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2011.08.20
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地元オンタリオ州では例年この時期に「Shore to Shore(湖岸から湖岸まで)」と通称される、シムコ湖からヒューロン湖北西岸のジョージアン・ベイまでの250kmを昼夜を通し7~8名編成のチームで走破する対抗リレーが開催されているのだが、今年はオレの所属するトライアスロン・クラブが3年ぶりに参加することになった。参加チームのほとんどは州内の走友会で、それにうちのようなトライアスロンクラブや、会社などを中心に組織した混成チームも加わり、30数チームが参加している。

250キロを7~8名で割れば1人あたり30~40km程度だし、1つの区間は10キロ前後、しかも次の自分の順番が回ってくるまで5~6時間は休めるので、アイアンマンやマラソンに出走したことのある人であれば何ということはない。…とまあそう考えてチームメンバーの誘いに二言返事で乗って参加してきたのだが、実際に走ってみたらこれが思いのほかキツくて参った。

トレイルを含むアップダウンの激しいコースや、昼夜を通して走るのがキツイというのもあるが、いちばんキツイのは「リレーである」というプレッシャーである。トライアスロンにせよマラソンにせよ基本的に個人競技であるから「チームワーク」というのが要求される局面は少ないし、レース中もマイペースで走ることに馴れている。速いヤツらに抜かされようが、個人的なプライドに引っ掛かることはあったとしても、別に平気である。

しかしリレーとなると、自分が抜かされたせいで順位が落ちるとか、前の走者たちが作ってくれたせっかくのリードを無駄にしてしまうとか、チームが入賞するかどうかは自分のタイムに掛かっているとか、日頃個人競技では気にせずに済んできたチーム競技のプレッシャーに直面しなければならないのである。もともとそういうプレッシャーが苦手だから個人競技のスポーツをやっているというタイプの人たちにとってはこれが結構な重圧なのである。

まあうちのチームはもともと競争志向の強くない中年・熟年中心の健康志向のチームであって、チームメンバーに元オリンピックチーム・メンバーなんかがいそうな本格的な走友会には勝ち目がないし、リレーとは言ってもそこまでのプレッシャーはない。とはいえ、前の走者が必死で走って自分にたすきをつないでくれているのを見ると、さすがに「マイペース」というわけにも行かない(笑)のである。

オレが走る順番は8人中5番目であった。サポートを担当しているチームメイトがクルマで先回りして走者交代地点にやってきて、「前の走者は次に500m近い差をつけてトップで入ってくる」と教えてくれた。チームは自己申告予想タイム平均に応じて「エリート」「準エリート」「一般」の3つに分けられ、予想タイムがいちばん遅い「一般」のチームたちがいちばん最初、「準エリート」チームがそれから30分後、最も速い「エリート」チームがさらに30分後にスタートというように、時間差をつけてスタートしている。オレたちのチームは「準エリート」と「一般」の中間にあたる予想タイムであったが、速い連中の尻に付くよりも遅い連中の頭に付くほうがいいので「一般」チームに混じってスタートしていた。オレのチームの前走者がトップを切って入ってくるのも道理であった。

交代地点ではオレ以外に「いかにもベテラン市民ランナーです」といったアスリート体型の30代後半~40代前半の女性が手足をブラブラさせてウォームアップしていた。おそらく今2位につけているチームであろう。オレの中で、トップのポジションとこのリードを維持しなければというプレッシャーが一気に高まった(笑)。顔を紅潮させて交代地点に入ってきたチームメートのタッチを受けたオレは、後ろに今にも迫ってきそうな2位走者の足音を気にしながら、ほぼ全力で駆けた。折りしも曇り空の雲が晴れ、強い日が差し掛けている。前日の雨で湿度は非常に高い。コースの難易度が5段階で3に分類されている急な上りの多い10.6kmのコースを、何度か挫けそうになる気持ちと闘いながら、オレは自己申告より数分速い55分程度で走破して次の走者にタッチした。いざ走り終えてみると、2位で入ってきた走者には15分以上の差をつけていた。

ayako.jpg

オレは少し休憩した後で自分のチームのサポート・メンバーが乗るクルマに同乗し、次の走者たちのサポートに回った。6番目の走者もリードを維持し、チーム最年少18歳の7番目の走者も順調にトップで走っていた。ただし数百メートル後には2位のチームの東洋人男性が彼を追い、差をジリジリと詰めていた。ちなみにこの青年は50代の母親と一緒にうちのトライアスロンチームに所属していて、今回サポートメンバーとしてクルマを運転しているのは彼の母親である。走る彼に水を渡しながら調子を尋ねると、ヒザが痛いという。実は、この青年はさいきんヒザを痛め、なるべくヒザへの負担が少ないように下り坂の少ない12キロ弱のコースを割り振っていた。

これを聞いて心配したのはドライバー役の母親である。我々は次の交代地点ですぐに彼のひざを冷やせるようスタート地点に戻って氷を入手、走り続ける彼の元にすぐに戻った。彼はよほどヒザが痛むのかすっかりスピードが落ち、すでに何人かの走者に抜かれていた。我々のサポート車が併走しているのに気づくとの上り坂の途中ですぐに止まり、ゼッケンを外した。もう走れないという意思表示である。

これは困った。次の走者への交代地点まであと4キロちょっと残っている。サポート車に乗っているのはオレ以外にはドライバーの母親と、青年の前に走り休息していた第6走者の男性だけである。母親が息子に代わって自分が走るから着替えるために数分欲しいと言うが、走者登録していないサポートメンバーが無断で交代したことがバレたらペナルティが課される可能性がある。というか、4位・5位のチームの走者が背後に迫っている状況で着替えに数分掛かった上に、あまりスピードが期待できない母親が残り4キロ強を走るとなると、予定より10分以上の遅れが生じさらに順位が落ちてしまう。

オレはそこまで考えて躊躇なく彼の手からゼッケンを奪うと自分が交代すると宣言し、休息着のままで走り出した。上は着替え用の長袖Tシャツ、下はトレパン、靴はトレイル用シューズであった。ナイロン製のトレパンがカシャカシャと擦れる音を立て、長袖Tシャツは汗ですぐに重くなった。難易度3のコースの上り坂は、2時間前に急坂を走り終えたばかりの脚にはキツイ。それでも、背後のランナーにだけは抜かれるまいと懸命に走り、交代地点にたどり着いた。タイムは1時間ちょうど、自己申告の予定時間を4分上回っただけであった。

休息のためにサポート車に戻ると、青年の母親に本気で感謝された。冷却剤でヒザを冷やしている青年は特に礼を言うでもなく、不機嫌そうな表情で黙っている。ぶっちぎり1位で交代地点に入って喝采を浴びるはずだったのが、後ろに付けていた東洋人男性たちに抜かれた上に途中交代になったのだから面白くないのであろう。ヒザをかばいながら走ってもまだ母親よりは速いであろうが(笑)、そんな不本意な走りはしたくないだろうから、深夜の9キロと明朝の10キロはほかの誰かに走ってもらうことになるのであろう。オレは次の順番が回ってくる夜11時まで4~5時間は休息できそうである。

(書いてるうちにまた長くなってきたので明日に続く)





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Last updated  2011.08.23 07:47:46
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