し、フランス系はそれほど東洋人慣れしていないので異文化によりオープンだからなのかも知れない。 いずれにしても、東洋人男性のオレとしてはフランス語圏カナダにおける「ハグ&キス」の習慣は大いに支持したい(笑)。これを経験するだけのためであっても、オタワやケベック州を訪れる価値があるとオレは思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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