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カテゴリ:たわごと・仕事・愚痴
先日、ナイアガラ公園のガイド資格の更新のために公園管理事務所に試験を受けに行ってきて、せっかく2時間も掛けてやって来たことだし、試験の合否を確認した後でナイアガラの滝を見て来た。
やっぱり滝に落ちて死んだ例の日本人留学生のことを思い出し、まるで現場検証みたいな感じで周辺を観察してしまう。 柵の下は滝の淵ギリギリまで幅50センチ~1メートルくらいの土壌があるので、よほど淵に近いところでなければ川にいきなり落ちる心配はない。この留学生はたぶん滝の淵からほんの10~15m足らずのところで柵を跨いで立っていたのだろう。川の水面を見ながら、水に浮いている物体が滝の淵に落ちる時間を数えてみたが、あの距離だと川に落ちてから滝に落下するまでせいぜい5秒やそこらだったろうなあ、と思う。 ところで先日の日記に彼女は日傘を持っていたと書いたが、あれは雨傘に違いない。滝の周辺は、滝壺から舞い上がる飛沫で年中小雨が降っているような状態だからだ。それに、彼女が滝に落ちたのは日暮れ時でかつ曇り空の日だったはず。決して気取って日傘を差してポーズをとっていたわけではなさそうだ。 滝の周辺では各国語が飛び交う。その留学生と同じくらいの年齢と思しき日本人もチラホラ見掛ける。しかし、さすがに事故のことを聞いているからか、柵から身を乗り出したり、ましてや柵にまたがるような人は居ない。 60m下の滝壺から舞い上がる大量のしぶきと、ドドドドド…という怒涛の轟音を聞いたら、本能的な危機感が目を覚ます。 試験問題にも出たが、ナイアガラの滝に落ちて助かった人は2人しかいない。樽やカヤックなどに乗って意図的に落ちたスタントマンでさえ、14人中5人が死んでいる。1分間に600万のバスタブを満杯にできるだけの水量が、約60mの高さから落ちるのだ。あの水を喰らったら圧死するのは無理もない。助かった2人のうちの1人は7歳の幼児だったそうだが、ライフジャケットを着ていて体重も軽かったために、川水の勢いで滝壺の彼方に放り出されたらしい。おかげであの何トンもの滝水を喰らわずに済んだのだ。万が一ナイアガラの滝の上流に落ちてしまった人は、落ちる寸前に滝淵の縁をエイヤーと蹴って遠くに飛べば、60m落下の衝撃で大怪我はするかもしれないが、命は助かる可能性があるということだ。 これも試験に出たが、滝の水は夜間は水量が半分になる。近くにある水力発電所の貯水池に送られるからだ。だから夜にナイアガラの滝は比較的静かだ。周辺のホテルに泊まっている観光客も轟音を気にせずに眠れる。夜間なら滝壺に落ちても水圧半分以下で助かるかも知れない。夜間はいつも滝がカラフルにライトアップされているのでアベック客などが散歩しているが、それでも人通りが少ないだろうから落ちても誰にも気付かれない可能性は高いが。 また紅葉の季節が近づき日本人観光客も増えつつある。風の強い日は傘を差して柵に接近するのは避けようねみんな。柵から身を乗り出すなら、柵の下に土壌が残っている25m以上上流にしよう。もしも夜に滝に近づく場合には誰かほかの人と一緒に行こうね。そして、万が一川に落ちて流されてしまったら、エイヤーで滝の淵から出来るだけ遠くにジャンプすること! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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