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カテゴリ:たわごと・仕事・愚痴
先週のカヌー・トリップの際にカナダ人社長夫妻に2人のいわゆる“馴れ初め話”を聞いていろいろと面白かったのだが、いちばん面白かったのはプロポーズの記憶がまったく食い違っている点であった。 2人は社会人になってからカヌーを通じて知り合い、しかしそれから結婚までにはかなりの期間があり、その間は別の異性と交際していたこともあったようである。 旦那の方は現在教師をしているが、もともと筋金入りのアウトドア野郎で、有名大学で化学と工学で学位を修めているにも関わらずマトモな就職をせずに卒業後しばらくの間アウトドア用品店で働いていたそうである。ガールフレンド候補には必ず「1. 趣味はアウトドアか」「2. カヌーは好きか」「3. 泳げるか」の3つの条件を確認し、これらすべてを満たさない相手とは交際しなかったと言う。 奥さんの方はもともと陸上競技の中距離出身でテレマークスキーの国内チャンピォンだったこともあるアスリートで、アウトドアは好きだが決してそれがメインだったわけではなさそうである。 ちなみに旦那が今の奥さんを初めてのデートに誘った際は「2人でジョギング」したそうで(笑)、体力に自信のあった彼は当初彼女の様子を見ながら余裕のあるペースで走っていて、上り坂に入ったところで少し本気を出してみたら彼女は余裕のある表情で彼のペースにぴったり着いてきていて、やがて坂のてっぺんに到達する前に自分の息が切れてしまい、手を差し伸べる彼女に坂の上まで引っ張ってもらうハメになったそうである(笑)。その時点では彼女が1500mの陸上選手であることを知らなかったらしい。 ...で、それから数年の紆余曲折の末、2人でカヌー・トリップに出た機会に旦那から奥さんにプロポーズしたそうなのだが、旦那に言わせるとその日は大雨で、2人でポーテージをした際に彼がカヌーを担ぎ、次の着水ポイントに荷物を持って先に到達していた奥さんの元にたどり着いたタイミングでプロポーズしたという。 しかし、奥さんに言わせると、その日が大雨だったことはすっかり記憶から消し飛んでいて、彼がプロポーズしたタイミングで空に虹が掛かったと主張している(笑)。 2人がその記憶のギャップを埋めようと議論したところ、やがて「その日は雨が降っていた」という点では合意に至ったものの、「その日は最初から最初までほぼ土砂降りだった」という旦那の主張に対し、奥さんは「雨はやがて止み、プロポーズのタイミングでは虹が出た」という点は譲りそうにないのであった(笑)。 どうも第三者として2人の話を聞いている限り、「その日は終始雨だった」と考えないと辻褄が合わない点が多く、「虹が出た」というのはおそらく後日に起きた事象で、それが彼女の記憶の中ではどうやらプロポーズの記憶と分かちがたく結びつき、いつの間にか「プロポーズの時に虹が出た」という美化された記憶に変容してしまったように推察される。 もう2人とも成人が近い子供がいる50代の立派な熟年夫婦で、決して熱々の恋人同士といった関係ではもはやない。それにも関わらず、彼女にとってプロポーズの瞬間は虹が出ていなければいけないような人生の特別な1ページなのであろう。 オイラは中学・高校時代に少女マンガを読んで大きくなったクチだが、思えば恋愛モノではしばしば「運命の赤い糸」みたいなテーマがやたら多かった(笑)。この手のマンガを読むと、女の子には「一生結ばれる運命」の男性がこの世にたった1人だけ存在していて、その人とは運命の赤い糸で結ばれているとかいう恐るべき妄想が少女の間にはあるらしく、彼女たちの間ではたかが(多くの場合片思いの)ボーイフレンドが「運命の男性」になっているようであった。面白いのは、渡米後に会った大学の女の子たちの多くも、話を聞けば聞くほど日本の少女マンガと同じような発想をしている点であった。 しかし傍で野郎が見ていていつもシラケるのは、みんな「たった1人のはずの運命の男性」とか言っていた相手とあっさり数ヶ月やそこらで別れ、またすぐに別の男が「運命の赤い糸」の相手になっているのであった(笑)。なんだかずいぶん安っぽい「運命の赤い糸」なのであった。 社長夫婦の話に戻ると、旦那の側にしてみれば、「3つの条件」を元にいろいろ交際してみた末、今の奥さんに行き着いたという意志的で実践的な選択なわけであるからして、プロポーズした日が土砂降りであろうが快晴であろうが関係ない。だから、その「土砂降りの日の記憶」が相手の中では「祝福の虹が出た記憶」になっているのは何だか解せない、居心地の悪いものが残るに違いない(笑)。 まあ旦那の方はもともとどうでもいいことなので、奥さんの主張に逆らうことなく最終的には折れていたが(笑)、ずいぶん男性的でやり手だと思っていた社長でさえそんな少女チックな幻想を抱いていた事実につい苦笑いしてしまったオイラであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
でハルジさんの条件は・・
(2011.08.09 07:25:49)
どういうわけか「これこそが運命の赤い糸」でつながれた人だと勝手に直感してしまうんですよ。
それが大間違いで狂った幻想にしか過ぎなかった現実に目が覚めるのですが、また性懲りもなく気にいった出会いが訪れると「ひょっとしたらこれが・・・」とか思ったりするんですよ。 赤い糸どうしがからまったりもして人生なかなかどうしてですね。 (2011.08.09 10:16:49)
少女マンガはどなたが好きでしたか?
萩尾望都とか大島弓子? あと、亡くなった。。。名前忘れ。 くらもちふさことか好きでした。 赤い糸はあるのかもね~! 15歳から30数年でやっと切れた糸もあります。 ロマンチックでもなんでもない呪縛のような糸です(笑) (2011.08.09 10:31:54)
少女マンガの出会いのシーンでよくあるパターン。
「いっけな~い、遅刻遅刻。お母さんどうして起こしてくれなかったのよ~」 ...急いでいて校門で見知らぬ男子生徒とぶつかる... 「痛~い、ちょっと、どこ見て歩いてんのよ、ホントにもう~」 ...ドタバタと教室に入る... 「今日は転校生を紹介する」 「あ、アイツ...」「お、オマエ...」 こんなパターン多かったですネ。 (2011.08.09 11:04:55)
g-3さん
>でハルジさんの条件は・・ ----- 今までその質問をされるたびに「経済的に独立している人」と即答してきた結果独身のままこの年になりました (2011.08.09 11:14:58)
エンジェル フェイスさん
>どういうわけか「これこそが運命の赤い糸」でつながれた人だと勝手に直感してしまうんですよ。 > >それが大間違いで狂った幻想にしか過ぎなかった現実に目が覚めるのですが、また性懲りもなく気にいった出会いが訪れると「ひょっとしたらこれが・・・」とか思ったりするんですよ。 ----- エンジェルフェイスさんのように性懲りもなく同じ過ちを繰り返す人たちのおかげで人類が存続してきたところもありますよねきっと(笑) 後先を冷静に考えたり、失敗に懲りる人たちばかりだったら世界人口は現在の3分の1もいないんじゃないでしょうか。 (2011.08.09 11:19:58)
もも1933さん
>少女マンガはどなたが好きでしたか? >萩尾望都とか大島弓子? >くらもちふさことか好きでした。 >赤い糸はあるのかもね~! >15歳から30数年でやっと切れた糸もあります。 >ロマンチックでもなんでもない呪縛のような糸です(笑) ----- 集英社系だったので、りぼんは清原なつの、ぶ~けは内田善美が好きでしたね。そういえば清原なつのは作中でで「赤い糸には前後賞や組違い賞が存在する」という新説を唱えた初めての少女漫画家でした 10代から30年も続くと運命じゃなかったと自分に納得させるのも大変そうです (2011.08.09 11:28:48)
放浪の達人さん
>少女マンガの出会いのシーンでよくあるパターン。 >「いっけな~い、遅刻遅刻。お母さんどうして起こしてくれなかったのよ~」 >...急いでいて校門で見知らぬ男子生徒とぶつかる... >「痛~い、ちょっと、どこ見て歩いてんのよ、ホントにもう~」 >...ドタバタと教室に入る... >「今日は転校生を紹介する」 >「あ、アイツ...」「お、オマエ...」 >こんなパターン多かったですネ。 ----- さすが3人姉妹に挟まれて成長しただけあって少女マンガに詳しそうですねほうろうさん! キャンディキャンディのいがらしゆみこがレディースコミックで濃厚なセックスシーンを描いてるのを見てショックを受けませんでしたか? (2011.08.09 11:32:54)
3つの条件を満たす女性と結婚したその社長はまず幸せ者だと思います。私の条件は「黒髪」「黒かグレーの瞳」「財布の紐がゆるい金持ち」でした。
(2011.08.09 16:43:34)
美都☆姫さん
>楽しく読ませて頂きました。 >したら・・・ >私と結婚しませんか? ----- 働き者の女性、いいですね~!!経済力にまさる女性の魅力はありません!(笑) (2011.08.10 22:19:01) |
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